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「新しい主導者の『社会主義政党』建設、大統領候補をたてる」

[インタビュー]イ・ジョンフェ社会変革労働者党代表

ユン・ジヨン記者 2021.04.05 09:03

韓国の左派勢力が来年の大統領選挙を控えて「社会主義大衆政党」の建設を通した大統領選挙共同対応を模索している。 先立って社会変革労働者党(変革党)は今年、 「社会主義の大衆化」と「社会主義大衆政党」の建設を目標として、 労働党、労働解放闘争連帯(労解闘)等に新しい政党建設のための結集を提案した。 彼らは左派・社会主義勢力の単なる統合を越えて、 新しい主体形成を通じた韓国社会の代案的政治を実現する計画だ。 そのために「社会主義の大衆化」という社会主義議題を全面化する運動も続けている。 3年ぶりに復帰したイ・ジョンフェ変革党代表と会って 「社会主義大衆政党」の建設と大統領選挙への対応計画を尋ねた。

3年ぶりに代表職に復帰した。感想は?

昨年、変革党は「社会主義の大衆化」という3年プロジェクトを始めた。 「社会主義の大衆化」は、議題運動を始め、 「社会主義大衆政党建設」と2022年の大統領選挙に対応するプロジェクトだ。 1年経った時点で代表に復帰することになり、とても責任を感じている。

社会主義政党の建設と来年の大統領選挙への対応はどう準備しているか。

プロジェクトの目標が社会主義・左派陣営を一つにまとめて新しい党を立てることだ。 変革党だけで行くのではない。 そのために変革党と労働党、労解闘が1次討論をした。 三つの単位だけでなく、左派陣営全体に範囲を拡張する過程を経なければならない。 その初めての過程が時局会議だ。 現在、労解闘は合流していない状況で、 労働党ではこれに関して内部討論を進めている。 決定すれば本格的に左派陣営全体を合わせる時局会議を構成し、 党の建設と大統領選挙対応関連の討論を進めていく予定だ。

時局会議はどのように構成されるか。

韓国社会は新自由主義資本蓄積の過程を経て、不安定労働体制に全面改編された。 特にプラットフォーム労働という不安定労働が広がっている。 こうした不安定労働者を含み、自らが政治主体であることを宣言した女性、青年がいる。 また、二重の搾取、排除を受けている障害者と少数者も存在する。 最近起きているもうひとつの大きな争点は、気候危機だ。 これらのあらゆる分野と人々をすべて包括する時局会議を構成する予定だ。 これはすぐ主導者を新しくたてる過程で、 経済的土台の変化による政治的主体の再編過程でもある。 最初にいい出したのは変革党や労働党などかもしれないが、 結局、目標は新しい政治的な主導者をたてていくことだ。

それでも既存の政党や組織を統合するのは容易ではない過程だ。

現在の議論は、既存の組織統合・再編の形態ではない。 過去の組織間の一対一統合などの事例をたくさん見てきたではないか。 だが今は韓国社会の政治的展望と変化した経済的土台を基礎に、 新しい主体をたてなければならない時期だ。 そのためにはこれまでの自分を自ら否定する過程が必要だ。 決してやさしくはない過程だ。 だがこれも歴史的な使命だと考える。 新自由主義資本蓄積と不安定労働体制での経済構造再編過程で、 代案的な展望が社会主義しかないという共感がある。 そうした面で議論の結果も楽観的だと思う。

もし上層主導の統合議論で終われば、既存の共同闘争水準を越えるのが難しいかもしれない。

2000年代と現在を比較すると、政治的主体構成がずいぶん変わった。 以前は大工場、正規職、男性労働者中心だったとすれば、 今は不安定労働体制での再編を経ており、 主体の再構成という面で政治的企画が討論されなければならない。 時局会議を経て主体と政治展望を再構成していき、 その後、選挙を経て分離、排除された人々が政治的主体として新しく出る手順を踏むようになる。

運動社会では、変革党はいわゆる前衛政党だという認識がある。登録政党あるいは大衆政党に転換することへの憂慮が相変らず存在するか。

韓国の左派政党、特に旧労働者の力は制度と非制度を行き来する政党形態としての非制度闘争政党を政策の基調にしてきた。 これを根拠に制度と非制度を行き来しなければならないという戦略を取ったのだ。 だが、これまで反新自由主義闘争に効果的な非制度闘争政党に慣れ、 外部からも非制度活動家組織に近いという認識があった。 それでも過去に試みがなかったわけでもない。 2002年の大統領選挙を契機として民主労働党との選挙連合や入党戦術を議論、または試みたりもしていた。 2000年代中盤には労建闘で社会主義大衆政党を提案した。 左派政党の「登録政党」戦術は、絶対使えないカードではない。 何よりも資本運動とブルジョア政治の進展の中で、 左派政党が公開の活動で大衆に存在を刻印させなければならないということには意見の差がない。 問題は、私たち自らがそのような準備をしてこなかったため、 体質を変えていく転化の過程はやさしくはない。

「社会主義の大衆化」という運動を通じて韓国社会にどんな議題を投げようとしているのか。

「社会主義」という理念の問題を生活の問題に再編しようと思う。 韓国において社会主義は落ち着かない用語だ。 ヨーロッパでは社会主義が暮らしの問題の談論だとすれば、 韓国は戦後分断の過程で理念としての席を占めた。 社会主義を大衆化すること自体が分断イデオロギーや国家保安法のようなもので遮られた。 今、分断体制は相変わらずだが、崩れるべき社会的の障壁という認識が普遍化している。 これと共に生活の問題が全面化し、代案としての社会主義を大衆的に提起する余地は拡大している。 そうした面で、自分の人生を変える代案的社会としての社会主義を普遍化させる作業を始める予定だ。 変革党はこれまで「社会主義フェミニスト宣言」や「レッドソウルプロジェクト」といった議題運動を具体化する活動を展開してきたし、 基幹産業の社会化をはじめ、女性、気候、住居、少数者、交通、労働安全、教育、非正規労働などの議題別運動計画を議論している。 現在の極端な資本主義体制における代案的展望が社会主義だということは否定できない。 核心は、これまで遮られていた社会主義の大衆化の作業を通して生活の問題に呼び込むことだ。

