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LNJ Logo 台湾:1万人の反貧困メーデーを準備中
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News Item 0420taiwan
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稲垣です。

今年の台湾のメーデーに関するニュースが流れていたので紹介します。

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台湾
反貧困メーデー 一万人規模の労働者の街頭デモを目指す
徐沛然 苦労網特約記者 4月15日報道

(原文)http://www.coolloud.org.tw/node/51592
(写真)http://www.flickr.com/photos/coolloud/sets/72157623733974827/

全国産業総工会、団結工聯など、全国規模の労働組合の代表が今日(4月15日)、
行政院(内閣:訳注)の正門前で記者会見を行ない、労働者を貧困状況に陥れた
政府の政策を厳しく批判し、今年のメーデーを「反貧困メーデー」とし、一万人を超
える規模で呼びかけることを宣言した。(写真)
行政院主計処の統計によると、台湾一人当たりの国民生産は17660米ドルとなり、
これまでで最高となり、経済成長率も当初の予測を上方修正し4.7%となった。し
かし労働者の突き当たりの平均実質賃金は三年連続のマイナス成長で、今年はマ
イナス3.47%でこれまでで最大の下げ幅を記録した。全産総書記長の謝創智は、こ
の間の台湾の経済成長の果実を労働者は享受しておらず、逆に「貧困化」してい
ると述べた。

全産総委員長の施朝賢は次のように述べた。ここ数年、政府の政策は労働者の力
をそぎ落とし、賃金を低く押しとどめてきた。「労組法」草案では労働組合の自
主権を阻害しようとする、大量の外国籍労働者を現地労働者に置き換える、派遣
労働形態を放置し雇用をさらに不安定化させた、まもなく締結しようとしている
中国との自由貿易協定によって労働者が被る影響を説明できないなどである。台
湾市産業総工会委員長の蒋萬金は、政府部門において進められてきた民間への業
務委託政策が、労働者の労働条件が悪化してきた元凶であると強調した。

中高年就業促進聯盟委員長の蕭忠漢は、主計局の2009年度の統計で、25歳から44
歳の労働参与率は84.13%であるが、44歳から65歳では60.28%にまで急落しており
、中高年の失業が深刻になっていると指摘した。中高年の失業は、それが収入の
支柱となっている家庭全体を苦境に陥らせる。

洋華光電産業労組の組合員も現場に駆けつけた。手には抗議のスローガンを書い
たミカンを持ち、テレビドラマ「夜市の人生」のワンシーンを再現し、手に持っ
たミカンを握りつぶし、抗議の意志を示した。洋華で働く労働者は、「労基法」
で保障された権利ですら労働者が抗議しないと勝ち取れない状況で、政府が積極
的に労働者の権利を保障するなどと期待することなどできない、と怒りをあらわ
にした。

謝創智は、今年のメーデーでは、派遣労働の全面的禁止、労働組合自主の堅持、中
台自由貿易協定への監視、全労働者の年金保障の実現、政府による雇用保険の損
失への補填を求めることを強調した。そして1万人以上の労働者が街頭に出て、政
府が労働者の貧困化問題に取り組むよう要求しようと訴えた。

(訳注)洋華光電産業労組:携帯電話などの液晶パネルを製造する会社。苛酷な
労働環境を改善するため2009年12月に労働組合が結成されたが、その後、5名の組
合役員、10名の組合員が解雇され、争議になっている。携帯大手のHTCやSamsun、LG
などが主要なクライアント。


Created by staff01. Last modified on 2010-04-20 18:12:25 Copyright: Default

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