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韓国:国家の新種社会運動抹殺法、DNA採取
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国家の新種社会運動抹殺法、DNA採取

[ワーカーズ・イシュー(2)] DNA法、憲法不合致…行くべき道は

キム・ハンジュ記者 2018.09.20 14:06

2018年8月23日の夜。 知らない人がファン氏の家の扉を叩く。 「どなたですか」と尋ねなければならないのか、 人の気配を隠すべきか判断できない。 わずか数時間前に検察がファン氏を学校に尋ねてきたところだ。 検察を締め出して幸い家に帰れたと思ったが、また不安が襲撃した。 彼らが令状を手に持ったまま、扉を壊して入ってくるのではないか。 恐れが極に達した瞬間、扉の外で宅配だという声が聞こえる。

#1大学に押しかけたDNA採取者

彼に恐れを植えつけたのは、検察のDNA採取だ。 韓神大学校の学生たちは、学内民主化闘争で裁判を受けたが、 検察がこれを理由に学生5人にDNAを要求した。 背景はこうだ。 韓神大の学生は学生総会で「民主的総長選出のための決議案」を通過させた。 総長選出に学内構成員の意見が黙殺される非民主的な過程があったためだ。 2016年3月31日、学生たちは理事会を訪問した。 そして学生の要求を受け入れろといった。 理事会は「学生が関与する理由がない」と拒否し、翌日まで長い対峙が続いた。 怒った学生100余人が集まった。 その後、理事会が学生を特殊監禁と業務妨害で告訴した。 去る7月20日、学生の1人は懲役4か月と執行猶予1年、 2人は罰金200万ウォン、残る2人は100万ウォンの確定判決を受けた。

刑が確定して3週後。 8月13日に検察は学生5人にDNA試料採取の対象者だとし、水原地方検察庁に出席しろという携帯メールを送った。 DNA採取は再犯の憂慮が高い殺人、強姦などの重大犯罪者を対象にする。 検察が学内民主化のために戦った学生たちを凶悪犯扱いしたのだ。 状況を知らなかった学生たちは携帯メッセージが来た番号に電話をかけた。 検察は「『特殊』の文句がついた犯罪はDNA試料を採取することができる」と話した。 学生たちはあきれ、人権侵害だと言って拒否した。 すると検察は「拒否すれば令状を取って強制執行するしかない」と話した。

それから10日後の8月23日午前。 検察のDNA試料採取執行官は、学生キム・ジンモ氏に電話して「DNA採取令状を取った」とし 「私たちが行くか、学生たちがくるのか決めなさい」と脅した。 学生たちは10日間、DNA法の正体を把握した。 違憲の余地、人権侵害の要素が多かった。 弁護士、市民団体を通じても採取を拒否しなければならないという助言を受けた。 キム氏はさまざまな問題点を指摘しながら執行官を問い詰めた。 突然執行官が態度を変えた。 執行官は「私たちも学生の時に運動した。 学生たちの心境は理解する。 しかし令状が出たので仕方がないではないか」と懐柔し始めた。 キム氏はさらに対応せずに電話を切った。

数時間経って、執行官が学校に押しかけた。 執行官はキム氏に「韓神大慶尚館の前にいるから出て来い」と言った。 キム氏を除く学生4人はすべて執行官の電話を取らずに学校から抜け出した。 キム氏だけが学校の中に隠れた。 キム氏は執行官に「われわれは学校にいない」とし 「あっても採取に応じない」と話すと、 執行官は「いつ来るのか知らせてくれ。くるまで待つ」と答えた。 脅迫だった。 その後、執行官はキム氏に20〜30分間隔で午後6時まで電話をかけ続けた。 学生たちは学校から痕跡をなくしたが動けなかった。 執行官がどこに現れるかわからなかった。 その日、検察の車と思われる黒いバンが何時出ていくのかだけを静かに見守った。 日が沈む頃、車両が出ていった後に互いの安否を確認して家に帰ることができた。

