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韓国:予告された死、20年の災難
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予告された死、20年の災難

[ワーカーズ]社会主義探求領域

カンフ(社会運動に関心が多い) 2019.01.03 13:11

[出処:チャムセサン資料写真]

#1. 何が彼を殺したのか

ある人を思い出しました。 通信線に火事が起きて電話とカード決済ができなくなり大騷ぎになった時、 高速列車が脱線して90度に折れて乗客への安全措置もきちんとなされなかった時、 そして青年非正規職労働者が発電所でベルトコンベアに挟まれ、 闇の中で孤独で残酷に殺された時。 あまり接点がなさそうに見える3回の相次ぐ災難、 その開始点に遡ると思い出すひとり。 それが20年前の大統領、金大中(キム・デジュン)でした。

密集地域を管理する通信施設に火がついた時に初期鎮火も、点検もありませんでした。 費用を節減するとして1か所に通信線を集中させ、 管理整備人員を大幅に削減したためです。 平昌オリンピックを控えて江陵ではあたふたとKTXを開通させてから1年経っても 線路の安全装置が間違って設置されていたことがわからなかったんです。 線路を管理する所と鉄道を運営する所が分離していて、 統合的な安全点検ができなかったからです。 数百人が搭乗する列車で事故がおきたのに「公式」に乗客の安全を担当する職員はたった1人しかいませんでした。 列車の乗務業務に鉄道公社が責任を持たず外注化してしまったためです。 発電所施設を整備して点検する労働者が非正規職として雇用され、 石炭の粉塵が飛んで視野の確保も難しいところで同僚の人員もなく単独で危険な機械装置に頭を突っ込んで働き、 まきこまれて命を失いました。 発電所が費用を節約するため安値で整備業務を外注化し、 下請労働者たちを安全措置もなく死に追いやったためです。

通信、鉄道、発電。 この三つの分野の共通点を探そうとすれば、 まず食傷ぎみですが根本的には市民の日常生活に必須の公共財で、 国家の基幹産業だということでしょう。 そしてもう一つ、ここで注目したいのはこの三つの分野はすべて20年前に 金大中政府が体系的な民営化計画を樹立して 売却と分割を執行した公企業だったという点です。 国家の責任は解体されました。 収益を確保し費用を削減することに血眼になった企業が存在するだけです。 今日の災難をもたらした民営化の大計、 それを完成したのがまさに直ちに金大中政府でした。

相次ぐ事故に対して政府は 「通信線の安全点検を強化する、 鉄道の線路施設を点検する、 危険の外注化を防止して元請責任を強化する」などの一連の対策を出しました。 当然、基本的にするべきことです。 しかしどこにも根本原因の民営化についての言及はありませんでした。 民営化が根をおろして20年、災難と死の恐怖の中で、 今日も労働者たちは通信線をつなぎ、列車を動かし、発電機を回します。 公共性を解体した公共部門が殺人者になって帰ってくる現実で、 もうこれ以上の惨憺たる死を防ぐために本当に必要なことは何か振り返る時です。

#2. 災難はどのように根をおろしたのか

「(韓国電力公社は)経営目標で収益性と利益極大化より 電力の安定的供給を重視」

2000年12月、金大中政府の時に 産業資源部が電力産業構造改編推進計画を発表するにあたり、 民営化が必要な「理由」として提示しました。 称賛ではありません。 収益性と利益極大化を追求せずに安定した電力供給だけを重視することが「問題」だと主張したのです。 それで当時、政府が出した結論は、韓国電力公社を 分割して民営化しなければならないということでした。

本来、韓国電力は電力生産(発電)、送配電、販売をすべて包括していました。 しかしところで金大中政府はこのそれぞれの部門を分離して、 部門の内部をまた分割して、 こなみじんにして売却する分割民営化計画を樹立します。 そのまっ先に発電部門を韓電から引き離していくつかの子会社に分けます。 今の東西発電、南東発電、中部発電、西部発電、南部発電の5つの火力発電社、 そして韓国水力原子力まで合計6つの会社を作ります。 非正規職労働者故キム・ヨンギュン様が命を失った泰安火力発電所が、 まさにこの時に分割された子会社の中の一つである西部発電管轄です。

当初、金大中政府はこのように分割した各発電社を 売却して、民営化して、さらに発電部門だけでなく送配電部門まで、 多くの子会社に分割した後、 販売市場まで完全開放するという3段階の民営化計画を出しました。 しかし2002年、発電労働者が民営化阻止のストライキを行い、 追加の分割売却は暫定中断されます。

