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韓国:6人の公務員はなぜ自らの命を絶ったのか
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6人の公務員はなぜ自らの命を絶ったのか

[ワーカーズ・イシュー(1)]そして誰もいなくなった

パク・タソル、ユン・ジヨン記者 2018.03.26 14:17

#1
2015年12月24日午前1時。 ソウル市庁西小門別館で公務員A氏が身を投げた。 年齢は48歳。23年目の6級公務員。 死亡当時、遺書は残っていなかった。

遺族は彼が死を選んだ理由に思い当たることはなかった。 彼が死を選んだという事実も信じられなかった。 1998年、長兄が交通事故で死亡した後、結婚するまで家長役をした人だった。 両親と兄弟は落ち着いて責任感ある彼をいつも信頼していた。 結婚後、本当の家長になった後には二人の子供のお父さんとして誠実に暮らした。 社会生活や人間関係でも特異な点はなかった。 常に活発で、周辺にかなり友人もいた。

遺族は理由を知りたかった。 あるいは家族に知られず賭博をしたのか、でなければサラ金を借りて使ったのか、探してまた探した。 だがA氏の周辺は清潔だった。 ありふれた鬱病の診療記録もなかった。 そういえば最近、行動が少し変なような気もした。 死亡6か月前、部署移動をした後からだった。 その頃、A氏は財務課で大気管理課に人事発令が出た。 酒量がぐんぐん増えた。 本来も酒を楽しんだが、明らかに以前とは違っていた。 暴飲が続いた。 その年の名節、家族は集まって、彼の尋常でない状況を心配した。 その日もA氏は一人で焼酎三本を飲んだ。 その後には状況がさらに悪化した。 一日は酔っ払ったA氏を保護していると派出所から連絡がきたし、 別の日には応急室から連絡がきた。 何度か欠勤が続いた。 理由を尋ねる家族にA氏はただ「出勤したくない」と言うだけだった。 そこまでだった。 A氏は死ぬ直前まで、もうそれ以上の兆候を残さなかった。 結局、遺族は何の理由もわからないまま葬儀を行った。 空しい死だった。

死に関する内密な事実が明らかになったのは葬儀場であった。 会社の同僚職員が遺体安置所を訪れ、夜中に酒を飲んだ。 酔いがまわった彼らは、A氏の20歳の子供を捕まえて新しい話をさらけ出した。 部署チーム長がA氏にたびたび暴言をしたという事実だった。 A氏より13歳若いチーム長は、彼に「一緒に仕事をしたくない」とか「石頭」と悪口を言った。 自尊心が傷つけられる言葉を吐きだし、A氏が席にいない時は彼の中傷をした。 財務課ではずっと同僚と付き合っていたA氏は部署移動後、同僚と別に食事した。 A氏の遺体安置所には加害者と指定されたチーム長をはじめ、 朴元淳(パク・ウォンスン)市長までが続々と弔問にきた。 その時まで被害事実を知らなかった遺族は、平凡に彼らをむかえた。 そして今に至るまで、遺族は加害者から何の謝罪も受けていない。

遺族はソウル市庁に問題を提起した。 するとさらに多くの事実を知ることになった。 A氏が今まで自分の状況について助力を要請してきたという事実だった。 部署生活が耐え難く、部署移動も要請したが難しいという答弁を聞いたといった。 労組に行って部署移動について問い合わせたこともあった。 だが彼の期待は結局実現しなかった。 部署の責任者らに自分が処している不当な状況を打ち明けたという話も聞いた。 だが遺族との面談の席で担当職員は口を閉ざした。 結局、遺族は彼らから満足できるような返答は聞けなかった。 A氏は長時間労働にも苦しんだ。 彼が死ぬ前の1か月間、勤務日のうち5日を除いてすべて超過労働をした。 夜10時以後に退勤することもよくあった。 死亡当日にも夜10時頃、最後に残った同僚を見送った後も事務室を離れられなかった。

遺族はソウル市庁を訪問して朴元淳市長と会った。 そんなに簡単に死ぬ人ではないのに、明らかな理由があるはずなのに、 市長が動いて明らかにしてくれと訴えた。 朴市長は遺族の前で「きちんとやる」と何度も約束した。 だがその後も全ては元に戻らなかった。

加害職員だった5級公務員は、事件後に待機発令と共に6級へと降格措置されたが、 6か月後、また5級に復帰した。 彼が死亡してから4日後には、別のソウル市庁公務員が過労に苦しんで自ら命を絶った。

不幸中の幸で、翌年7月、人事革新処はこれまで公務上災害認定基準に含まれなかったガンや精神疾病、自害行為も公務上災害と認定する「公務員年金法施行令改正案」を発表した。 自殺や鬱病、外傷後ストレス障害なども公務と相当な因果関係があれば公務上の災害と認定するということだ。 その年の8月、遺族は公務員年金管理公団からA氏の公務上死亡を認められた。

