*韓国「チャム・セサン」のメーデー記事3本の翻訳が寄せられました。以下紹介します。韓国労働運動をめぐる様子がよくわかります。(編集部)●メーデー前夜祭「労働者・学生・市民」が共に建国大学裏門に1500人あまり参加…第2のローソクの灯を決議アン・ボヨン記者coon@jinbo.net / 2009年05月01日9時49分メーデー前日の30日、建国大学裏門に設置された舞台で「2009 4・30闘争決議大会」が開かれた。経済危機のあおりで非正規職労働者の最優先解雇が当然視されたり、非正規職4年延長と最低賃金法削減の試みが進む中で、この日の4・30闘争決議大会は「経済危機責任転嫁粉砕、労働者・民衆の職場と生存権、民主主義を闘いとる」を課題に開催された。30日午後6時30分から事前集会の「女性労働者闘争大会」をはじめ約5時間ほど開かれたこの日の闘争文化祭には労働者・学生・社会団体の会員・ネチズンなど1,500人あまりが参加した。「女性労働者闘争大会」には違法派遣の「象徴」になってしまったキリュン電子で解雇以来1340日あまりにわたって復職闘争中のキリュン電子労働者が最初の舞台を飾った。ユ・フンヒ民主労総キリュン電子分会組合員は「非正規職4年期間延長は非正規職に永遠に非正規職で生きろというものだ。経済危機は資本家の放漫経営のせいなのに責任を労働者に転嫁している。だけど労働者の団結はまだまだだ。6月闘争で団結の力を創りだそう」と語った。仁川地下鉄清掃サービス労働者は伴奏なしに流行歌のメロディーにのせた替え歌を披露して拍手喝采を浴びた。チョン・クムジャ公共労組医療連帯ソウル地域支部看病人分会長は「24時間勤務、時給2,500ウォン、週144時間労働する看病労働者は洗濯やキムチ漬けなどさまざまな雑用に従事し、セクハラや性暴力に苦しめられるケースが多い。だけれども政府は管理監督を全くしない。看病労働者を『直接雇用』してこそ看病労働者の権利が保障され、まともな看病サービスが実現できる」と語った。女性労働者闘争大会の参加者は決議文で「『まず』搾取され抑圧されている女性労働者の現実を暴露し、最低賃金引き上げと女性労働者の権利を闘いとるための女性の集団闘争を組織する」と明らかにした。女性労働者たちは要求を入れた風船を空に向けて飛ばした。引き続いて伝統民衆楽器集団「サルパン」の太鼓を合図に「4・30闘争決議大会」が8時にスタートした。多彩な公演と映像で参加者の多くの支持と喝采を浴びた。龍山惨事の遺族、故イ・サンニムさんの妻チョン・ヨンシンさんは「5人を虐殺し、遺族には暴力と暴言を働く。検察は被害者を加害者にすり替えた。検察の論理の通りであれば、夫が自分の父を殺したことになる。この政権がどこまで狂っているのか見とどけてやる。そして闘う決意だ」とその心情を訴えた。この日、労働者大会が開かれる2時間前に、メーデーに際して龍山惨事で亡くなった撤去民たちを追慕しようと「龍山撤去民惨事」の現場を訪れた学生たちが、警察の鎮圧で20人あまりが連行された。警察はスンチョンヒャン大学病院でも遺家族を訪問してきた学生たちを連行した。大会参加者は「労働者・撤去民・学生・ローソク市民、進歩政党の党員、社会団体の会員は今日から全面的な闘いに突入する。6月総決起、第2のローソク、全国民的な闘いで労働者・民衆の生存権を勝ちとるだろう」と決意を明らかにした。引き続き夜10時から4・30青年学生文化祭「道を拓け 青/年/よ」がはじまった。メーデーの本集会は1日午後3時からソウルの汝矣島公園など全国で同時に開催する。http://www.newscham.net/news/view.php?board=news&nid=52762----------------------------------●119周年メーデー「多様な連帯」の試み労働者・学生・女性など4万人あまりが汝矣島に集結キム・ヨンウク記者/ 2009年05月01日16時42分民主労総は5月1日、119周年世界メーデーをむかえて,ソウルをはじめ全国13ケ所で同時多発的にメーデー大会を開いた。民主労総を含む500あまりの労働・市民・社会団体で構成された「119周年世界メーデー汎国民大会組織委員会」は午後3時からソウル汝矣島の「文化広場」で4万人あまりが集まる中で汎国民大会を開催した。汎国民大会は119周年世界メーデーを記念し、ロウソク集会の精神継承、民生・民主主義の再生、MB政権審判の旗を掲げて開催された。民主労総はこの日の大会で、労働者と市民4万人あまりを前にして「民主労総の社会連帯宣言」と「汎国民10大要求案」を発表した。この日のメーデー汎国民大会は第1部と第2部に分けて開かれた。第1部は民主労総シン・スンチョル事務総長の司会で進められた。