それでも民営化を止めたのではありませんでした。 抵抗が大きい直接売却の代わりに韓電と発電子会社は外注化を拡大します。 代表的な分野がまさに故キム・ヨンギュン様が働いた発電設備管理と整備業務です。 発電所の運営に必須の業務ですが、その費用を節約するため業務そのものを 別途の会社で引き離して下請に出したのです。 故人が所属していた会社、韓国発電技術はこうして2011年に子会社に分離します。 そして2014年には公企業子会社民営化1号というタイトルを付けて 民間資本のテグァン実業に売却されます。 韓国電力を分割して、そこでまた業務を外注化する多段階発電民営化の中で、 故キム・ヨンギュン様を含む数百人の下請労働者が犠牲になりました。

[出処:チャムセサン資料写真]

金大中政府は鉄道も 韓国電力と似た段階的民営化計画を樹立します。 20年前だけでも鉄道担当機関は鉄道庁という官庁でした。 しかし政府は1999年に鉄道産業構造改革方針を発表して、 鉄道庁を鉄道施設公団と鉄道運営会社に分割した後、 鉄道運営会社を民営化する構想を出します。 これで鉄道庁が統合管理していた線路の建設と施設管理(韓国鉄道施設工団)と、 鉄道の運行(韓国鉄道公社)が割れます (この計画による実際の分割は2004年に盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が完成します)。

施設と運営の分離、あるいは上下分離とも呼ばれるこの民営化1段階措置によって、 鉄道公社は施設公団に毎年莫大な線路利用料を支払うことになります。 統合組織なら発生しない不必要な費用です。 これ自体も浪費ですが、 今回の江陵ではKTXの脱線事故でもわかるように、 施設と運営が分離したため線路の安全に根本的な問題が発生します。 施設公団は線路を完成させて供給し、 鉄道公社はただ提供を受けて運営するように分割されているので、 統合的で完全な安全点検そのものが不可能な構造ということです。

鉄道公社はここから一歩先に進みます。 駅務、列車乗務、車両整備などの各種の業務を外注化する子会社を作りました。 発電所で整備業務を外注化したのと全く同じです。 代表的にはKTX乗務員が形式的に鉄道公社の所属ではなく、 その子会社であるコレイル観光開発という会社の所属です。 鉄道公社は自分たちの雇用責任を回避するために、 乗務員の業務が必須の生命安全業務ではないと強弁して安全教育からも排除します。 そのため1千人が搭乗するKTXで公式に乗客安全を担当する鉄道公社正職員は1人だけで、 乗務員は実際には安全業務を遂行しながらも 「お前たちは安全業務人員ではない」と直接雇用を拒否されるとんでもない状況に置かれています。 江陵での脱線事故は、民営化1段階であった鉄道の施設運営分離、 そして分割以後続いた鉄道公社の外注化が作り出した災難だったのです。

発電と鉄道はまだ完全民営化には達していませんが、 通信は金大中政府が 直接完全民営化させた分野です。 本来公企業だった韓国通信公社は1990年代に入ると民営化の圧力を受け続けて、 IMF以後に金大中政府が株式市場に上場し、 5年後の2002年に政府保有株式を全量売却して民営化を完了しました。 そうして今日のKTが誕生しました。 その後、KTは15年間で4万人にのぼる労働者を追い出して大々的な構造調整を行い、 子会社や下請企業に大挙外注化しました。 収益をあげるために国家資産の人工衛星を売るという奇行を披露したかと思えば、 韓国通信だった時に公的資産として確保した土地で不動産商売をして、 まさに必須の安全投資は大幅に縮小しました。 現在、KT阿蜆韓国史火災を収拾して復旧する労働者たちも、 ほとんどが下請企業の労働者です。 最低賃金水準の月給だけで、 電信柱、マンホールで通信線作業をして死んでいく、その労働者たちです。 民営化で作ったKT、労働者たちが「死の職場」と呼ぶ所です。

#3. 死なないために、主人にならなければならない

社会主義者は公共財を、国家と共同体の責任で公的な所有と運営、統制下に生産し供給することを主張します。 電気が、鉄道が、通信網が共同体全体のためのものだとすれば、 なぜそこから収益を上げるのでしょうか? 前述のように先立って言及したように金大中政府は 「収益性と利益極大化」ではなく、公共財の「安定的供給だけを経営目標で重視」するのは誤りなので 民営化すべきだと主張しました。 社会主義者の考えは全く正反対です。 公共部門は利益ではなくまさに公共財の安定的な供給だけを経営目標として重視することが正しいということです。 ああ、その経営目標にぜひ付け加えることがもう一つあります。 労働者の生命と安全は、どんな費用より優先して保障されなければならないということでしょう。

