東部労組の石川です。 東部労組機関紙2016年1月号コラム<二言三言>に下記の文章を掲載しました。 従軍慰安婦問題 日韓合意の意味するもの 昨年12月28日、日韓両政府はソウルで外相会談を開き、慰安婦問題を決着させることで 合意した。日本政府が軍の関与や政府の責任を認め、元慰安婦支援で韓国政府が 新たに設立する財団に日本から10億円を拠出すると表明。日韓双方が、この枠 組みを「最終的かつ不可逆的解決」とすることを確認し、共同記者会見を行った。 この日韓両政府合意について次のように考える。 まず何よりも第1に、被害当事者抜きの解決はありえないということ。 私たち労働組合の争議において、当事者の合意・了解なしの解決などあり得ないことと 同じである。当事者に一言の相談もなく、勝手に決めてしまった「最終的かつ不 可逆的解決」などできるわけがない。 第2は、その合意内容である。 日本の法的責任をあいまいにし、河野談話で明記した「歴史教育を通じ問題を永く記 憶にとどめ」がないことが一番の問題ではないか。 また少女像の問題で加害者側が撤退を主張することや被害当事者抜きで10億円の支 援決定などはありえない話だ。 とはいえと言うか、にもかかわらずと言うか、第3に、安倍首相らのかつての 主張からの後退を見ておかなければならない。 安倍政権は、「強制連行を示す証拠はなかった」(2007年安倍首相答弁書)や「河野 談話」の見直し、性奴隷制の否定など従軍慰安婦の存在自体を否定するような言 動を繰り返してきた。 しかし今回は、内外の様々の圧力によって、要旨「当時の軍の関与の下に、多数の女 性の名誉と尊厳を深く傷つけ、日本政府は責任を痛感している。安倍首相は、心 からおわびと反省の気持ちを表明する」と言わざるを得なかった。 それに対し、右翼勢力・歴史修正主義者からは安倍への非難やとまどいの声がわき 起こっているほどである。 安倍政権は軌道修正を図らざるを得なかったといえる。しかし慰安婦問題につ いての安倍政権の本性が変わったわけではないし、巻き返しも想定される。 これからは日本政府に対して、合意の不正を追及し、従軍慰安婦問題の事実認 定、謝罪、補償、歴史教育についての闘いを強めないといけない。(石)