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世界経済フォーラムとは何か


2002年1月31日から2月4日まで、ニューヨークで世界経済フォーラム(WEF)が行われた。そして世界中に市場主義・新自由主義を普及してきた黒幕組織とされるWEFに対抗し、圧倒的多数の人々・労働者の声を代弁するために世界社会フォーラム(WSF)が、ブラジルのポルトアレグレで開催された。


反WEFロゴ(左から、NY-IMC・国際自由労連・学生連合、が制作したもの)


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ニューヨーク労働者の反戦署名活動〜プロテストの現場より〜


以下は、世界経済フォーラムについて説明(ニューヨークIMCのWEBサイトより抜粋翻訳)


世界経済フォーラムとは何か?

 世界経済フォーラム(WEF)は、マイクロソフト・モンサント・ナイキ・GM(最近まではエンロンも)など、世界の巨大企業約1000社の代表らによる私的な組織である。1971年に欧州経営者フォーラムとしてスイスを拠点に出発したこの集まりは、今や企業グローバリゼーションの主要な世界的アジェンダを打ち出す主導的提案者にまで成長している。昨年まで、WEFの年次会議はスイスのリゾートタウンであるダボスで開催されてきた。
 これは年会費として30000ドル以上支払った企業の代表者、および選ばれた政治家・ジャーナリスト・学者のみが参加できる排他的な会議である。G.W.ブッシュやトニーブレアも3200の参加者に含まれている。WEFは世界全体に影響を与える世界経済・貿易のアジェンダを提起しているが、そのメンバーは欧州・米国の企業家が支配的である。メンバー構成の地理的分類で見ると、欧州43%、北米26%、アジア13%、中南米7.5%、中東4.5%、アフリカ4.3%、オーストララシア2.2%である。

なぜWEFがニューヨークに来たか?

 WEF創始者であるクラウス・スクワブ(Klaus Schwab)は2001年11月7日「世界の金融の中心として、そして最近のテロ攻撃の標的にされたニューヨーク市こそ、9・11以降の諸問題に対処するのに最もふさわしい場所だ」と述べた。ニューヨーク州・市高官らも、この会議がニューヨークの低迷する経済に刺激を与えることを期待して、WEFのニューヨーク開催の決定を歓迎した。
 抗議者たちは、ニューヨークへの会議の移動は反対や抗議行動を抑制する効果を狙ったものだと主張する。反資本主義連帯は「こうした危機において世界中の金持ち・権力者たちがニューヨークの廃墟にひそひそ話をしにやってくることに、我々は憤慨している」という声明を出した。9・11以前においても、長年のダボスでの抗議行動を嫌っていたWEFが、あまり敵対的雰囲気のない新たな会議開催地を探していると目されていた。  『ワシントンポスト』の報じるところによると、「WEFおよび市当局がニューヨークを選んだ一つの要因は、とりわけ9・11以降にアメリカで反グローバリゼーション運動が熱狂することを防ぐためである」という。しかし逆に抗議者たちは、今回のニューヨークでの抗議行動は、2000年ワシントンD.C.での数万人の反世銀デモ以来、米国で最大の反企業グローバリゼーション行動とすることを宣言している。

WEFによるニューヨーク市への影響

 WEFのニューヨーク市への経済的影響は後になってみないと分からない。ビジネスリーダーや政府高官など世界中の富豪が集まる一方、市は莫大な警備コストを支払う。昨年のダボス会議では、人口わずか13000人の都市がその警備に540万ドル支出した。ニューヨークは40000人の警察官がいる。まだ警備支出は公表されていないが、元フィラデルフィア警察署長のジョン・ティモニーは『ニューヨーク・ポスト』のインタビューに「ニューヨークの命運をかけて警備するだろう」と述べた。『ニューヨーク・ポスト』は、軍隊顔負けの部隊が出動態勢にあると報じている。「警官たちは、警察署が軍隊の戦略を採用すべきだと述べている・・・彼らは、9・11以降準備されてきた警察の武器・訓練がすべて活かされなければならないと述べた」(1月11日)。また警察は「抗議者」たちが警官を襲ったり車を転倒させたりする「似非デモ」に対処する訓練をしているという。会議の本部がおかれるウォルドー・ファストリア・ホテル周辺の地区が「フローズン・ゾーン」とされるため、ホテルの周りに(ジェノバやケベックの時のように)フェンスやゲートを設置したりはしないという。
 フォーラム参加メンバー達は、ニューヨークの他の場所で行われる行事へも参加する。例えば2月2日には、以前から予約のあった挙式があるためホテルでのフォーラムは行われない。『ワシントン・ポスト』によるとこの日、ニューヨーク証券取引所はフォーラム参加者のためのパーティ会場となる。