社会主義では民営化措置のために分割され外注化された公企業を また一つにするでしょう。 売却された企業も国有化に転換するでしょう。 これで公共財の安定的な供給のための統合的管理の基盤を作るでしょう。 労働者たちも元請、子会社、下請企業に分割され、 生命さえ差別される構造を破壊し、 単一企業の正規職労働者としての権利を保障されなければなりません。

ではたった20年前の韓国電力、鉄道庁、韓国通信に復帰すれば問題がないのでしょうか? 所有構造を完全な国有化に戻せばこれらすべての問題を解決することができるでしょうか? 重要なことが抜けていました。 社会主義は何よりも労働者の民主的な統制権が核心です。 国有化や共同体の所有は、この民主的統制のための重要な基盤ですが、 それそのものがそのまま社会主義だというのではありません。 労働者が自分の職場で決定権を持てなければ、 他の誰かの命令によって抑圧されるほかはありません。 形式上は国有企業である公企業は、 官僚機構の統制下に置かれているのが現実です。 彼らがまさに労働者の要求を拒否し、コスト削減を強制した張本人です。 発電所の労働者たちは以前から作業工程が危険だと、 これ以上の死を防ぐ措置を取れと要求しましたが、 また犠牲者が出てきた今まで「公企業」だった西部発電と韓電は黙々無返答です。 KTX乗務員を直接雇用しろという要求を無視して、 安全人員が不足した危険千万な列車を走らせているのも「公企業」である鉄道公社です。

社会主義の目標は、労働者たちが見せかけではなく自分の職場の本当の主人になることです。 誰かの指示や命令を受けるのではなく、 生産方式と労働過程を含む職場の問題を集団的に一緒に決める権利を持つという点でですね。 とりわけ公共部門の場合、費用削減ではなくどうすればさらに安全で安定的に公共サービスを提供できるのかを最優先にして、 労働者たちが自ら作業工程を決めて変える権限を持つようになるでしょう。 そのためには発電所で、鉄道で、通信会社で、 企業全体次元の労働者評議会はもちろん、業務、部署ごとに小規模な評議会が組織され、 より良い職場のために必要な改善事項を決めて企業全体の評議会に代表を派遣してこれを要求し、 共に決めて実際に履行するのです。 たとえば発電所で事故が憂慮される工程があるのなら、 費用がかかっても安全設備を完備して作業中止をはじめとする安全措置を取るように作業者ら自らが決められるのです。

もちろん、社会的に必須の公共財を生産して供給するのですから、 共同体全体の統制も必要です。 たとえば電力をどれほど生産するべきか、 どこにもっと線路を拡充して列車の配車を増やすのかなどを電力労働者だけで、 あるいは鉄道労働者だけで決めることはできないということです。 しかし少なくとも、公共財は収益が目的でないという大原則の下で、 社会的な必要と労働者の生命の安全を結合する方案も、 いくらでも民主的に決定できるでしょう。 職場と部署で評議会を組織するように、 その上位には各評議会の代表が集まる地域と全国、共同体全体の評議会を作ることができます。 発電所、鉄道、通信会社の労働者評議会は当然、この全体評議会の一員です。

もちろんこまごまとすべての問題を全体の評議会で議論することはできないでしょう。 社会的に必要な公共財の供給水準と、労働者たちがそこに投入しなければならない労働、 それにともなう補償水準を巨視的に決めること程度は全体評議会が決定できるでしょう。 その後には実際の生産過程に統制権を発揮する企業次元の労働者評議会に公共的統制を担保する次元で、 全体評議会の委任を受けた代表者が逆に派遣されることもできることでしょう。 重要なことは、労働者たちが集団的、民主的に、 自分たち自身の生命の安全を守る決定権を行使できるようになるという点です。

しかしどんなビジョンと構想が出てきても、 すでに命を失った労働者を元に戻して目覚めさせることはできないのでしょう。 それが残念な日々です。 故キム・ヨンギュン様と、倒れていった労働者たちの冥福を祈ります。[ワーカーズ50号]

原文(ワーカーズ/チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2018-12-29 10:36:25 / Last modified on 2019-01-07 18:14:54 Copyright: Default

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