本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:世界のファストフード労働者「生活賃金保証しろ」共同行動
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1400153687486St...
Status: published
View


世界のファストフード労働者、「生活賃金保証しろ」共同行動

「マク奴隷を拒否」...韓国含む35か国の約150都市で、米国・イタリアは全国ストライキ

チョン・ウニ記者 2014.05.15 14:04

低賃金・高強度労働を強要される世界のファストフード労働者たちが、 生活賃金と労働権保障を要求して共同行動に立ち上がった。 韓国のファストフード労働者たちも、世界の労働者たちのデモに連帯した。

国際食品連盟(IUF)、全国民間サービス産業労働組合連盟、アルバイト労組と青年ユニオンは、 5月15日午前、ソウル市新村マクドナルド店の前で記者会見を行い、 世界のファストフード労働者たちと連帯して生活賃金と労働権保障を要求した。 今回のデモは米国のマクドナルド株主総会を控えた15日、 世界6大陸35か国の約150都市で行われた共同行動で、 韓国ではソウル市新村と釜山マクドナルド慶星大店で行われた。

世界のファストフード労働者たちが連帯した理由は、何よりもファーストフード店の派手な看板の裏に抑えつけられた労働者たちの共通の現実のためだ。 韓国をはじめ、ファストフード産業は世界的に毎年急速に成長している。 しかし労働者たちは、ほとんどが低賃金、高い労働強度、劣悪な労働条件の中で働き、労働組合権も保証されていない。

100億ウォンを越える営業利益のマクドナルド...労働者たちは「マク奴隷」

特に、各国の労働者たちのターゲットになったマクドナルドの労働条件は、 世界でも悪名が高い。 韓国でも業界売り上げ1位を走るマクドナルドは、2012年に100億ウォンを越える営業利益を上げたが、 労働者たちはほとんどが法定最低賃金を適用される非正規職で、劣悪な労働条件に置かれている。

マクドナルドは職級により食べられる食事も区別される徹底した序列構造だ。 最も末端のクルーは「0時間契約」や、白紙の勤労契約書を書いて毎週会社が必要な時間に配分されたスケジュールに合わせ、 働く時間を延ばしたり減らすことが多い。 加盟店で働くアルバイト労働者によれば、人件費を売り上げの8%以内に抑えるために出退勤時間を強要する調整が幅をきかせている。 加盟店は勤務時間を操作して週休手当てを支払わなかったり、押し寄せる客のため、使えもしない休憩時間を自由に操作していると団体らは指摘する。

記者会見文によれば、流動的な労働時間は労働強度を高めるが、 マクドナルド、ロッテリア、バーガーキングなどほとんどのファストフード業者は、 時間当り5210ウォンの最低賃金を固守している。 コンベアシステムで作られるハンバーガーは、段階別に固定された人員が必要だが、 毎日グリルで働く労働者の数は変わる。 お客さんがいなくても材料の準備、床/テーブルの清掃、ストロー補給などで少しも休む余裕がない。 その上、カウンターには椅子がなく、休憩時間まで4時間ずっと立って働かなければならない状況だ。 エアコンなしで働く熱いグリル内も同じだ。

現在、マクドナルドの某店で働く22歳のアルバイト労働者、イ・ガヒョン氏は 「マクドナルドで働く労働者は『マク奴隷』と呼ばれる」とし 「賃金は低いが仕事はつらいから」と述べた。 マクドナルドはまた、客が少ない時間帯には人件費を節約するため早く家に帰したり、客が多い時間帯には休み時間を先送りしたりもする。 イ・ガヒョン氏は「一日売り上げで数百万ウォンをあげても、アルバイトに支払われる最低賃金5210ウォンを節約する」とし、 また「自分の労働に対する統制権がないアルバイト労働者の人生は不安にならざるをえない」と吐露した。

こうした現実は韓国だけではない。国際会議に参加した青年ユニオンのキム・ジョンウ青少年チーム長は 「世界のファストフード労働者の賃金は、米国が7.25ドル、フィリピンが2ドル、香港が5ドルなどそれぞれ異なるが、すべて最低ライン」であり 「多くの青少年が強い労働に苦しんでいる」と伝える。 彼によれば、一部の国家では労働組合との団体交渉を通じ労働権が認められているが、 該当国の労働法も守らない国があり、ブラジルでは会社が御用労組を作っている。

世界35か国約150都市で共同行動...米国・イタリアでは全国ストライキ

このような条件で各国のファストフード労働者たちは、 IUF国際事務局が組織して5日と6日に米国で開かれた第1回ファストフード労働者国際会議に参加し、 15日のストライキとデモなど、初の国際共同行動に立ち上がることにした。 これは昨年3月、米国のペンシルべニアのファーストフード店の労働搾取に対抗して起きた国際連帯の結実でもある。

世界のファストフード労働者たちは、共同行動にストライキとデモ決議で応え、 数百件のデモが行われる計画だ。

アジアでは韓国をはじめ、日本、香港、インドで行われ、 日本では30都市のマクドナルド店舗の前でデモ、フィリピンではマニラなど5都市で集会が行われる。

米国では42都市のファストフード労働者たちが最低賃金15ドル値上げと労働組合結成権を要求し、 同時多発ストライキを行う一方、各地域のマクドナルド店舗の前では糾弾集会が行なわれ、 米国の歴史で最大の集会で記録される予定だ。 パナマ、アルゼンチンなどのアメリカの他の国でも同じようなデモが行われ、 ブラジルでは5つの州のマクドナルド店舗の前で大規模集会が行われる予定だ。

イタリアでもベニス、ミラノ、ローマなどの全国のファストフード労働者たちがストライキを行う。 英国では20都市のマクドナルド店舗の前で集会を開き、 ドイツ、スイスでもデモと行動が続く。 アフリカでもモロッコとマラウィでファストフード店舗の前でデモが行われる計画だ。

この日の国際共同行動を契機としてファストフード労働者たちは、 最低賃金運動での国際連帯を続ける予定だ。 全国民間サービス産業労働組合連盟のカン・ギュヒョク委員長は、 今回の国際共同闘争について 「最低賃金で酷使する超国籍ファストフード企業がこれ以上搾取ではなく、 正当な代価を払うように強制する契機になることを望む」と明らかにした。

アルバイト労組のクォン・ユリ活動家は今後の計画について 「韓国では6月5日に2次最低賃金委員会が開かれるが、 1万ウォンへの最低賃金値上げの声を高めていく一方、 ファストフード労働者の組織化事業を拡大する」と明らかにした。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-05-15 20:34:47 / Last modified on 2014-05-15 20:34:47 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について