誰がWEFに反対しているか?

 1月30日から2月4日の間、多くの団体が抗議活動・デモ・対抗会議を行う。主たる抗議団体は、『世界の公正を求める学生連合(Students For Global Justice)』『アメリカ労働総同盟産別会議(AFL-CIO)』『もうひとつの世界は可能だ(Another World Is Possible)』『反資本主義連帯(Anti-Capitalist Convergence)』『パブリック・シチズン(Pubic Citizen)』『国際アンサー(International ANSWER)』などである。

なぜ人々が抗議しているのか?

 世界経済フォーラムは、近年の経済グローバリゼーションを推進してきた機構であると見られているからである。WEFに参加している企業は、1999年シアトル抗議で問題となった国際経済組織である世界貿易機構(WTO)の形成にあたって主導的役割を演じた。それに加えて、WEFの増大する影響力は国連に対抗しはじめるほどになっている。WEFはその会員にだけ責任を持つ私的な組織であるが。「企業の利益によって支配されたフォーラムが、未来の世界の枠組みを構想する上で中心的な役割を果たすべきなのか」と、ピーター・グッドマン(オーストラリア・シドニー工科大学教授)はその著書『The WEF〜資本の第一インター?〜』で問いかける。抗議団体にとって、その答えは明確に「NO」である。
 多くの活動家たちはWEFへの反対については一致しているが、破壊的攻撃から復興中であるニューヨークにおいて、どのような戦略が行われ、または行われるべきでないかについて論争が起こっている(ニューヨークIMCサイトにて)。

WEFと世銀・IMF・WTOとの関係は?

 国際通貨基金(IMF)と世界銀行(WB)は、表向きは国際経済の安定に貢献するために復興国に融資を提供するため、第二次大戦後に設立された。この二つの参加国によって運営される機構は(1980年代以来)、新自由主義的経済モデルの普及に努めてきた。このモデルに対しては、国内的にも、そして第一世界と第三世界の間にも、不平等を産み出すとして、広範な批判がなされてきた。『50年で十分だ(50 Years is Enough)』は、「1980年代以来、債務を巡る状況は着実に悪化してきた。その結果、途上国の債務合計は、それらの国々の総GNPの半分に達し、総輸出所得の2倍近くになっている」と主張する。「この破壊的な債務負担のために、そうした国々は事実上、構造調整プログラムをめぐる交渉について権限を持てなくなっており、世銀やIMFによって押しつけられる諸条件を受け入れることを強いられてきた」。
 1970年代初頭に発足した世界経済フォーラム(WEF)は、1995年に発足した世界貿易機構(WTO)への道を用意した責任者である。IMF・WB・WTOは実際に政策を実行したり経済調整に影響力を行使する。他方WEFは私的グループとして、企業の経済アジェンダを設定する機能をもっている。

WEFはどのような影響を与えてきたか?

 スイスのクラウズ・スクワブが1971年に欧州の企業トップのための小規模な会議を組織して以来、WEF会議はその規模や扱う範囲を急速に増大させてきた。元々は、ヨーロッパ経営者フォーラムとして発足した。1982年スイスのダボスで初の「世界経済指導者非公式交流会」が開催された。1986年、この組織は世界経済フォーラムとして知られるようになり、それ以来これは、世界一な企業家の祭典となった。そしてその世界経済政策への影響力も、同様に深まっていった。
 「WEFはたいへん成功してきた。1971年以来“世界の状態”はこの組織に参加する企業にとって劇的に改善されてきた。1980年代にはWEFは新自由主義戦略を構想し、OECD諸国と“友好的”な新興工業国の政治家たちも仲間に入れ、多国籍ビジネスのためのアジェンダを設計した。それは、民衆の注目が及ばないところで将来を見越した会議を行い、新自由主義の普及において中心的役割を担った」とピーター・グッドマンは述べている。

過去のWEF会議では何が起きたか?