[出処:韓神大学校学生]

「この日からは学校を行き来するたびに怖くなりました。 五人とも学校の近くで自炊している学生なんです。 家でも誰かがノックすると突然危険を感じます。 初めから検察が強く出てくるだろうとは弁護士も予想できなかったんです。 しかし強制執行すると言って学校を訪ねてくるからさらに驚きました。 人身に対する強制執行でしょう。 DNA採取は凶悪犯罪者を対象にするといいます。 学内民主化闘争がそんなに凶悪なのですか?」 (キム・ジンモ韓神大学生)

検察は、受刑者と拘束被疑者を対象にDNA試料採取を要求することができる。 しかし採取要求書で基本的に対象者の同意を受けなければならない。 対象者が拒否すれば強制的に採取することはできず、令状を取らなければならない。 しかしこれを知っている人は少なく、放火、殺人、傷害、監禁、脅迫などの対象範囲が広く、悪用の事例が多い。

#2我が家の路地には

昨年2月。 DNA採取執行官2人が民主露天商全国連合のチェ・インギ首席副委員長の家をうろうろする。 町の隣人はこれをいぶかしげに見つめる。 当時チェ氏は家にいなかった。 チェ氏の妻が家に入ろうとすると、執行官が近寄ってくる。 「チェ・インギ氏はDNA採取対象者なので、受けなければなりません」。 妻は不快になった。 執行官に怒って応じないと話した。 その後にも執行官は一週間に1、2回ずつチェ氏の家を訪ねてきた。 検察がDNA採取のために私人の家の近くに常駐したわけだ。

民主露連は2013年、九老区マリオアウトレットの露店撤去に抗議してデモを行った。 店舗の中で少しスローガンを叫んで、地下鉄の駅につながる通路を通った。 チェ氏は民主露連の会員と共に威力を行使したという理由で起訴された。 結局2017年1月、集団凶器住居侵入という容疑で懲役6か月、執行猶予1年の確定判決を受けた。 検察は1か月後にチェ氏にDNA採取に応じろと郵便と電話で通知した。 チェ氏は直ちに拒否した。 執行官は採取を拒否すれば後で出国する時に不利益を受けると強迫した。 毎週電話でDNAの採取はたいしたものでないとチェ氏を説得しようともした。

執行官は同じ理由で有罪判決を受けた民主露連のチェ・ヨンチャン委員長の家にもやってきた。 幸いチェ氏が家になかった時だった。 執行官は彼に電話をかけて 「令状が出る前でもDNA採取ができるので協力しなさい」と言った。 家まで訪ねてくるとは、一挙手一投足を監視される気持ちだった。

2017年3月、チェ・ヨンチャン委員長とチェ・インギ首席副委員長は 他の集示法違反の件で調査を受けるために銅雀警察署に行った。 ところが警察署にDNA採取執行官3人が来ていた。 警察官は「私たちも知らないが、南部地検からDNA採取の件できた」と話した。 どうして検察側がそれを知って来たのか理解できなかった。 民主露連の幹部らは令状を持って来た彼らに舌を出すほかはなかった。 執行官は紙の器具で舌をこすり、プラスチックの筒に入れていった。

「DNA採取をする時は本当に気分が悪かったです。 恥ずかしくなったりもしました。 家まで訪ねてきて、路地に常駐するのに隣人がどう考えますか。 『あの家族は怪しい』、『いったい何をしている夫婦』という烙印が押されます。 DNA採取は趙斗淳事件から出発しました。 強姦、殺人のような凶悪犯罪を予防するのが趣旨なのに、 一般市民、社会団体活動家に適用するのか。 凶悪犯罪でもない個人の敏感な身体情報を国家が過度に統制している事実がとてもくやしいです」。 (チェ・インギ首席副委員長)

[出処:全国金属労働組合亀尾支部KEC支会]

