写真速報 : 8.13ヤスクニキャンドル行動 | |||||||
Menu
おしらせ
・レイバー映画祭(報告) ・レイバーネットTV(10/30) ・あるくラジオ(10/10) ・川柳班(10/31) ・ブッククラブ(10/12) ・シネクラブ(9/1) ・ねりまの会(10/12) ・フィールドワーク(足尾報告) ・三多摩レイバー映画祭 ・夏期合宿(8/24) ・レイバーネット動画 ●「太田昌国のコラム」第95回(2024/10/10) ●〔週刊 本の発見〕第366回(2024/10/24) ●「根津公子の都教委傍聴記」(2024/10/24) ●川柳「笑い茸」NO.157(2024/9/26) ●フランス発・グローバルニュース第14回(2024/10/20) ●「飛幡祐規 パリの窓から」第95回(2024/9/10) ●「美術館めぐり」第4回(2024/10/28) ★カンパのお願い ■メディア系サイト 原子力資料情報室・たんぽぽ舎・岩上チャンネル(IWJ)・福島事故緊急会議・OurPlanet-TV・経産省前テントひろば・フクロウFoEチャンネル・田中龍作ジャーナル・UPLAN動画・NO HATE TV・なにぬねノンちゃんねる・市民メディア放送局・ニュース打破配信プロジェクト・デモクラシータイムス・The Interschool Journal・湯本雅典HP・アリの一言・デモリサTV・ボトムアップCH・共同テーブル・反貧困ネットワーク・JAL青空チャンネル・川島進ch・独立言論フォーラム・ポリタスTV・choose life project・一月万冊・ArcTimes・ちきゅう座・総がかり行動・市民連合・NPA-TV・こばと通信
|
夜の神田の街に、「ヤスクニ ノー」「原発 ノー」のシュプレヒコールが響きわたった。8月13日、東京都千代田区の全電通会館ホールで行なわれた「平和の灯を! ヤスクニの闇へ キャンドル行動」。450人(主催者発表)の参加者は、最後まで集中力を持続しながら、歴史の闇に光を当てようとした。 アジアからのゲストを招いて毎年開かれるこの行動。例年と大きく違う点は、言うまでもなく3月11日に東日本一帯を襲った大震災の発生と、それによる史上最悪の原発事故だ。 メインテーマを「3・11後の東アジア−−原発とヤスクニが強いる国家と犠牲」と掲げ、屋内集会とデモ行進が、厳しい残暑のなかで取り組まれた。 ■「犠牲のシステム」 パネリストの高橋哲哉さんは、「犠牲のシステム」をキーワードに、「8・15ヤスクニ」と「3・11フクシマ」を対置。 「犠牲のシステム」とは、「ある者たちの利益が、他の者たちの生活を犠牲にして産み出され、維持されること」と定式化。この犠牲は通常隠されているか、共同体にとっての「尊い犠牲」としてとして美化され、正当化されている、と高橋さんは指摘する。 「ヤスクニ」というシステムは、植民地帝国としての日本国家を建設、拡張していくために敵対する人々を殺りくし、その過程で戦死した自国の兵士の死を「尊い犠牲」として正当化するシステムだった。 原発も同じである。ひとたび事故が起きれば、周辺に甚大な放射能被害をもたらすこと。運転に際し、被曝労働を前提とすること。原料となるウランの採掘現場でも労働者の被曝、環境汚染が強制されること。そして行き場のない「核のゴミ」の処分についても、立地地域周辺に押し付けられようとしていること。 高橋さんはこの4点を挙げ、ヤスクニと原発に共通する「犠牲のシステム」を解き明かした。 ■核と差別 沖縄国際大学名誉教授の石原昌家さんは、「フクシマを見る沖縄の眼差し」と題して発言。 沖縄の米軍基地には核爆弾が貯蔵され、その投下訓練が行なわれてきた。 通常爆弾を搭載した爆撃機が、核貯蔵庫のわずか手前に墜落し、大爆発した。米軍のヘリや民間機が原発に墜落する危険性や、原潜が沖縄に寄港するなど、沖縄に原発そのものはなくても、日常的に核の脅威にさらされていることなどを報告。 にもかかわらず沖縄電力は、小型原発の沖縄設置に向け動きだしている。「基地の押しつけ」と「原発の押しつけ」の構造は、「カネによる住民からめ取りの構造とセットだ」と言及した。 潘朝成さん(台湾慈済大学メディア学部講師)は、先住民族、少数民族が侵略と略奪の対象となり、社会の最下層での労働を強制され、さらにその居住地が核実験場になったり、有毒物質の処理場として選ばれてきた差別の歴史を告発。 台湾に原発がなくても電力は十分に足りており、米台の政治的な利害関係が作用していると指摘し、原発建設反対運動に立ちあがる先住民の闘いを紹介した。 韓洪九さん(聖公会大学教授)は、「朝鮮半島の危機と平和秩序の構築」というテーマで、韓国の原発政策について語り、現代建設社長時代から強烈な原発推進論者である李明博大統領を厳しく批判した。 ■兄の消息を探し続けて 「遺族証言」では、二人の女性が登壇。裕福かつ厳しい家庭に育った南大鉉さんは、家を継ぐはずの長兄を徴兵された。 だが、その後の兄の消息がまったくわからず、両親と姉ら家族総出で懸命に行方を探す。その心労がたたり、無念のうちに祖母や両親が他界。 姉とともに家族の恨みを晴らすべく被害者団体と出会うのだが、やがて、あれほど探していた兄が、実は靖国に合祀されていたという衝撃の事実を知る。あろうことか日本政府は、召集日や所属部隊そして戦死日を記録しておきながら、遺族にはいっさい知らせていなかったのだ。 古川佳子さんも、二人の兄を天皇の軍隊に取られた。それぞれビルマ、台湾沖で戦死している。二人とも、愛する家族を無断で侵略戦争の「英霊」に仕立てあげられることを拒否し、合祀取消しを求め裁判で争っている。 コンサートは昨年と同様に盛り上がりを見せ、6時間にも及ぶ長丁場の屋内集会は、興奮のうちに幕を閉じた。 ■核を愛する権力者たち 「権力者たちは核を愛している。そんなに好きならば、抱いて眠ればいいじゃないか」――高橋さんは集会の最後に痛烈に皮肉った。「隠す、ウソをつく、過小に見せる」。レベル7のフクシマに対する政府の対応は、彼らの変わらぬ体質をあぶり出した。第二次大戦下の大本営とまったく同じやりかたなのだ。 会場の外では、在特会をはじめとする右翼諸団体が、参加者への敵意をむき出しにして、罵詈雑言の類を叫んでいる。靖国通りの随所で、無謀な突入が図られている。歩道は腕章をつけた私服警官があふれている。 だが、キャンドルを手にしたデモ隊は、その数と気迫、そして時空を超えて同じ過ちを繰り返す、この国の闇への怒りそのもので、妨害勢力を圧倒するデモを貫徹した。(報告と写真・Y) Created by staff01. Last modified on 2011-08-18 20:00:36 Copyright: Default |