[出処:チャムセサン資料写真]

来年の大統領選挙対応を目標にしている。2012年の大統領選挙でも変革の会が労働者大統領候補をたてて大統領選挙闘争に立ち上がった。その時と違う点があるか。

あの時は不安定労働体制を刻印するために「労働者候補」をたてるということが基調だった。 今回は党の建設が核心だ。 2012年には無所属で大統領選挙闘争を繰り広げたが、今回は党に基づいた候補戦術を展開する計画だ。 前に言った社会主義政治の議題を生活の議題に変える企画でもある。 大統領選挙を経て社会主義大衆政党の地位を強固にしていきたい。 2012年には「労働者大統領候補」だったが、今回は「社会主義大統領候補」だ。 もちろん、社会主義に対する心理的距離感は相変わらず現実であり、 「社会主義候補」を掲げることは容易ではないという問題提起があるだろう。 社会主義が代案だという政治的戦略は明確にするものの、 戦術的な水準での弾力性は議論を通じて決定していけるのではないかと思う。

大統領候補に関する議論も進められているか。

まだ大統領候補に関する内部討論はできていない。 先ずは党を新しく建設することに集中している段階だ。 ただし、大統領候補群についての共感はある程度あると思う。 おおまかに2種類の範疇だが、一つは既存の闘争で指導力を発揮した大衆的な活動家で、 もう一つは既存の社会体制や家父長性と戦ってきた新しい主導者だ。 議論をするとこうした二つぐらいになるのではないかと思う。

これまで韓国の左派は労働者階級政党の建設を掲げてきた。社労委の時、厳しい綱領論争があったが、その争点の一つが女性・生態の観点だった。党建設の目標や政治原則などに関する意見の差はないか。

最近、社会主義女性運動モデルを自ら作り出そうとする試みが続いていて、 生態運動でも代案的展望として社会主義を語る。 内部で実践経路を経て過去の論争を相当部分越える過程を経ている。 過去の社会主義政治戦略に女性運動などを従属させてきたとすれば、 最近では自らが政治的主体と宣言して政治展望を作り出す運動をしているのではないか。 現在としては、これに関する論争が整理されていると思う。 もちろん相変らず中心主体は労働だ。 ただしこれまでは生産手段に緊密に縛られた労働だけを労働と認識したとすれば、 最近ではプラットフォーム労働や再生産労働まで範囲が拡張された。 また女性、青年、障害者、少数者など、二重搾取構造の問題があらわれ、 その過程で主体の再構成を通じて議題を新しく再確立する過程が要求されている。

[出処:チャムセサン資料写真]

これまで議会主義を批判してきたが、大統領選挙以後に登録政党あるいは大衆政党として、どんな活動の展望を描いているか。

大統領選挙以後の活動に対する可視的な計画を議論する段階ではない。 ただ地方自治体や総選挙にも積極的に臨むべきだと思う。 すべての選挙に候補を立てて全面的に臨むというのでなく、 最近の「レッド・ソウル・プロジェクト」のように変化した展望を持続的に提起して、 地域の生活の問題にまで介入していくのだ。 もちろん、既存の議会内秩序になじむ活動ではいけない。 歴史的に社会主義政党が議会内に入った時、 改良という限界を越えた事例は殆どなく、内部的にずいぶん憂慮もしている。 制度政党と制度政治を越える牽制装置を考えなければならず、 新しい形態の運動様式に対する悩みも絶えず続かなければならない。

韓国社会でも反資本主義への共感が広がった。反資本主義の代案はなぜ社会主義でなければならないのか。

現在の資本主義を直して使おうという立場と、 資本主義を越える代案を作らなければならないという立場がある。 2008年の世界恐慌を経て資本主義の根本的危機が提起された。 そして代案的展望として提出されたのは現在、社会主義しかない。 米国、ヨーロッパのような他の大陸の政治地形で提示される一般的な代案でもある。 韓国における初期の労働者政治運動の始まりは社会主義だったが、 労働に対する資本の改良の余地をめぐる理念的屈折や、 どんな経路を経て社会主義に行くのかにより、 正義党、進歩党のような今の労働者政治地形が形成されている。 社会連帯戦略という資本の責任を無視する浅い労働者平等主義では 資本の新自由主義蓄積戦略、不安定労働体制を越えられないので、 社会主義という根本的な生活の代案を模索しなければならない。

最後に言いたいことは。

再編された韓国社会の経済、社会構造に基づいて、 新しく形成された主導者で党を再構成することが目標だ。 これを他の左派、社会主義組織の量的な一対一の統合と理解してほしくない。 これまで韓国社会の抑圧体制が政治的虚無主義を生み、 自ら政治的主体に立つことを躊躇させた。 最近では労働者政治運動がこれを越えて、特に2016年のキャンドルを経て、 その政治的主体が変わりつつあることを見ている。 新しく形成された主導者を集め、一緒に政治的主体として立ってほしい。 自らの足で立ち上がる時にのみ、多くの社会の問題を越えて押し倒せるのではないか。 排除され押し出された多くの人に参加して欲しい。 その過程で私たちの役割を果たしたい。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2021-04-12 04:33:50 / Last modified on 2021-04-12 04:33:53 Copyright: Default

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