#3労組での集団採取

2015年4月。 全国金属労働組合亀尾支部KEC支会の組合員48人は、 金泉地方検察庁からDNA採取に応じろという通知書を受け取った。 2010年に工場を占拠したという理由だ。 当時、KECは労務法人ジョインスを使ってあくらつな労組破壊を行った。 会社は労組破壊シナリオにより職場閉鎖、用役投入、御用労組設立、整理解雇を断行した。 支会の組合員たちは賃金団体協議交渉を要求して職場閉鎖された工場に入った。 組合員たちは生存権を叫んだが、国家は共同住居侵入罪で88人に懲役1年6か月と執行猶予2年を宣告した。

支会が把握したDNA採取対象者の48人のうち23人は女性だった。 工場を占拠した当時、ほとんどが一般組合員だった。 ストライキ参加者、全体を狙ったDNA採取であった。 2015年4月15日、DNA採取の1次案内文がきて、9月9日に2次案内文がきた。 組合員たちの雰囲気は落ち着かなかった。 検察は2次要請まで拒否すれば令状を発行すると圧迫した。 下手すると逮捕されるといううわさも回った。 恐怖を感じた組合員たちは結局採取に応じることにした。

2015年11月から2016年2月まで、6回にわかりDNA試料の採取が進められた。 大量採取だったため、執行官が直接労組事務室にきた。 執行官は組合員たちを休憩室に待たせ、一人ずつ会議室に呼んだ。 執行官は身元を確認した後、口の中に綿棒を入れて舌をこすった。 ある女性組合員はDNAを採取されながら涙を流した。

「その時、ある女性組合員が恥かしいと泣きました。 われわれは単に工場の中で生きようと、生存権を守ろうと会社に交渉を要求しただけなのに。 怒り、くやしさ、恥、あらゆる感情がわきました。 特に女性でしょう。 国家が今は私の生体情報まであらゆる情報を持っていると思うととても恐ろしい。」 (イ・ミオク金属労組KEC支会主席副支会長)

#4 DNAで「アップグレード」した労組破壊と国家暴力

「韓国GMの非正規職労働者2人が2010年12月から2011年2月まで、 解雇者復職、不法派遣を要求して韓国GM富平工場のアーチに上がりました。 この時、使用者側が鎌を持って現れました。 労働者たちは旗とプラスチックの棒で対応しました。 しかし私たちに『集団凶器傷害』という罪目をつけました。 2011年、大法院有罪判決の後に検察が1年に1、2回ずつDNA採取に応じろと書留を送ります。 拒否すると令状発行して強制的にすると脅迫しました。 過去の独裁政権で、拷問は自白よりも屈服と人格を抹殺することに目的があったでしょう。 DNA採取も同じです。 最後まで追いかけて行って、二度と労働運動をできないようにしようとする『新種の労組破壊』の方法です。」 (シン・ヒョンチャン韓国GM富平非正規職支会前支会長)

「2012年の冬でしたが刑務官3人が私を小さな医務室に入れました。 DNA採取を拒否したので10日後に令状を持ってきたのです。 がっしりした男3人が強圧的に出てくるので、どうしようもありません。 またDNA採取は髪の毛でもできるのに、口を開けといいました。 気分が悪くて死にそうでした。 竜山惨事であんな形で亡くなった人もいるのに、 今まで凶悪犯扱いしています。 私は住居問題で正当に闘争しただけなのに…」 (チョン・ジュソク竜山惨事拘束撤去民)

「2013年に蔚山で現代自動車不法派遣問題を解決するために労働者が高空籠城を始めました。 その時、蔚山に希望バスが出発したのですか、現場で小競合いが起きました。 私はそのために昨年5月、特殊公務執行妨害、暴力行為などの処罰に関する法律違反で懲役1年と執行猶予3年を受けましたし。 刑が確定したのですぐにDNA採取要求書が来ました。 昨年にもきて、今年7月にもきました。 DNA採取は性犯罪のような重大犯罪者が相手なのに、 希望バスに乗ったという理由だけでこれを適用するのはおかしいです。 検察が労働運動に市民が連帯する道を塞ぐという意味で、これは非常に危険な発想です。」 (イ・トチャン文化連帯活動家、希望バス参加者)

