◆東京都知事選候補者アンケート結果～都知事選の最大争点は東京オリパラ開催の是非

■7月5日投開票の都知事選に際して、「オリンピック災害おことわり連絡会」は、以下のとおりアンケートを実施し、複数の候補者から回答が得られた。

　なお、現職の小池知事は、連絡先が明記されておらず、Facebookに質問を送付したものの、回答は得られなかった。

※アンケートは回答が得られた候補者のみを記載

質問1
・あなたは現時点で東京オリンピック・パラリンピックを2021年7月に行うべきだと思いますか？
①当初の予定通り、完全な形で行うべきだ
②縮小開催で行うべきだ
　ア．種目数を減らしての開催
　イ．無観客での開催
　ウ．その他の方式
③現段階で中止すべきだ
④コロナ状況を見ながら秋までに決定すべきだ
　ア．実施の場合の条件は？
　イ．中止の場合の条件は？
⑤その他
＜回答結果＞
・宇都宮健児　④国際的な感染の状況を踏まえ、内外の専門家の意見に従います
・小野泰輔　①②
・石井均　①
・服部修　⑤開催するかどうかは、IOCが決めることで都知事が判断することではな
　いと思われます。種目ごとに、観客を入れるかいれないかなど個別に検討すれば
　良いと考えます。

質問2
・あなたは延期で実施する場合の追加費用も含めて、東京オリンピック・パラリン
　ピックにかかる経費についてどうお考えですか？
①適正なものだ
②過大な費用をかけすぎている
③費用の流れが不明朗で市民に説明できていない
④オリパラの費用はコロナ対策に回すべきだ

⑤回答
＜回答結果＞
・宇都宮健児　②小池知事は費用を減らす、そのために会場なども変更すると約束
　しながら、全く実現しませんでした。③、④中止となったときは、削減できた費
　用はコロナ対策に回すべきだという立場です。損害額を減らすためにも、最終的
　な判断はできる限り早めに行うべきだという立場です。
・小野泰輔　⑤現時点で不明であるが、事後行政評価を客観的に行い、情報公開を
　徹底する。
・石井均　②しかし、いまさら無駄遣いを取り戻せない
・服部修　①

質問3
・竹田前JOC会長をめぐる招致疑惑は解明されないままの状態で東京オリンピック・
　パラリンピックが行われようとしています。あなたはこの事態についてどうお考
　えですか？
①外国の検察当局の追求を見守りたい
②日本の検察も含めて徹底究明すべきだ
③すでに究明が終了した案件であり、これ以上の究明は必要ない
④その他
＜回答結果＞
・宇都宮健児　②
・小野泰輔　①都議会で調査等をするのであれば、見守りたい
・石井均　回答なし
・服部修　②

質問4
・東京オリンピック・パラリンピックについて、あなたが市民に特に訴えたいこと
　がありましたら短くお書きください。
＜回答結果＞
・宇都宮健児　多くの都民がオリンピックを楽しみにされていたことと思います。
　しかし、世界的な感染が一年で終息するということは、かなり困難であり、世界
　中からアスリートと観客を東京に集めるということは、かなりハードルが高いと
　思います。専門家が困難と判断したときは、国際オリンピック委員会に中止を働
　きかけ、中止になったことで浮いた予算はコロナ禍で被害にあった都民の支援に
　回したいと考えています。
・小野泰輔　オリパラ中止を公言する有力候補が増えたが、中止はなんとしても避
　けるべきである。ここまで努力してきた関係者・アスリートはもちろん、経済的
　なダメージも計り知れない。2024年開催も視野に確実な開催を私は提言する。
・石井均　回答なし
・服部修　楽しみにしていた方や、準備していた方の為にも延期した分、よりよい
　オリンピック開催に向けて動いたら良いかと思います。とにかく、選手の体調、
　メンタル面が一番気にするべき事なので選手の声、現場の声も聞きながらいろん
　な事を決めていく事が必要と考えます。

■国家規模の予算、人口を抱える東京都の舵取りは、日本全体に大きな影響が及ぶ。新型コロナ感染者の高止まりによって、五輪の是非はコロナ対策に比べて目立たなくなってきているが、五輪に対する候補者の考え方の違いは、各種政策全般においても如実にその違いが表れている。
今のまま開催できるかどうか分からない大会運営に多額の経費を投入するのか、それとも未だに終息の見えない新型コロナウイルスの経済対策費に充てるのか、選択の時を迎えている。〔金子通〕
＊写真＝「オリンピック災害おことわり連絡会」HPより

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