 1990年代後半まで、WEFは一部の金融エリートを除いて、ほとんど人々の関心をひくことはなかった。しかしダボスでの抗議で、活動家たちがこの主導的なアジェンダ設定機構に責任を要求するようになって以来、状況は変わった。抗議のデモは2年前に1000人を上回る規模に達し、スイス当局は2000年には抗議活動を禁止するに至った。しかし「ハッキング活動家(hacktivists)」たちが、WEFのサーバーに侵入して、アラファト、オルブライト、ゲイツを含むWEF参加者の個人情報を解読することを防ぐことはできなかった。2000年9月、WEFはオーストラリア・メルボルンで地域会議を開催したが、10000人の抗議者たちが結集し、WEFメンバーたちの3分の1の会場への入場を阻止しフォーラムを遅らせた。

WEFと世界社会フォーラムの関係は?

 毎年おこなわれるWEFに対抗するフォーラムとして、2000年、ブラジル・ポルトアレグレにおいて世界社会フォーラム(WSF)が結成された。10000人ほどの社会活動家・教師・組織労働者たちが、新自由主義グローバル経済に対するオルタナティヴを議論するために世界中から結集した。ナオミ・クレインは昨年、「このフォーラムの公式スローガンは“もうひとつの世界は可能だ”」とレポートした。「WTO・WB・IMFへの抗議から1年半後、世界社会フォーラムは、高揚してきた新しい運動に、反対を叫ぶ以外に、何を求めるかを表現する機会を与えるものとして宣伝された」。2002年1月31日から2月5日まで行われる世界社会フォーラムには、60000人近い人々が参加する見込みである。


John Tarleton 氏のコメント

 特定共闘団体である「ニューヨーカー公正貿易キャンペーン(Knickerbocker Fair Trade Campaign)」は、消費者運動活動家、労働組合、進歩的ネットワーク、左派系シンクタンク、環境団体、人権団体を組織し、ティーチイン(抗議のための学習討論会)や集会、抗議交流会、圧力行動、市庁舎ミーティングなどへの参加を呼びかけている。「圧倒的な反響がある」と語るのは、2年前のシアトルで労働者と環境団体を結びつける上で中心的役割を担った組織「パブリック・シチズン(Public Citizen)」のマイク・ダラン。ダランによると、様々なグループが、WEFとブッシュ政権とを「まさに共和党アジェンダ」として結び付けており、なし得る最大限そうした批判キャンペーンに成功してきた。

 WEFとは、政治家、年会費30万ドルを支払う1000以上の多国籍企業経営者と、著名ジャーナリスト・知識人たちが集まり、重要な国際的問題に対するエリートのコンセンサスをつくるための会議である。そのウェブサイトによると「新たなビジネスを創造し、世界の重要問題に取り組みやすい雰囲気のあるクラブ」だという。しかしダボスでの過去2年間の激しい抗議の声に直面し、WEFはその拠点をシフトしている。

 2001年11月7日、ジュリアーニ・ニューヨーク(元)市長はWEFを招き入れる声明を発表した。ジュリアーニいわく、「これは我々の街への信頼票である。WEFが来ることで、ニューヨークにビジネスが戻ってきたこと、そしてニューヨークが世界の指導者・政策決定者のいるべき場所であることが示されたのだ」。

 ダランによると、WEFをニューヨークにもってきたことは、企業主導のグローバリゼーションに好意的な世論を作り出すための「信じられないほど巧みな」宣伝戦略だという。「彼らは自分たちがいかに総合的視点を持ちあわせているか、そしていかにクリーンであるかを精力的に宣伝するだろう」。