「ユソン企業の労働者たちは7人がDNA採取の要求を受けました。 2013年に労組破壊で使用者側と衝突が多かったのですが、 検察で私たちは(執行猶予期間中に)同種の犯罪の恐れがあるからDNAが必要だというのです。 問題を起こしたのは使用者側で、会長は実刑まで受けたのに、摩擦が多かったという理由でDNAを採取するというのですから…。 私たちが拒否し続けると1、2か月間に令状を取ってまた連絡をしてきました。 それと共に御用労組の組合員5人のDNAもすでに採取したので、 私たちも必ず受けなければならないといいました。 気持ちがものすごく悪かったです。」 (イ・マニ ユソン企業牙山支会組合員)

〈ワーカーズ〉が会ったDNA採取被害者だ。 これ以外にも、 全国障害者差別撤廃連帯の活動家、双竜自動車、才能教育、生濁マッコリなど、 多様な闘争現場に参加した労働者と市民がDNA採取を受けたり要求されていた。

DNA法憲法不合致…「ビッグブラザー」は相変わらず

憲法裁判所は8月30日 「DNA身元確認情報の利用および保護に関する法律」第8条に対して憲法不合致と決定した。 第8条は令状発布と執行に関する条項だ。 憲法裁判所はDNA採取対象者が身体の自由、個人情報自己決定権など基本権を制限されるが、 令状発布の過程で不服を申し立てる機会がないと見た。 したがって8条が過剰禁止原則に違反して、対象者の裁判請求権を侵害すると判決した。 憲法裁判所の判決により、国会は2019年までに該当条項を改正しなければならない。

憲法裁判所の判決で採取当事者の裁判請求権は認められたが、 まだDNA情報の削除、保存期間制限、データベースの統制、再犯憂慮の判断基準などの問題が残っている。 進歩ネットワークセンターのイ・ミル活動家は 「憲法裁判所判決は幸いな結果だが、 国家機関の令状乱発によって採取されたDNA情報の削除まで行けなかった点はとても残念だ」とし 「国家は採取したDNAをデータベースに蓄積して当事者が死ぬまで管理する。 情報保存の期限もない。 DNA法の趣旨は殺人、強姦などの凶悪犯罪に対応しようということだが、 今まで不当に採取された個人情報はそのまま蓄積されている。 人権侵害を受けて、最も敏感な個人情報を奪われた人は、 一生国家の監視の下に置かれるようになった形だ」と指摘した。

国家のDNAデータベースが拡大していることも深刻な問題だ。 捜査機関はこれまで捜査の便宜性だけを主張して、むちゃくちゃにDNAを採取してきた。 重大犯罪を予防するというDNA法に適用される罪目は、殺人、強姦、暴行など多様だ。 再犯の憂慮の程度はともかく、DNA法の適用項目に該当すれば採取されるのはとてもたやすい。 イ・ミル活動家は 「執行猶予であれ、有罪判決を受ければDNA採取対象になるが、 特に活動家は集会や座り込みのために簡単に採取対象になる」とし 「国家機関が社会運動を統制するデータベースを構築している。 これはDNA法本来の趣旨に反する行為」だと説明した。

「DNA身元確認情報データベース管理委員会」が発行したデータベースの年次運営報告書によれば、 2017年末までにDNA鑑識試料が採取された人は20万7033人にのぼる。 令状請求も1千件を越える。 データベースは今も拡大している。 死ななければ消えないDNA情報。 DNA法の悪用の犠牲になった労働者と市民は 国家という「ビッグブラザー」に閉じ込められている。[ワーカーズ47号]

原文(ワーカーズ/チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2018-10-05 02:03:43 / Last modified on 2018-10-09 06:31:47 Copyright: Default

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