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MeToo運動に対する政治的工作、「不純なMeTooはない」

[ワーカーズ]フェミニスタ

チス(フェミニスト) 2018.04.12 10:51

[出処:SBS金於俊のブラックハウス スクリーンショット]

チョン・ボンジュ元議員の性暴力議論が性暴力の被害場所とされたホテルで、 彼が書いたカード内訳が発見されたことで一段落した。 チョン元議員は「偽り釈明」の議論に包まれ、 該当事件を報道したプレシアンへの告訴を取り下げ、政界引退を宣言した。 彼を擁護する放送を製作したSBSの金於俊(キム・オジュン)のブラックハウスも 謝罪の立場を出した。 それでも別名「不純なMeToo」、「政治的工作」の象徴と強弁した彼らの「政治工作」はまた探ってみる必要がある。

チョン・ボンジュ元議員の事件は3月22日、キム・オジュンのブラックハウスが2011年11月23日に写真一部を公開したことで、真実ゲームに発展するかと思われた。 放送後にチョン・ボンジュ元議員の勝利(?)を予感した支持者たちは、 2次加害性のコメントでオンラインを熱くした。 真実攻防に駆け上がるチョン・ボンジュ性暴力事件は、 別名「不純なMeToo」、「政治的工作」の象徴に昇格する雰囲気だった。 放送後、ハンギョレが乙支病院に行ったという主張と、ナコムスの録音時間、 ミングッパが自分は遂行しなかったという主張などで チョン・ボンジュ元議員の陳述が一貫性を失っていると指摘したが、 ハンギョレの報道もプレシアンとグルだと纏めてしまった。

猛威を振るった金於俊の「工作」フレーム

議論に先立ち、すでにキム・オジュンはMeToo運動に対する別名「工作」の予言でフレームを組んだ。 これと共にMeToo運動に参加した性暴力被害者を一瞬にして文在寅(ムン・ジェイン)政府と「別名進歩勢力」(民主党の親盧系・親文系の人々)を攻撃する勢力と言い募った。 安熙正(アン・ヒジョン)前知事とチョン・ボンジュ元議員の加害指定以後、 安熙正の性暴力被害者、そしてチョン・ボンジュの性暴力被害者と、 これを報道したプレシアンには政派的な意図をかぶせた。 別名「工作政治」のフレームは、MeToo運動を「純粋なMeToo運動」と 「不純なMeToo運動」に分け、この基準によって被害者を分類し、攻撃するために利用されている。 被害者の家族は自由韓国党党協委員長に化け、 被害者はMeToo運動を政治的に利用するための自由韓国党の計略の中にいるという、 根拠ないデマに苦しんだ。

今では伝統的な「工作」フレームが「ハニーポット」フレームを代替している。 ハニーポットフレームは、被害者が得る利益がない場合は苦労して否定されるかもしれないが、 保守陣営の支持による政治的意図というフレームは、 被害者に抜け出せないくびきを作る。 経済的利益とは違い、政治的利益は目に見えない。 結果が意図を逆規定する。 保守勢力の政治的利害に符合する結果が現れたとすれば、 意図とは無関係に政治的意図と逆規定される。 そうして形成された信頼はこわれることなく、否定する道も、証明する道もなく残される。 安熙正前知事が性暴力加害者として処罰されても、その信頼は絶対にこわれないだろう。 もしプレシアンが名誉毀損罪を認めることになったとすれば、 チョン・ボンジュの加害事実は消え、陣営の論理は翼をつけただろう。 しかし否むことができない事実は、過去の386世代は民主化の過程の中で既得権勢力になり、 いまや自分が持つ権力で、階層と暴力を振り回しているということだ。

こうした反応は、過去の運動陣営内性暴力事件を選挙時期に反対陣営の「政略的意図」、「政派的利益」による活用とフレーミングしたのととてもよく似ている。 運動陣営の道徳性に汚点を出したのは加害者だったが、 その非難と責任はいつもこれを提起した被害者の責任になった。 性暴力は左右を区別しない。 小市民から社会的権力層に至るまで誰もが経験しており、 運動陣営、または進歩陣営も例外ではない。 過去、運動陣営で女性解放=性開放という論理を活用し、 女性活動家に性的開放を強制して発生した性暴力事件を思い出す。

陣営論理にみつからない2種類
「被害者への共感」と「自己省察」

被害者は自らを表わして、罪悪感と恐れ、そして暴露以後の人生まで、 生の全てをかけて話している。 暴露によって、組織の名誉、陣営の名誉が失墜したという非難に対する負担感、 事件解決の過程で組織が瓦解したり社会の非難を受けるようになれば、 加害者の人生を破壊したという非難と、加害者の自殺などにより受ける罪悪感、 暴露以後の社会的な視線、オンラインでの身上公開や悪性の攻撃、 加害者による報復の恐れに至るまで、 被害者が耐えるべき重圧感は想像をはるかに超える。

暴露以後に続く人生の中で、被害者としての烙印、 会社をクビになったり自分の足で歩き出すほかはない構造の中で、 経済的な問題、証拠不充分などにより加害者の容疑を認められなかった時に返ってくる社会的な非難と誣告罪の攻撃なども、 被害者が孤独に直面しなければならない。 われわれは被害者が耐える重圧にどれほど共感しているのだろうか。 これに対する共感なく、なぜそれほど簡単に工作を論じ、 陣営の論理を突きつけ、加害者の人権を優先的に論じ、 被害者をハニーポットだ、離別の報復だ、政治的利用だと追い立てられるのだろうか。

民主党系の支持者たちに、アン・テグンは保守政治勢力に基づく殺すべき奴の加害者だが、 安熙正とチョン・ボンジュは陣営論理の被害者であり、 むしろ本人と近い姿に投影される。 「進歩勢力は性暴力を行わない」、「性暴力はチャン・ジャヨン事件の背後にある保守勢力ような連中がすることだ」、 「運動的・進歩的な信念を持つ人たちには発生しない」という誤った信頼が、 被害者に対する無差別的な2次加害を正当化する論理として作動している。 これは、相手方を考慮しなかった私の関心と好意が一瞬で「性暴力」と命名されることに対する恐れと連結している。 彼らは逆に恐らく自由韓国党系列の加害者が登場すれば、 性ヌリ党、豚発情薬党の当然な姿だと容赦ない報復で対抗するのは明らかだ。

自らも認識できない程なじんだ男性中心性に対する認識と自己省察は、 本当に苦しい過程に違いない。 しかしこうした過程が省略された彼らには、 MeToo運動という加害者のくやしさを証明し「意図が不純な」被害者の政治的意図を探して非難する時間で満たされる。 自己省察のない問題提起でMeToo運動を蔑視してはならない。 口とキーボードで被害者を繰り返し殺す自分の姿を鏡に照らしてみろ。 鏡の向こう側には何が見えるのだろうか。[ワーカーズ41号]

原文(ワーカーズ/チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2018-04-28 00:35:44 / Last modified on 2018-04-28 00:35:45 Copyright: Default

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