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「日韓条約50年 過去清算でつながろう!」集会開かれる〜韓国学生14人も参加

                  尾澤邦子

 6月20日、東京の在日本韓国YMCAで「日韓つながり直し 1965⇒2015 日韓条約50年 過去清算でつながろう!」の集会がありました。午前10時半から被害者証言の映像、朝鮮学校無償化排除の問題と群馬の「記憶 反省 そして友好」の追悼碑を守る会の特別報告、午後は、日韓闘争の証言映像上映、シンポジウム「検証!日韓条約・請求権協定」、午後5時からデモを行い、会場に戻って午後6時半から朴保&SONGIコンサートというすごい内容でした。韓国から14人の学生が来日し、9階の国際会議場ではユース・フォーラムが開催されました。

 「第2次安倍政権になってから地方自治体も変わってきた」と話したのは、群馬の「記憶 反省 そして友好」の追悼碑を守る会の矢中さん(写真上)。「朝鮮人強制連行の記憶は消せない」と特別報告を行いました。群馬県は軍用機を生産した中島飛行場や鉄鉱石・硫黄鉱山の現場やそれを運ぶための吾妻線などの鉄道敷設に多くの朝鮮人が動員され、犠牲者も出ました。20〜30か所で約6000人が動員されたとのこと。1998年に「朝鮮人、韓国人強制連行犠牲者追悼碑を建てる会」が結成され、2004年4月、県立群馬の森公園に追悼碑設置。毎年碑前で追悼集会を開催。ところが2012年、右翼団体から「碑文が反日的だ、撤去せよ」との「抗議文」が1日に100数通も届くようになり、2014年6月県議会本会議で追悼碑の撤去が採択されてしまいました。現在裁判で争っています。

 日韓条約の何が問題か。それは「過去」(植民地支配・戦争責任)を覆い隠すものだったと同志社大学教授の太田修さん(写真上)はシンポジウムで話しました。「日本軍「慰安婦」や大部分の強制動員被害者は、日韓会談当時は声を上げることができなかった。国家は暴力を受けた人々の声や痛みを受けとめることなく、1965年の条約―法によって「完全かつ最終的に解決」としてしまった」と。神奈川大学教授の阿部浩己さんは、「国際法は以前は大国主導で暴力的だったが、人間・人権重視に変化してきている。社会から排除されてきた人々の声を反映している。現在の国際法は日韓間の結び直しの可能性がある」と話しました。韓国の民族問題研究所責任研究員の金丞垠さんは「日韓協定で扱われなかった問題を包括的に解決するためには、日本の不法な植民地支配に対する反省と謝罪を前提に、新しい「第2の請求権協定」を追及していかなければならないだろう」と話しました。

 司会で立命館大学教授の庵逧由香さん(写真上)から「具体的に何が実践できるか」の質問に韓国の慶北大学法学専門大学院教授の金昌禄さんは「日韓政府が異なる主張をし続けることではどうもならない。新たな段階に進むために現状を認めることが必要」と話しました。阿部浩己さんは「第3者機関による仲裁、請求権協定の積み残したものを訴えることが必要」と提起。東京新聞編集委員の五味洋治さんは「歴史認識の一致は日韓で可能か。日本社会の現実は厳しい」と話し、太田修さんは「こういう集会を持ち、声を上げ続けることが必要」と話しました。どの方のお話しも、とても説得力のあるものでした。

 コンサートはとてもすばらしかったです。「在日の思いを語り、歌ってください」という主催者の要請に十分すぎるほどに応えていただきました。さすが朴保さん、SONGIさん。お二人の熱演に、うっとりしたり、涙したり、叫んだり。最後はみな立ち上がって踊りました。


Created by staff01. Last modified on 2015-06-22 09:22:24 Copyright: Default

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