黒鉄好@安全問題研究会です。やや遅くなりましたが、6日に行われた辻井義春さんを励ます会の報告です。既に松原さんから報告が出ていますので、重複しない範囲での報告とします。この集会のメインは「JRに安全と人権を!市民会議」(JRウォッチ)代表・佐高信さんの講演です。佐高さんの話はおおむね以下のような内容でした。「36年前の教員時代、学校当局主催の講習会に反対し、1人だけ参加を拒否していた。すると、校長より先に組合委員長がやってきて、講習会への参加を促した。組合委員長からは「講習会に出てくれ。出席して形骸化させるのが組合の方針だ」と言われた。労働組合って一体何なんだと思ったのはこのときである」「(国鉄改革が議論されている当時)北海道のある町長から言われた言葉が印象に残っている。その町長は『警察や消防が赤字だ黒字だなんて言う人間がどこにいる』と言った。今、世の中は何でも赤字・黒字で計るようになってしまった。そのような世の中にしたのは小泉・竹中コンビである」「私はこれまで民営化とは言わず、会社化という言葉を使ってきたが、民営化(privatization)とは直訳すれば私物化のこと。民営化とはすなわち私物化であり、それは民営化の対極であるpublic(公)を殺すことである。(“私物化”しようとする勢力と我々の)どちらが乗客を獲得するかを巡る闘いであり、乗客をこちらの側に巻き込んでいくことが必要である」「私はクリーンなタカよりもダーティなハトの方がずっとましだと思う。自民党旧田中派がカネにまみれているのは、長く政権中枢にいたからに他ならない。従来から、日本の保守の中でも知恵のある者は、中国と米国をバランスさせながら外交を展開してきた。米国と仲良くすることで中国をけん制し、中国と仲良くすることで米国をけん制する。そのバランス外交が日本の生きる道と心得ていた。ところが小泉以降、そうした知恵がなくなった。小泉は世界には米国しかないのだと言わんばかりの対米一辺倒外交で、(数学で言えば)いわば1次方程式。それまでの歴代自民党政権は米国と中国の2次方程式を解いていたが、小泉は2次方程式の解けない男。米国の1次方程式しか解けなかった。安倍晋三という男は、米国の1次方程式を解いているふりをして実はそれすらも解けていなかった。福田はその1次方程式すら初めから解く気のない男だった。それならば麻生はどうか? …麻生は“方程式”という字が読めない男だ」このジョークには、会場爆笑。「小渕恵三が首相だった頃、オブツ恵三と書いたら自民党本部から内容証明が送りつけられてきた。それを読んで私も「(佐高さんの出身地である)山形ではチをツと発音するんだ。山形弁をバカにするな」と書いた内容証明を送り返した。その後、ある会合で小渕首相と同席した時、そうした経緯を知っていながら小渕首相は『自分を批判する人間も必要なんですよ』と私に握手を求めてきた」佐高さんは、ジョークばかり言っているようでありながら、最後はちゃんと辻井さんのバッジ問題に話を戻します。「偉い経営者になればなるほど批判勢力を求めるのが健全な組織のありようだ。労働組合は、いわば会社の病気の兆しを示してくれる警報であり、最も大切にしなければならないのであり、本来なら辻井さんは会社に感謝されてもいいはずだ。批判勢力を決して認めず、処分を続けるJRなど、経営者としては下の下といわざるを得ない」佐高さんのJR東日本批判は、強烈でした。松原さんの報告の中に、「たった一人じゃ大衆路線じゃない”と批判する人がいる。でもたたかいは一人からはじまるものではないか」という会場発言があった、とあります。その発言は私も確かに聞き、その通りだと思うのですが、国労、日教組など大労組が軒並み「闘う人を助けない」という状況の中、「ひとりで始めざるを得ない」という現実を思わざるを得ませんでした。「労働組合って一体何なんだ?」…佐高さんが冒頭で提起した課題は、今なお日本の運動に対して突きつけられたままになっている。そういう現実を思わざるを得ないのです。日教組に至っては、根津さんに発言させないだけならまだしも、会場にさえ入るなという体たらく。「日教組の組織率が高い県は学力が低い」と根拠なき中傷を繰り返す政治家にろくな抗議もせず、逆に闘う教員を排除する日教組の無様な姿は「右翼が来るからウチに泊まるな」というプリンスホテルと同レベルです。そんな中で、闘いの火を絶やさず燃やし続ける人たちを支援すること。現状ではそれが精一杯なのかもしれません。しかし、考えてみれば、派遣法に反対する闘いも、「名ばかり店長」の告発も最初はひとりから始まり、長い眠りについていた日本の労働者を覚醒させる端緒となりました。原則的で熾烈な闘いをすれば、支持を得られる。ひとりの闘いが日本を変える。そんな変化の胎動も確実に感じられるようになってきています。集会の翌日、私はこの日も通常通り勤務する辻井さんを本郷台駅に訪ねました。鉄道ファンなら誰もが一度は憧れ、夢見る鉄道会社の制服に身を包んだ辻井さんは光を放っていました。胸に光る国労バッジも健在でした。鉄道が、国民の公共交通から利潤のための私物に貶められて20年。JR西日本では、尼崎事故を契機として、惰眠をむさぼっていた最大労組の目の色が変わり、安全闘争が日常的に取り組まれるようになるなど大きな変化の兆しが出ています。今、信濃川での不正取水、ベルクへの陰湿な追い出し工作、辻井さんへの不当処分など横暴の限りを尽くし、内部のチェック体制も働かないまま、批判者・反対者を抹殺して暴走を続けるJR東日本こそがJR体制最大のアキレス腱となりつつあります。安全問題研究会は、みずからは法を犯して恥じることのないJR東日本という巨悪を、これからも力の及ぶ限り告発していきます。-----------------------------------------------------黒鉄 好 aichi200410@yahoo.co.jp首都圏なかまユニオンサイトhttp://www.geocities.jp/nakamaunion1/安全問題研究会サイトhttp://www.geocities.jp/aichi200410/