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講師法[ワーカーズ辞典]
チェ・ヒョジョン(政治学者、慶煕大フマニタスカレッジ解雇講師) 2018.11.30 10:28
[出処:慶煕大学校ホームページ] 講師法は大学講師に関する法だ。 正確に言えば、講師法という別途の法があるのではなく「高等教育法一部改正案」を示すが、 高等教育法第14条の2に「講師」条項を新設して大学教員としての講師について規定するように改正した。 なぜ講師に関する法を作るのか? 今まで講師の法的根拠がなかったからだ。 信じられないが、講師は大学教育の30%、多ければ50%まで担当するが、 教育法上の教員ではない。 法的地位がないため1年しても10年しても、1学期4か月単位で契約と解約を繰り返し、 健康保険も退職金もなく、使用者が何の制約もなく時給さえ払えばどんな形態でも雇用できる存在であった。 採用にも何の基準もなく、学閥と人脈により行われ、 多くの場合、講義の配分が同僚や先輩、あるいは指導教授の処理により、 自らの学問的進路はもちろん生計も共に教え研究する同僚の教授に依託しなければならない立場で、 同等な学者的な関係ではない。 これらすべての侮辱的な現実は、ただ彼らが「法外存在」だから可能なことだ。 時間講師を非正常的な法外存在とするこうした慣行的制度は 当事者である講師の雇用不安定と経済的な貧しさだけでなく、 教育と学問の主体としての人格と尊厳を傷つけ、 大学社会内部の主従関係を固着化し、 民主主義と批判的学問風土を抹殺する主要因だ。 実際に講師の教員の地位は元々なかったのではなく、 1977年の維新政権で剥奪されたのだ。 講師の教員地位を剥奪したのは若い少壮学者中心の批判勢力を抑圧し、 大学内部の位階的統治構造を作ることが目的だった。 教員地位回復のための講師の闘争2000年代以後、大学に新自由主義的企業経営という革新が導入された後は、これに増して講師の他に多くの非正規職教授職群が量産され、 教授社会の競争が深刻になった。 他の労働現場と同じように2000年代以後には正規職と非正規職の格差が大学社会の中でも深刻に両極化し、 専任教授と講師の賃金は10倍以上になり、各種の政府支援事業や研究プロジェクトが大学と教授の主な収入源になり、 同じ教員どうしの従属性と位階的統治構造はさらに尖鋭化した。 「収益最大、費用最小」という企業経営の原則が教育の原則に代替してしまった大学では構造調整が日常になり、 この過程で時間講師は大学社会の最も下層の階級として常に一番最初に犠牲になる存在であった。 長い時間講師制度の矛盾と差別構造は悪化し続けてきた。 こうした状況で講師労組が結成され、教員の地位を回復するための講師闘争が始まった。 民主労働党をはじめ、政界内でも講師の劣悪な労働実態を改善する制度的装置を用意するために講師法立法が推進された。 国家人権委員会も大学講師への反人権的差別を是正しろと命令した。 しかし当事者の講師が集団的に組織化して政治勢力になっていない状況で このような法制化の試みは現実の推進力を持てず挫折を続けた。 その過程で多くの講師が大学の中での不当な差別を死で告発し、 教員の地位回復を要求する講師闘争の歴史があった。 2010年、朝鮮大の講師だった故ソ・ジョンミン博士の死は 講師法の決定的契機になった。 彼が残した遺書は、大学時間講師が置かれたみじめな現実を告発し、 社会的公憤を呼び、結局2011年に講師法が国会を通過した。 事実、法律改正の内容はとても簡単だ。 高等教育法は大学と大学教育に関する事項を規定する法律で、 そのうち14条は「教職員」に対する条項だ。 ところで既存の高等教育法の第14条は「学校に置く教員は… 総長や学長の他に教授・副教授および助教授に区分する」となっていて、 「講師」が抜けている。 この部分を「…教授・副教授・助教授および講師とする」に変更することが この改正案の核心だ。 「講師」が含まれたため「第14条の2 講師」を新設し、 別途、講師について規定する。 第14条の2の核心内容は「契約で任用すること」と、「1年以上の任用」だ。 事実、とても簡単な内容だ。 しかしこの14条の中に「講師」というこの一単語を入れるために 10年を越える長い時間がかかった。 国会前の「大学講師教員地位回復と大学教育正常化のための闘争本部」テント座込場は 2018年11月27日には座り込みから5000日目になる。 それでも法案は2011年に通過した後も大学の反発と講師団体の反発で 7年間で4回も施行が延期され、今も施行されていない。 講師の境遇は相変らずそのままだ。 いや、実はますます悪くなった。 講師法施行時期が近付くたびに大学は講師法を口実に構造調整を実施し、 講師を解雇してきたためだ。 講師がいなくなった場所にはオンライン講義と大型講義が生まれ、 専任教授とその他の非専任教員に過度な講義が押し付けられた。 その被害は学生にも向かう。 これまで大学は法案施行の時期がくるたびに国会と政府に対し、 講師法の準備に時間が必要だという理由で施行の延期の圧力をかけ、 まさに猶予期間には施行されてもいない講師法を大学構造調整のテコにしてきた。 こうした状況で2017年、国会は4回目の法案延期をして、 これ以上の延期はないという条件で1年の延期期間を与え、 教育部に改善案を用意するように要求した。 それによって教育部は2018年3月に講師側代表4人、大学側代表4人、国会推薦専門委員各々4人で構成された講師制度改善協議会を発足させ、 5か月にわたり合計20回の会議を通して原案の一部を修正した改正講師法合意案を劇的に導き出した。 