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ジワジワすすむ現実訴える〜「共謀罪をブッ飛ばせ!」新宿西口リレートーク

 多くの人たちの反対を押し切って強行成立した共謀罪法。2017年7月11日に施行されてから三年たった。“目くばせしても共謀罪”。「そういえばそんなのあったよね」という声も聞こえてきそうだが、実際にどんな形で現れているのか。7月12日正午。東京・新宿西口でリレートークが行われ、10人がマイクを握った。(主催は「ブッ飛ばせ共謀罪!百人委員会」)

 トップは京都大教授の高山佳奈子さん。京都大での立て看板撤去問題について語る。
 「何の事前説明もなく、学生、職員が立てたすべての看板が撤去された。学生たちが設置する看板は京大の歴史的文化的伝統であり、自由な学風に憧れて入学する学生も多かった。私たち教職員にとっても、学会やシンポジウムなどの看板を撤去され、市民と大学をつなぐ糸が絶たれてしまっている。京都市の条例にもとづくというのが大学当局の言い分だが、伝統的景観を守ることが必要だという条例の内容からみても、看板撤去の理由にはならない」「共謀罪も法が通ってしまったから従わなくてはいけないというのでない。 内容に問題のある法律や条令については、やめさせるよう動くのが大人としての社会的義務だ」と力強く訴えた。

 続いて大阪から参加した西山直洋さんは、関西生コンで働く労働者。共謀罪の先取りのような弾圧を受けた。
 「日本はおかしな方向に向かっている。身の危険を感じるから、わざわざ大阪からやってきた。労働組合として正当な行為をしただけなのに捻じ曲げられ、犯罪化された。組合が職場の労働者をまもるために交渉したりストをやったりするのは憲法28条で保障されていること。しかし団体交渉を申し込んだら「強要未遂罪」、ストライキをやったら「威力業務妨害罪」でのべ89人もの組合員が逮捕された。それだけではなく、組合員と接触するな、組合事務所に出入りするなと言われている」「仲間と協力して何かを行うのが労働組合。それが共謀とみなされる。警察は暴力によってではなく、組合=悪というレッテル張りをして活動を自粛に追い込んでいる。こんな共謀罪法は廃案にしないと安心して働ける社会は望めない」

 当たり前のことをしている労働者や市民が犯罪者扱いされる一方で、検事総長候補は罪に問われない。三年以上にわたり月二回も賭けマージャンをしていたにもかかわらず「常習賭博ではない」と不起訴になった黒川氏。コロナで大変な目にあっている人たちが大勢いる中で、彼が手にした退職金5700万円は税金だ。こんなことが許される社会でいいのかと「検察官法改正を許さない会」の共同代表の岩田薫さんがマイクを握った。

 理不尽なことも多い中、フリージャーナリストの林克明さんは「公民館では名簿提出を要求される。しかし抗議したら撤回した。何の法的根拠もなく、雰囲気でやっていたことがわかった。しかしコロナを口実に名簿提出が強要されていくだろう。」


 元共同通信の丸山重成さん。「共謀罪とはコミュニケーションを壊すこと。今、コロナ対策として安倍がやっているのもコミュニケーションを壊すこと」


 救援連絡センターの山中幸男さんは、「デモをしたから逮捕ではなく、感染拡大防止のためにステイホームしないから取り締まられる。そんな時代がやってきた」という。「県をまたぐな、電車に乗るな、マスクをつけろ」ということに、唯々諾々と従っている私たち。しかし、不要不急であるかどうかなんて誰が決めるのか。自粛とは自ら考えてするものであって、社会的に上から強制されるものではないと力をこめた。


   「新しい生活様式」の中でも、保険や医療や福祉を切り捨てて、軍拡にお金が使われているのは変わらないと、池田五律さん(戦争に協力しないさせない練馬アクション)はいう。「市民には自粛を強要しながら、防衛相は自粛どころか辺野古や宮古も工事を強行し 、木更津にオスプレイ配備までしている。自衛隊からも感染者が出ているが、感染経路は不問。我々が感染すれば丸裸にされるのに。」


   川柳会の若手・乱鬼龍さんは「原発コロナ豪雨もう世直しの他はなし」のむしろ旗を掲げて登場。「関西生コンへの弾圧は関西生コン労組だけの問題じゃない。時代はここまで来てしまっている。平和、民主主義、人権とかいうなら黙っていてはだめ。異論異議を言ったり表現したりするには川柳がむいている。私たちが目にしているものは戦前の大本営と同じようなもの。様々な人が様々な表現で歴史を転換させる時代だ」と訴えた。


 呼びかけ人の山脇哲子さん(弁護士)。「私もコロナに感染した。自粛も大事だが、どうすればいいか自分で考えることが一番大事」

 それぞれの立場から語られる話はどれもわかりやすく示唆に富んでいた。密を避けるという意味でも、こうした街頭でのリレートークはとてもいい。小田急デパート前を行き交う人たちも立ち止まったり、聞き耳を立てているのがわかった。共謀罪は、誰もが何らかの形でかかわりを持たざるをえなくなる。そのことに気づかせてくれる二時間だった。(堀切さとみ)


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