世界経済フォーラムに参加する主な日米企業

<日系企業>

ソニー
住友
東芝
トヨタ自動車
千代田
IBM日本
日本銀行
日本貿易振興会(JETRO)
日本石油
経済同友会
キッコーマン
丸紅
三菱
三菱電機
日本経済新聞
日産自動車
NTT
NTTドコモ
オムロン
SEIKO
ソフトバンク
吉野屋
など、合計34社

米:228社
英独仏:180社

<米系企業>

  1. COM(書籍)
    AMERICA ONLINE(プロバイダ)
    AMERICAN GENERAL(生命保険)
    AT&T(電話・通信)
    BAXER INTERNATIONAL(医療)
    BECHTEL(建設)
    BOEING(航空)
    CITI BANK(銀行)
    CHASE MANHATTAN(銀行)
    CHEVRON(石油)
    CIGNA(損保・生保・健保など)
    COCA COLA(コカ・コーラ)
    COMPAQ(パソコン)
    DELL(パソコン)
    DUPONT(総合化学)
    EASTMAN KODAK(写真、化学薬品)
    EATON(自動車部品、電子機器)
    ESTEE LAUDER(化粧品)
    ELI LILLY(製薬)
    EMERSON ELECTRIC(電気・電子機器)
    EXXON(石油)
    FLUOR(建設、天然資源・エネルギー事業)
    FORD MOTOR(フォード)
    FORBES(ビジネス誌)
    GATEWAY(パソコン)
    GENERAL MOTORS(ゼネラル・モーターズ)
    GENERAL MILLS(食品、レストラン)
    HARSCO(金属、兵器)
    HEWLETT-PACKARD(パソコン)
    HUGHES ELECTRONICS(航空電子、兵器)
    HYATT(ホテル)
    IBM(アイ・ビー・エム)
    INTEL(半導体)
    INTELSAT(国際電気通信衛星機構)
    INTERNATIONAL FINANCE CORPORATION(IFC:国際金融公社)
    INTERNATIONAL PAPER(製紙)
    ITT(コングロマリット)
    KRAFT FOODS(食品)
    MANPOWER(人材派遣)
    MARMON GROUP(金属製品)
    MARSH SUPERMARKETS(食品流通)
    MASTERCARD INTERNATIONAL(クレジットカード)
    MCDONALD(マクドナルド)
    MCGRAW-HILL(出版)
    MERCK(製薬)
    MERRILL LYNCH(証券)
    MICROWAVE COMMUNICATIONS (MCI:電話)
    MOBIL(石油)
    MOTOROLA(通信)
    MONSANTO(総合化学)
    MORGAN STANLEY
    MICROSOFT(マイクロソフト)
    NABISCO(製菓)
    NASDAQ STOCK MARKET(ナスダック証券取引所)
    NEW YORK STOCK EXCHANGE(ニューヨーク証券取引所)
    NIKE(ナイキ)
    PACCAR(トラック)
    PEROT SYSTEMS(データ処理)
    PEPSICO(清涼飲料、軽食チェーン)
    PFIZER(製薬・化粧品)
    PHILIP MORRIS(煙草)
    PHILLIPS PETROLEUM(天然ガス)
    POLAROID(フィルム)
    PRICE WATERHOUSE(経営コンサルタント国際組織)
    PROCTER & GAMBLE(洗剤・家庭用品)
    SARA LEE(食品・衣料)
    SONY AMERICA(ソニー)
    SUN MICROSYSTEMS(ワークステーション)
    TENNECO(コングロマリット)
    TEXTRON(航空宇宙)
    TEXACO(石油)
    TIME WARNER(映画・TV・音楽)
    TRW(宇宙)
    UNITED PARCEL SERVICE(郵便)
    UNITED TECHNOLOGIES(総合重機)
    VISA(クレジットカード)
    WASTE MANAGEMENT(廃棄物処理)
    YAHOO!(ヤフー)
    3M(OA)


ANOTHER WORLD IS NECESSARY !!

翻訳:JNK(国際部)


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