最初の合意案だった。 公聴会で意見をまとめ、これを基礎に大学側と講師側が再調整作業を行い、 最終合意案報告書を国会と政府に提出して 大学・講師・政府が共に公式の記者会見を行って合意案を発表した。 改正講師法合意案は、延期された講師法の原案より一歩踏み込んだと評価された。 元の延期講師法にはなかった休み中の賃金支払いを法条文に明示して、 単純な1年以上の契約から一歩踏み込んで学則と定款による契約を大統領令で定める任用基準と手続きによって書面契約で任用することにし、 2回の再採用の機会を付与し、3年まで任用が保障されるように再採用の手続き保障も明示した。 講師が強く反発した1年契約後の当然退職条項は削除され、 公開採用原則が明示され、 第14条の2第2項の但書条項になかった再採用拒否処分に対する請願審査権を準用規定に入れ、 14条の中で講師の教員請願権を明確に確認した。 同時に上記の毒素条項によって、万一、法的解釈に議論がある可能性を源泉遮断するために 「教員の地位向上および教育活動保護のための特別法」の適用を受けるということを第14条の2第5項で別途新設し、明示した。 また、ひとつの学校での講義は6単位以下とし、 少数の講師だけが救済されて多数の講師が解雇されることを防止するようにした。 これは講師法という法そのものがなかった過去と較べれば途方もない権利の進展であり、 2011年の講師法原案と比較しても、これまで提出された改正案と比較しても、 比較できない権利保障を入れた法的進展といえる。 大学の反発とその理由しかし合意案が国会で発議されて教育委を通過し、 改正講師法の国会通過と施行を目前にしている時点で、 大学の現場では法施行以前に講師を先制的に解雇するなど、 講師法を回避する便法と無力化の試みが現れ続けている。 今の改正案は前と違い、大学も合意した合意案だが、 以前と同じ態度を見せているのだ。 大学は今、大学の財政難が深刻だとし、 講師法による「途方もない」負担に耐えられないという。 しかしどの大学も具体的な追加費用の推計結果を出していない。 いったい講師法にはどれほど金がかかるのだろうか? 最大の追加負担は「休暇中賃金」から発生する。 学期中と同一賃金で算定すると、これまでの8か月(1、2学期各4か月)分から 休みの期間4か月分が増加する。 50%の賃上げというわけだ。 賃金を一気に50%も上げるといえば途方もない引上げ率に見える。 だが、これは大学の予算に講師の人件費が占める割合が1%にもならないという点を見過ごしている。 大学は登録金の凍結と入学定員の削減、入学金の廃止により大学の財政が難しいと主張するが、 私立大財政現況分析(パク・キョンミ議員国政監査政策資料集)の結果を見ると この5年間で4年制私立大では登録金収入が3千億減少したが、 同期間に国庫補助金は1兆4千億ウォンも増加した。 4年制の私立大の予算総額が18兆ウォンを越えるが 最大の支出項目は教職員の報酬で、 全体支出の41%にあたる7兆ウォンに達し、 5年間で5861億ウォンが着実に増加した。 そのうち大学講師の講義料は約2200億ウォンに過ぎず、 これは人件費全体の2.9%に過ぎない。 講師が大学で担当する講義の割合がおよそ30%である点を考慮すれば、 むしろこれまでの劣悪な程度が想像以上であることを知らせる数値だ。 今後の追加負担も、大学の財政に大きな影響を与えるほどの金額ではないということがはっきりわかる。 それなのになぜ大学はこれほど反発するのだろうか? 実は、もっと重要な理由は財政問題ではなく、 講師の教員地位回復が大学の秩序にどのような変化を呼び起こすかわからないという不確実性にあるのだろう。 数十年間の支配構造に亀裂が入るこの状況は、講師にとっても不安だが、 大学の立場としても不安だ。 しかし今までの講師に対するすべての問題を発生させた根拠であり開始は 「講師は教員でない」ということだった。 これが差別の根拠であり、不平等の始まりだった。 講師法闘争はまさにこの差別の根拠をなくすことにより、 大学社会内の長い積弊の私的政治と非民主的権力構造、支配構造を変化させる運動だ。 講師を大学社会の構成員と認め、学問と教育の主体と認めろという権利闘争だ。 講師法を単なる大学講師の経済的処遇改善と雇用安定の観点から見てはならない理由がここにある。 「教員」の権利は大学社会の市民権そのものであり、 今、回復される教員の権利がたとえ完全でないとしても、 その政治的な意味は到底語り尽くせないほど大きい。 それは、これから研究、教育、学内参政権での主体的な権利を要求し拡張する根拠になることを意味する。 今まで「講師は教員ではない」と言っていた大学に対し、 今では講師たちが「講師も『同じ』教員だ」と言えるようになったということ、 ここから全く根本的な転換点が生まれる。 したがって、講師法は大学の最下の存在が作ったパンの闘争であると同時に バラの争奪だ。(ワーカーズ49号) ▲時事月刊誌〈ワーカーズ〉
翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2018-11-26 21:19:04 / Last modified on 2018-12-06 03:05:48 Copyright: Default 世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ | |