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韓国で政権交代を勝ちとった闘いの記録『写真集キャンドル革命』(日本版)出版なる

    白石孝

 重さ1.1キロ、A5判311頁の本が出来た。
 写真集というと、写真がメイン。しかし、この本は「写真」に加えて「記録」に 大きな意味が込められている。もちろん、写真だけでも素晴らしい。特に、被写体 の一人ひとりの表情や目線に心が惹きつけられる。怒り、訴え、共感、カップルや 家族や仲間の愛、注視、歓喜などすべてに表情があり、目線に人そのものを感じる。

 韓国では「一人デモ」や「街頭(社前)記者会見」という運動スタイルがある。 どちらも、無届集会禁止などへの対抗手段として日常的に行われている。ただ「一 人デモ」といっても、まったく一人ではない。10分間や20分間は一人でメッセージ ボードなどを持って立つが、リレー式に仲間がつないでいくので、多くの人が共に 担っているのだ。私もかつて政府合同庁舎の通用口付近に30分ほど立ったことがあ るが、背後に仲間の視線を感じて、不思議な一体感を持つことができた。


*白石孝さん(左)と出版社・コモンズ代表大江正章さん

 「キャンドル革命」は、その一人デモの壮大な積み重ねとも言える。いちどきに 100万人、最大では230万人が集まり、徹頭徹尾平和裏に行われた市民の集会は、世 界でも稀とされている。それは、単なる数ではない。一人ひとりが意思を持ち、そ れが合わさった強靭な力を持っている。

 「記録」は「圧巻」だ。1910年の日本による強制併合に対して、1919年3月1日に 独立宣言を発して独立運動が広がり、1945年8月の日本敗戦、そして朝鮮戦争を経て、 韓国の戦後が始まる。それから続く保守政権や独裁政権と立ち向かい、1987年に民 主憲法を制定したが、まだ本格的な民主化は達成されなかった。さらに、30年の時 を経て迎えたのが2016年冬から17年春のかけての「キャンドル」だ。ここで初めて、 大衆運動によって民主政権の樹立が実現し、多くの社会運動の積み上げによって民 主的政策がつくられていく。

 本書は、その経過と内容を時系列的に記述することを通して、「キャンドル」の 真髄を示している。だから私は「写真集」+「記録集」と呼ぶことにする。

*キム・イェスル〈著〉、キム・ジュヒョンほか〈写真〉、パク・ノヘ〈監修〉、 白石孝〈日本語版監修・解説〉、韓興鉄〈訳〉 定価:本体3400円+税、B5変形判、312ページ
→発行 コモンズ
→著者メッセージ動画 https://youtu.be/oX2NkwTMOXQ


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