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韓国:忘れられることを強要されるある死
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忘れられることを強要されるある死

[ワーカーズ・イシュー(3)]そして誰もいなくなった

パク・タソル、ユン・ジヨン記者 2018.03.28 13:19

[出処:サゲ]

ソウル交通公社の無期契約職労働者K氏が自殺してから3か月が過ぎた。 自殺はしばしば社会的他殺と読解される。 だが今回の死は遺書がなく、捜査での特異点もないという理由で、理由のない死になってしまった。 しかしK氏をめぐる小さく砕けたキーワードを集めてみると、 彼の死も一つの絵に組み合わされる。 「銀行融資、引き続いた採用落第、他領域の生活、不安定な雇用、月160万ウォンの賃金」というかけらだ。

2017年11月16日午後8時40分頃。 K氏は月契約のソウル市江東区馬川洞の2坪ワンルームで首を吊っているのが発見された。 K氏の同僚はその日の晩、出勤しないK氏の家を訪問した。 扉の外から電話をかけると中からかすかな振動の音が聞こえた。 同僚は警察を同行して強制的に扉を開放した。 扉の間から死んでいるK氏が見えた。 K氏は遺書も書かなかった。 死を知らせるこれというサインも送らなかった。 警察は彼が暮らしていた部屋と携帯電話などを検索したが、 特別な死の理由は見つからなかった。

36歳の彼は何度も職場を変えた。 半導体会社に通い、ソウル交通公社の子会社で非正規職として働いた。 処遇は非常に低く、日常的な人員不足でからだと魂が奪われる職場だった。 そのうちに2016年10月ソウル交通公社の車両検修チーム安全業務職として入社した。 電車を点検して整備することは難しくなかった。 午前9時の出勤に午後6時に退勤する経路もあまり無理がなかった。 だが彼は昼休みや休み時間ごとに資格証明の本や採用準備書籍を手に取った。 同僚にも公務員になったり公社採用で入社したいという意向を明らかにしたりした。

それもそのはず、ソウル市が年俸3300万ウォンと広報した雇用は期待とはずいぶん違っていた。 K氏の月給は160万ウォン程度であった。 子供がいて家族手当を受ける職員は170万ウォン程度を受けた。 一人でソウルで暮らすには足りない額だった。 K氏はその小さな部屋に入るために銀行から4千万ウォンの融資を受けた。 元金と利子償還に対する負担が大きかった。 入社動機に時々打ち明ける彼の悩みにはいつも生計の困難があった。 彼は組合費1万ウォンが惜しいと言って労組も脱退した。

不安な現在から脱出する方法はただ勉強だった。 彼に勉強はおなじみだった。 死亡後に家に来た同僚は、小さな部屋の中に各種の資格証明試験と人的性検査試験書籍でいっぱいだったと話した。

彼の死について、さまざまな言葉が行き来した。 彼はソウル地下鉄無期契約職だった。 死亡当時、ソウル地下鉄無期契約職の正規職転換の過程は産みの苦しみを味わっていた。 一部の正規職は非正規職に対してとても口にできない暴言を吐き出した。 正規職転換を要求する無期契約職が人間の道理に反する要求をしていると非難した。 ようやく試験を受けて入ってきた採用出身者が「正規職逆差別」されていると主張することもあった。

息子の消息を聞いて地方から来た遺族は真相調査委員会を構成し、 労災認定と業務職の正規職転換などを要求して、 問題が解決するまで葬儀を行わないという立場を明らかにした。 「私の息子が非正規職だから死んだ」、 「何人の非正規職が死ななければならないのか」とK氏の父母は嘆いた。 業務職を代表して正規職転換を要求した業務職協議体は、 遺族と意を共にしてソウル交通公社に責任があると強調した。 こうした内容がマスコミに広がると、 ソウル交通公社とソウル市は11月21日に釈明資料を出した。 ソウル交通公社は「去る16日に発生した公社職員の自殺が正規職化交渉に関連しているという根拠は何もない」と言った。

K氏が死ぬ数日前の昼休みだった。 K氏は一緒に働く同僚で、正規職転換議論のニュースに明るい同僚に、状況がどうなるのかと尋ねた。 遅々として進まないということを知っていたのか、このまま水泡に帰するのかと、さらっと話した。 労組から脱退した後、労組の事を聞くのは初めてだった。 K氏の同僚は当時の苦しい状況をそのまま伝えた。 大変危ないが二三回の協議が残っていると。 だが使用者側が留保的に出てくるかもしれず、この言葉も信じられるものではないと。

20日の夜、遺族は先送りしていた葬儀を行うことにした。 K氏の死から5日目の日、公社の関係者が訪ねてきた。 遺族を含んで業務職協議体、九宜駅惨事以後に真相調査を共にした弁護士などは遺族の要求を提示し、 公社は個人的な死だとして一切の支援を拒否した。 労組の力も受けられない状況で、遺族は一切の要求を放棄しなければならないように見えたが、 業務職協議体と弁護士の説得でまた頑張ってみると話した。 だがその日の夜、公社の関係者は別に遺族を呼んで合意した。 翌日、遺族は遺体安置所を整理して帰って行った。 K氏の死は普段のように、静かに埋められた。

絶えなかった死

統合公社のソウル交通公社が発足する前、 ソウル都市鉄道公社では機関士の自殺が大きな問題だった。 機関士の初めての死亡が出てきた2003年から今までに9人の機関士が自ら命を絶った。 対策は絶えず出てきた。 2003年から機関士の精神健康に対する調査が行われ、 死を予防するための各種の対策が出てきたが、自殺は止まらなかった。 まさに重要な対策は莫大な予算により施行もされなかった。

