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LNJ Logo 8.3環境省前抗議行動〜「原子力規制委員会」のムチャクチャ人事に異議あり!
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「原子力規制委員会」のムチャクチャ人事に異議あり!
 この1週間に日本の未来がかかっている

                                      西中誠一郎

 8月3日、首相官邸前での抗議行動と同じ時間帯に、経産省前では環境NGOや反原発の市民グループが集まり、再稼働反対や原発敷地内の破砕帯調査の早急な実現、原子力規制委員会人事案の撤回などを求めて「連続行動」を行い、首相官邸前行動の終了と同時に、環境省がある合同庁舎5号館前に移動した。

 新たな原子力規制機関として、環境省の外局に極めて強い権限と独立性をもつ「原子力規制委員会」が設置され、その事務局として「原子力規制庁」が置かれる設置法が6月下旬に国会で可決した。委員長と4人の専門委員は「国会同意人事」で、首相が任命し、委員長については天皇が認証する。このような重要な「国会同意人事」の委員の名前や経歴が、突然マスコミにより報道された7月下旬以降、「原子力ムラ」の中枢にいた人物が中心の人事案に対し、強い危機感をもつ超党派の国会議員や市民グループが、抗議活動や院内集会、記者会見などを連日行っている。

 首相官邸前での抗議行動が終わった午後8時過ぎになると、環境省前には続々と市民が集まり、歩道は人々の怒りでいっぱいになった。「原子力規制委員会人事案を撤回しろ!」「委員長候補の田中俊一を認めないぞ!」「原子力ムラは出て行け!」「人事案撤回!」の声が環境省や厚生労働省が入ったビルの壁に反響した。

 原発事故被害者、特に自主避難者や、避難指示区域外の住民の権利保障確立のために奔走してきた国際環境NGO「FoE Japan」の満田夏花さんは、原子力規制委員人選の中心である細野豪志環境大臣、内閣府特命原子力行政担当大臣の責任を厳しく追求した。

細野大臣、あなたは福島原発事故で苦しんでいる人たちの気持ちを無視するのですか?原子力規制委員の5人中3人が『原子力ムラ』の出身者、特に委員長候補の田中俊一氏は、8月1日の衆議院議員運営委員会での意見聴取会でも、原子力委員会や電力会社との『秘密会議』への参加を認めました。『原子力規制庁設置法案』の国会審議の中で、細野大臣は『国民の信頼の回復』『原子力ムラとの決別』『利用と規制の分離』と答弁したじゃないですか?ひとつも実現されていない。国民を馬鹿にするにもほどがある。今直ぐこのとんでもない人事案を撤回しろ!

   8月1日「脱原発弁護団全国連絡会」は、このような人事案は「原子力規制庁設置法」にも明らかに違反すると緊急声明を発表し、野田首相や細野大臣、枝野経産大臣宛に提出した。
http://e-shift.org/wp/wp-content/uploads/2012/08/120801_bengodan.pdf

満田さんの怒りのメッセージは続いた。

田中俊一氏は『100mSvでも大丈夫、国民は放射能と折り合いをつけて住んで行くことが重要』と発言しています。原子力損害賠償紛争審査会で、傍聴に来た福島県民を前に、自主的避難の賠償に田中さんは最後まで反対しました。このことが福島の親たちをどんなに苦しめているのか、田中さん、分かっているのですか? 除染、除染、除染ゆえに避難できない福島の状況をあなたは分かっているのですか?こ んな人に、福島の未来、日本の未来は任せられません。

 続いて発言したのは、昨年8月に福島県郡山市から静岡県に家族で自主避難した長谷川克己さん(写真下)。長谷川さんは、今年に入って静岡県内で細野大臣と話す機会があった。

 昨年3月に妻が身ごもり、大量の初期被曝の中で約半年過ごしてから避難しました。今年2月に子どもが生まれましたが、そのことを細野大臣に言うと『おめでとうございます』の一言だけ。子どもが生まれるまで、どんなに辛い不安な気持ちで過ごしてきたのか、あなたは分かっているのですか?

 福島に寄り添うなんて勝手なことを言うな!県民はだれもそう思っていない。あなたが寄り添っているのは金まみれの福島の経済界の人間だけじゃないないか!我々はあなたたちと一緒に進みたいなどと思っていない。

 自主避難の人たちの中には、避難する時に同じ福島県の人から「裏切り者」「非国民」という声を浴びせられた人もいました。私はあえて言いたい。あたなたちこそ非国民じゃないか! 初期被曝や低線量被曝の恐怖も知らずに、このような涼しげな快適なビルの中で、机の上だけで仕事をしているあなたたちこそ非国民じゃないか! 福島に土下座して謝れ!そして田中俊一の人事案なんて絶対に撤回だ!非国民がこの国の実権を握るな!今すぐに出て行け!!

 言葉を何回も詰まらせながら、明かりの灯った合同庁舎に向かって叫んだ。

 郡山市在住で、「福島の女たち」や「福島子どもネット」などの活動に積極的に関わり、全国を駆け回っている森園和重さん(写真下)は、8月1日から東京に泊まり込みで滞在し、3日間かけて国会議員会館を周り、議員事務所ひとつひとつに人事案への反対を求める働きかけをしてきた。

 この3日間、議員会館を走り回ってきました。そこで今日、細野大臣に会うことができました。8月1日に福島市で開催された意見聴取会で、細野大臣は私たち福島県民の怒りの声を聞いてきました。しかし今日、彼は私たちの目の前で『細野豪志が既に国会に提出している人事案は、このまま通させて頂きます。よろしくお願いします』と言いました。8月1日の意見聴取会は一体何だったのでしょうか?ガス抜きですか?一体どこまで国民を馬鹿にするのでしょうか?全国でこれだけ反対の声を上げているにも関わらず、何を恐れて強行しようとしているのでしょうか?私たちの声を聞いて『NO!』と言えばいいのではないでしょうか?一体何を怖がって、このような人事を進めようとしているのでしょうか?
 と力を振り絞って訴えた。

 3日午後には自民,公明を除く野党7党が野田政権への内閣不信任案の提出を党首会談で合意するなど、国会情勢は混沌としている。このような無茶苦茶な原子力規制委員会人事案を国会で決議させないために、8月6日からの一週間の取り組みに全てがかかっている。地元選出の国会議員への働きかけをはじめ、市民ひとりひとりの取り組みと連携に、今後の日本の将来がかかっている。
【超・緊急署名】「原子力規制委員会」のムチャクチャ人事に異議あり!
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-7803.html


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