第1部は民主労総が行っている例年のメーデー大会だったが、各界の挨拶からして民主労総の連帯の意志が文字通り表現されていた。発言にはナム・ユンスン韓国女性団体連合共同代表とイ・ウォンギ韓国大学生連合議長が壇上に立った。それほど女性と学生との連帯に力を入れていた。それに先だって上映された各界各層からの挨拶ビデオの言葉からも幅広い連帯の力が読み取れた。イ・ユンギ韓国大学生連合議長は「李明博政権の審判なしに大学生の未来はない。授業料と青年の失業問題で大学生が行き詰まっているのに、李明博政権は切実な要求にそっぽを向いている」と批判した。ナム・ユンスン韓国女性団体連合代表は「去る4月29日の補欠選挙を通じてさまざまな部門と階層における民主的な力量を確認したのだが、いまこそ多くの団体が一つに連帯すれば勝利できるのではないかと自らに問い、女性界も社会的な連帯闘争にともに立ちあがる」と語った。文化公演でも全国学生行進の新人による律動が上演された。全国学生行進は韓国大学生連合とは路線を異にする学生団体だ。民主労総の幅広くなった連帯と少数に対する配慮が公演にもにじみ出ていた。20人あまりの新人大学生による公演はぎこちなくリズムに乗れなかったりよく間違えたりしてはいたものの、うまく構成されており、いささか固めの労働者集会とは違い才気に溢れ溌刺としていた。進歩政党も民主労総の排他的支持政党である民主労働党だけでなく、進歩新党もともに壇上に上がった。カン・キガプ民主労働党代表とノ・フェチャン進歩新党代表がそろって壇上に上がり共に手を握った。4・29選挙で院内進出した進歩新党が民主労総の大集会で公式発言をしたことは、これからの民主労総の政治方針にそれなりの影響を及ぼすものと思われる。カン・キガプ民主労働党代表は「政府と与党ハンナラ党は一昨日の補欠選挙で惨敗したにもかかわらず、国民の冷徹な審判に耳をふさぎ、ほかならぬ昨日も財閥の蔵をいっぱいにする数十の法案を一方的に通過させた」と批判した。ノ・フェチャン進歩新党代表は「チョ・スンス進歩新党候補の勝利は進歩新党だけの勝利でなく、民主労働党と共同の勝利だ。この勝利は最初から候補単一化を強力に促した民主労総の勝利だ。今回のメーデーを契機に総反撃に出よう」と訴えた。2人の演説に続きイム・ソンギュ民主労総委員長が舞台に上がり、3人が共に手を取り合った。イム・ソンギュ民主労総委員長は大会の辞ではなく社会連帯宣言を発表した。「社会連帯宣言」には△韓国の社会経済危機の原因と問題点△民主労総の活動に対する反省と評価△新しい社会建設の方向とビジョン△社会連帯憲章制定運動の提案などが盛り込まれていた。イム・ソンギュ委員長は社会連帯宣言で「組織された労働者のみの賃金・雇用闘争を乗り越えて非正規職・中小零細事業場・移住労働者など労働者全体の差別を解消し、労使間の賃金闘争だけでなく医療・教育・住居など社会保障制度を拡充して社会構造の根源的改革を追求しなければならない」と社会連帯「憲章」の制定運動を提案した。引き続いて開かれたメーデー大会第2部はより一層連帯の幅を広げていた。産別連盟ごとの事前集会〜事前行事〜本大会の進行順序だった例年の方式を破り、第2部はキム・イルファン嶺南大学校総学生会長に司会がバトンタッチされた。キム・イルファン会長は懐かしい慶尚道の方言で第1部の硬直した雰囲気をほぐしながら第2部を進めていった。メーデー大会史上で大学生が司会を受け持ったのは初めてだ。青年の失業と大卒新入社員の削減問題に民主労総が積極的に連帯していくという意志でもある。第2部は連帯の広がりによって去年の春から夏を熱くさせたローソクの灯と出会った。第2部は「大韓民国は民主共和国だ」という歌の合唱で始まった。最初の発言にはローソクの灯を最も早くともした青少年が立った。彼らは発言の後では公演も見せてくれた。龍山撤去民虐殺の遺族も舞台に立った。ローソクの守り手タイン・アッパも舞台に上がった。龍山の殺人鎮圧で家族を失った遺族も舞台に上がり、遺族を代表してクォン・ミョンスクさんが発言した。組織委員会は汎国民行動を宣言し10大要求案を発表した。10大要求案は△労働者・庶民のための民生政策△最低賃金および最低生活費の現実化△全国民の失業への社会的セーフティネットの構築△働く権利の保障△農業と農民再生政策の施行△国民の基本生活の保障△労働基本権の保障△ニュータウン再開発中止△MB悪法の即刻廃棄△南北対話と協力方案の推進などだ。この日午後5時に大会を終えた参加者たちは公共運輸連盟の隊列と学生を中心として新吉駅までデモ行進した。一方、韓国労総は昨年と同様にメーデーを記念してマラソン大会を開いた。韓国労総はこの日午前9時からソウル蚕室のオリンピック・メーンスタジアムで「経済危機克服のための全国民マラソン大会」を開いた。