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 新自由主義「改革」が問われようとしている選挙まで2日を残す9月9日。 東京文京区の文京区民センターの会議室で開かれた「WTO/FTAを問う9・9東京 集会」の会場は、100人の参加者で埋められた。

 この集会は、11月に釜山で開かれるAPEC首脳会議、そして12月に香港で開かれる WTO閣僚会議が目指す新自由主義的なグローバリゼーションの流れを阻止する ために企画された「〜香港・釜山にむけて〜 WTO/FTAを問う全国連鎖行動」の 一環として開かれた。 全国連鎖行動は、第一派として9月6日から15日まで、韓国の労働運動活動家の ゲストを招き、全国9都市を巡回する。すでに仙台、いわき、横浜での集会が 開かれ、東京の後は名古屋、京都、大阪、広島、そして福岡での集会開催が 予定されている。なお、10月には、第二派として、やはり韓国の農民運動家を 招き、巡回行動が予定されている。

 集会は実行委員会の市村氏(平和フォーラム)と日向氏(HOWS)による司会で 午後6時半から始まった。主催者からの挨拶に続き、2003年のにメキシコの カンクンで命をかけてグローバリゼーションに抗議した韓国の農民、李京海さん への黙祷、そして清水氏(ATTAC Japan)によるWTO/FTAの問題点をまとめた プレゼンテーションが上映された。

 プレゼンテーションのあと、主催者側の大野正興氏(脱WTO草の根キャンペーン) からの挨拶と問題提起が行われ、この中で大野氏は 「世界化はすべての人々に影響する。 選挙では自民党圧勝かと言われている中、足下からの声をあげなければならない」、 「すべての問題は新自由主義的グローバリゼーションにある。 日韓、そしてアジアの民衆がともに歴史的な戦いを始めなければならない」と、 国際的な連帯行動を訴えた。

 続いて今回の集会のメイン・イベントであるゲストのチョジュノ(趙俊虎)氏 の講演が始まった。チョジュノ氏は、昨年11月に日韓FTA反対遠征闘争団の団長 をつとめた人物で、現在は民主労総金属連盟に所属する起亜自動車労組で 常任指導委員という役職にある。趙氏はまだ47歳と、日本の感覚では「若い」 年代に属するが、韓国の民主労働運動の草創期から困難な活動を続けてきた 筋金入りの労働運動家だ。通訳は、日韓労働者の連帯行動の場で献身的な 活動を続けてきた加藤氏(日韓連帯)である。

 約1時間にわたり、時には鋭く、そして時には柔和に語りかける趙氏の講演 では、1997のIMF危機下での韓国の経験から 新自由主義的なグローバリゼーションが労働者・民衆にもたらす被害を語り、 多くの戦いの経験や理論が蓄積されている日本の運動と韓国の運動が 共に連帯して闘うこと、その連帯をアジアへ、全世界へと広げていくことが 大切だと訴えた。

 最後に趙氏は、そうした全世界的な闘いの第一歩が釜山のAPEC首脳会議であ り、また香港のWTO閣僚会議だと指摘し、「今がチャンスだ。日韓の労働者が 連帯すれば、必ずこの闘いに勝つことができる。その勝利の日のことを思うと うれしくなる」と、年末の闘いにかける期待を表明し、日本の労働者が釜山、 そして香港での闘いに合流することを強く訴えた。

 講演の後の質疑応答では、フロアからの「新自由主義の問題点をどのように 訴えていけばいいのか」という問いに対し、 「賃金水準の低い韓国でさえ、労働者はもっと広い家で暮しているし、 労働環境も良い。日本の国民は自分達がいちばん豊かだとだまされている」 と指摘し、「日本の労働者民衆が問題点に気付いていないことが悲劇だ。 遠からず日本の社会は悲惨なことになる。そうなったときには遅い」と語り、 日韓労働者が連帯して闘うことの重要性を強調した。

 このあと、会場では稲垣氏(ATTAC Japan)が作詞したWTO/FTAを皮肉った 「サザエさん」の替歌をグループ「もうたくさん」が歌う中、釜山、香港に 持ち込まれる予定の横断幕に参加者からの寄せ書きが集められた。

 最後は、全労協事務局長の中岡氏の音頭で韓国語の「闘争!」そして 日本語での「がんばろう」で締めくくられた。

 この日の集会について、実行委員会の土松氏は「選挙の前でどうなるかと 思っていたが、多くの人が集まってくれたのでうれしい。こうした集会が 日本全国を巡回することの意義は大きいだろう」と述べた。

 また、閉会後、インタビューに対してゲストの趙氏は 「東京ばかりでなく、日本の各地の活動家と触れ合い、交流することができる 今回の機会は、私にとっても非常に貴重な経験だ。 これを機会に、本当に日韓の連帯が深まることを確信する」と述べた。

文責:安田(ゆ)

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Created by Staff. Last modified on 2005-09-16 12:11:03 Copyright: Default

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