5678ソウル都市鉄道労組のカン・ホウォン元事務局長は 「いつも変わる出勤時間、一日にも二三回繰り返される列車交代時間の強迫、 ほとんど全区間が地下トンネルの環境、 これによる精神的ストレス、続く騒音と振動などが機関士を疲れさせる。 そこに上司の命令に服従させる強圧的な組織文化は、 機関士に息もできなくした」と説明した。

何よりも1人乗務制は機関士の自殺の主要原因と議論されたりした。 5、6、7、8号線は1人乗務体制で運行される。 機関士1人が列車の故障や事故の時の管制報告、 乗客案内放送、故障措置などをすべてしなければならない。 少し不便でも民願がすぐ受付られるので早く措置をしなければならないという圧迫もある。 労組は10数年前から2人乗務導入を要求してきたが、莫大な予算により困難に陥った。

使用者側の抑圧的労務管理も機関士の自殺を促した。 2005年9月に任命されたウム・ソンジク社長は、 エネルギーの節約を理由に99%手動運転をさせた。

安全でもなく、機関士としては気を遣うことが多くなる措置であった。 カン・ホウォン前処長は 「手動運転の特性上、さらに多くのブレーキを使うようになり、 エネルギーの節約効果は殆どなかった」とし 「単に職員を統制する手段だった」と説明した。 これ以外にも使用者側は機関士に厳格な出退勤時間を要求し、 遅刻は特別管理をした。 機関士が精神的、肉体的な苦痛を訴えて病暇を出すと、復帰を勧めた。 乗客が優先というサービスを強調したため、民願も大きく増えた。 1人乗務体系では処理できないストレスであった。

2012年3月に死亡したイ某機関士(43歳)は2011年4月 「5678号の扉が円滑に作動せず、乗客の1人が扉に挟まれ、 残りの顧客は下車できなかったことに対する抗議」を受けた後、 運転の不安感と恐れを訴えた。 その年、大学病院の精神科で「恐慌障害(偶発的発作性不安)」と診断されたが、 通院治療をしても状態は好転しなかった。 結局翌年2月に転職申請を出したが受け入れられなかった。 自ら克服するためにヘルス場に通うなどのさまざまな努力を傾けたが、 結局夜間勤務を終えた後、地下鉄の駅で投身自殺した。

2013年1月に死亡したファン某機関士(40歳)も列車事故と、それによる使用者側のあくらつな対応で苦しんだ。 2012年9月、ある乗客のカバンが扉に挟まったまま列車が出発し、 スクリーンドアの障害物センサー固定ブラケットがカバンと衝突して故障した。 カバンが破れ、該当乗客から激しい抗議を受けた。 使用者側は顧客に所定の金銭補償をする一方、H機関士に対しては経緯書を提出させ、 「スクリーンドアのセンサー交換費用を弁償しろ」というように圧迫した。 これと共に全機関士にこの事故を見本の教育資料として活用し、 当時のCCTV映像を見せた。 H機関士に特別教育を実施しながら「機関士の資質に問題がある」というように非難した。

変わったことと変わらないもの

ソウル交通公社の業務職の圧迫の中で昨年末、正規職転換の労使合意がなされた。 ソウル交通公社とソウル市地下鉄3労組は 「2017年12月31日を基準として無期業務職を対象にソウル市の 『労働尊重特別ソウル2段階発展計画中無期契約職全面正規職転換計画』により、 2018年3月1日付で一括正規職(一般職)に転換」に合意した。 対象人員は1288人。 無期業務職の入社年度または転換年度を基準として3年以上の業務職は7級で任用し、 3年未満の業務職は「7級補」という一時的な職級にまとめた。 彼らは勤務期間が3年経てば7級として任用される。

一方、一部の正規職は「無原則な市政と公開採用制度を有名無実にする特恵性の正規職転換に対する 手続き上の不条理と逆差別的要素に対する法律的な問題提起は十分に可能だ」とし、 憲法訴願請求人を募集し始めた。 入社4年未満の採用出身正規職が多数であった。 そうして集まった正規職約400人と一般市民120人は、結局2月19日に憲法訴願を出した。

地下鉄機関士の自殺予防対策は、さまざまなテーブルで議論された。 2003年、ソウル都市鉄道労組と韓国労働安全保健研究所は、 都市鉄道乗務労働者精神健康に関する研究を行い、 労働者の憂鬱症状が非常に深刻な水準であることを確認した。 2012年から2013年まで労-使-政のそれぞれが推薦した外部の人物により構成された 「ソウル市地下鉄最適勤務委員会」は、 2人乗務モデルの実施などを含む勧告案を発表した。 2014年には「機関士勤務環境改善団」が構成され、両公社とソウル市、外部の専門家が参加して6回の会議を進めた。 これに基づいてソウル市都市交通本部は長時間勤労を減らす改善策を発表した。 2016年8月、「機関士死亡根本対策用意のための特別委員会」が組まれ、 約10か月間、既存の対策の実効的な履行方案を提示して追加的な原因を究明するために動いた。

多くの勧告により、昨年3月、ソウル市は機関士104人を補充し、 2人乗務モデル運営をすると明らかにした。 だがこの計画は予算の負担により始めることもできずに座礁した。 インターンを選んで2人乗務テストを実施したりもしたが、 実効性もなくて、どんぶり勘定式だとし、機関士たちはあきれた。 その間、専門家たちは1人乗務を維持する代わりに労働強度を考慮して、 体力鍛練費を月30万ウォンほど支払う方法を出した。 去る2012年、ある機関士が恐慌障害を自ら克服しようとしたが、 結局命を絶ったという事件は、そして忘れられた。[ワーカーズ40号]

原文(ワーカーズ/チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2018-04-26 14:54:54 / Last modified on 2018-04-27 05:47:42 Copyright: Default

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