#2
A氏の死亡から4日後の2015年12月28日。 ソウル市庁の公務員B氏が再び投身自殺した。 彼は40歳の財務局所属7級公務員だった。 B氏はその年の1月に高い年齢で新入社員として入社した。 初めには財務局で契約関連業務を担当した。 だが5月から給料業務へと席を移した。 人事異動による空席をB氏が埋めることになったのだった。 その時点から長時間労働が始まった。 月間3〜5日を除けば毎日超過労働に苦しんだ。 超過勤務時間は最長4時間を超え、10時過ぎに退勤するのは茶飯事であった。 深刻な過労に苦しみ、病院で治療も受けた。 病院の診療記録には過労による脱力と不安障害などの症状が書かれている。 B氏は死亡する前、ソウル市にまた契約業務に役職を変更してくれと要請した。

#3
翌年の2016年5月3日。 ソウル市任用候補者7級として働いていたC氏が自ら命を絶った。 その年39歳だったC氏は、脳性麻痺5級障害者だった。 彼は国会特別職5級、他に地方自治体9級公務員を経て、2016年1月にソウル市で働くようになった。 C氏は死亡前の4月30日、母親に「仕事がつらい」と泣きながら訴えた後、家を出たという。 C氏が帰宅せず、母親が警察に失踪申告を出し、二日後に警察は東大門区祭基洞のある旅館で着火炭を吸って死んでいる彼の遺体を発見した。 遺書は発見されなかった。 ソウル市はマスコミ報道で彼が業務に苦しむ姿は見られず、任用前にサラ金などの負債問題があったと言及した。

#4
2017年9月18日にも似た事件が発生した。 ソウル市企画調整室で働いていた7級公務員D氏が自分が暮らしているアパートの14階から投身自殺した。 D氏は死亡当時28歳で、4級障害者だった。 彼の死をめぐる理由はかなり具体的に世の中に知らされた。 D氏は2015年、公務員に任用されて2年ほど働いて、死亡当時には予算担当の仕事で過労に苦しんだ。 彼は死亡前の8月の1か月間に何と170時間の残業をしたという。 無理な業務指示も問題になった。 入社3年にもならない職員に体育青少年基金の運用全般についての妥当性検討を指示し、 督促と叱責を繰り返したという情報提供もあった。 死亡2日前の土曜にも仕事をして、日曜に業務指示に耐えられず、月曜の午前まで同僚との連絡を途絶した状態であった。 労組によれば、D氏が所属していた予算部署の職員は月曜の午前9時頃、 故人が暮らしているアパートの警備室からインターホンで出勤を催促したと知らされた。 D氏はその後、午前9時20分頃、母親に出勤すると言って家を出た後、アパートの14階に上がって身を投げた。

#5
わずか一か月ほど前にもソウル市の公務員が自殺する事件が発生した。 去る1月30日、ソウル市上水道事業本部所属の7級女性公務員E氏(35)が自宅で自ら命を絶った。 D氏が死亡してから4か月目だ。 E氏は2012年にソウル市公務員として任用され、2016年7月、上水道事業本部に発令を受けた。 E氏の死亡以後、ソウル市は普段彼女が鬱病を病んできたとし、業務関連性を低く評価した。 労働組合も彼女が希望によって現在の部署に発令され、普段は明るく肯定的な性格で仕事が上手になってきたと明らかにした。 しかし遺族の立場は違っていた。 遺族は事件発生後、マスコミに故人が残したカカオトークのメッセージを公開した。 「明日出勤することを考えると天井が私を襲ってくるような気持ちだ」、 「一人で会社の費用処理をすることに対する不満」などの業務ストレスを訴えるメッセージを残していたという。

#6
セクハラによる自殺事件もある。 2014年5月30日、ソウル市上水道事業本部傘下の上水道研究院で働いていた29歳の保健研究員F氏がセクハラといじめに苦しんで自ら命を絶った。 2014年8月に任用された後、1年も経っていなかった。 当時の報道によれば、職場上司はF氏に「モーテルに行こう」、「おれと寝るか?」といった発言をしてきたという。 そのためF氏は入社初期から不眠症とストレスで精神科の治療を受けてきた。 上水道研究院にセクハラ被害の事実を知らせたりもしたが、特別な措置は取られなかった。 結局F氏が死亡してからソウル市は三人の加害者に停職1か月と停職3か月、減給3か月の懲戒をした。 遺族は公務員年金公団に公務上の死亡による年金を申請したが、不承認通知を受けた。 結局、遺族は長い法的な戦いを始め、去る2月にソウル高等法院から公団が遺族に補償金を支払えという判決を勝ち取った。

ソウル市が明らかにした資料によれば、 2011年、朴元淳市長の就任以後に自殺したソウル市の公務員は9人だ。 年間1人以上の公務員が自ら命を絶っているわけだ。 彼らのうち、過労や業務ストレスなど業務関連性の疑いが提起された事件は合計6件。 このうち公務上の死亡を認められたのはたった2件だ。 ソウル市の関係者は「自殺というのは事由が複雑だ。 一つの事由だけでは起きない」とし 「家庭の問題、経済的な問題などが重なって、どんな事由で死んだのかはっきり言えない」と明らかにした。 去る1月30日、9人目の自殺事件が発生した後。 いつものように瞬間的に騒がしかった世論は、いつのまにまた静かになった。〈ワーカーズ40号〉

原文(ワーカーズ/チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2018-04-26 11:43:42 / Last modified on 2018-04-27 05:44:20 Copyright: Default

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