http://www.newscham.net/news/view.php?board=news&nid=52766-----------------------------●みなさんは「労働兄弟」か指導部はまだわからない女性主義キム・ヨンウク記者batblue@jinbo.net / 2009年05月02日10時15分「親愛なる労働兄弟のみなさん! 市民のみなさん! 闘争!」「親愛なる労働兄弟のみなさん」「市民のみなさん、労働兄弟のみなさん」2009年5月1日、119周年メーデー記念大会に立った演説者は「労働兄弟」を連発した。ノ・フェチャン進歩新党代表が1度、イム・ソンギュ民主労総委員長が2回使った。「労働兄弟」という用語は10年あまり前から労働運動と学生運動の中で論議になった「性差別用語」だ。労働運動の中で女性の存在を否定する用語なので、多くの人が公開の場でこの用語を使うことを批判してきた。民主労総のさまざまな闘いに連帯してきた学生と女性たちは、集会で司会者や演説者が労働兄弟という言葉を使うたびにその用語は正しくないと提起し、使った人に謝罪を要求してきた。こうした煩わしいけれども果敢な問題提起のおかげで、運動陣営からこの用語はほとんど消えつつある。もちろん、こうした提起のたびに助詞一つにまでいちゃもんをつけるという古ぼけた反対論議もある。119周年メーデー汎国民大会で、「労働兄弟」という用語が最も進歩的で女性主義を最も非常に考えるという二つの団体の代表からきわめて自然に出てきた。今回のメーデーは民主労総がこれまで自らの中に持っていた運動社会内部の権力と権威主義を捨て、500あまりの社会団体と共に連帯すると宣言する場であった。さらにはイム・ソンギュ委員長は社会的弱者と積極的に連帯していくという社会連帯憲章制定運動を提案する宣言でこの用語を使った。弱者である女性との連帯も当然盛り込まれている宣言だった。開かれた発言では女性運動と積極的に社会的連帯するという意味で、ナム・ユンスン女性団体連合常任代表が直接立って発言したりもした。それなのに、すでに10年あまり前から女性運動陣営が提起してきた性差別的な用語が、進歩新党代表と民主労総委員長の口から4万あまりの大会参加者に向けて高出力スピーカーから繰り返し鳴り響いた。民主労総は去る2月5日に発覚した核心幹部による性暴力事件によって女性主義についてさらに真剣に悩み実践をすると決定した。民主労総内の家父長制とつねに侵害されるしかない女性の権利を守るための反省と省察の時間が必要だというのが性暴力真相調査特別委員会の勧告事項でもあった。民主労総は日常的に女性の権利をすすんで保障するために、女性委員会という組織内に性差別を解消する常設機構をもっている。九老同盟ストライキを主導したのも女性労働者だったし、それよりもっと以前に朴正煕政権を没落に追いやったのもYH女性労働者たちの闘いだった。今でも最初に解雇されて差別されている存在が女性労働者だ。キリュン電子、イーランド・ニューコア、ハイテックなど最近だけを見ても女性労働者の粘り強い闘いがたくさんの実例として現れている。それでも女性はいつも労働運動内で周辺的な存在だった。これはあえてク・ヘグンの著「韓国労働階級の形成」(2002)を読まなくとも、労働運動に関わっている人ならばだれでも知っている事実だ。同様に清掃サービス職の女性労働者に「お母さん」という用語を使うのも考えてみるべき問題だ。女性の労働を社会的に「周辺化」したり「保護・統制されねばならない」ことと見なしているという指摘だ。家族内で最も低い位置に属する女性に対する搾取を「孝」イデオロギーでもって正当化しているという指摘だ。4月30日の女性労働者闘争大会の決議文は「ここに最も搾取され抑圧されている労働者がいる。弱くて少数だったからではない。天の半分を支えているのに女という理由で差別されている女性労働者が彼らだ。結婚と育児を理由に、家長でないという理由で、女性労働者は資本の攻撃に、非正規職の低賃金に最も先に追いやられた」と女性労働者の有り様を明らかにした。ノ・フェチャン代表やイム・ソンギュ委員長はこういう運動陣営内の問題提起を知らなかったのかも知らない。「労働兄弟」という用語の政治社会文化的な歴史性を知らなかったかも知れない。性暴力事件で汚された民主労総が先の代議員大会で、女性主義を通じて労働運動内の女性の権利を守っていくと宣言してからちょうど1か月が過ぎた。組織内で女性主義を実現するという性の平等未来委員会の設置をめぐって代議員大会で舌戦を繰り広げてから1か月しかたっていない。民主労総が真に女性問題を自らの問題と受けとめようとするならば、こうした小さな誤りから正さなければならない。http://www.newscham.net/news/view.php?board=news&nid=52773