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[ヨンジョンのバカみたいな愛](116)キム・ジンスク指導委員の復職と快癒のための五体投地行進の話(2)

ヨンジョン (ルポ作家) 2020.12.23 11:44

私たちはどこで分かれたのでしょうか?

86年、催涙弾が夕立のように降り注ぐ通りにも私たちは一緒にいたし、 91年のパク・チャンス委員長の死の真実を究明しろという隊伍にも私たちは一緒で、 民主労総釜山地域本部指導委員の席にも一緒にいた私たちは、 どこで分かれて互いに違う位置に立つようになったのでしょうか?

ひとりは烈士という見慣れない名前を墓碑に彫って墓の中に、 もうひとりは35年を相変わらず解雇労働者として、 またひとりは大統領という他の名前で呼ばれるようになったのは。 運命だったのでしょうか? 歳月だったのでしょうか?

ラブレター一通書くこともできずに私の20代は過ぎ、 対共分室で、警察署強力掛で、監獄の懲罰房で、 からだを抱いて泣いてくれる人一人いない青春が過ぎて。 控訴理由書と最終陳述書、昨日夕食を一緒に食べた人の追悼発言を書きながら、 歳月がすべて過ぎていきました。

『キム・ジンスク復職要求各界各層元老宣言記者会見』キム・ジンスク指導委員発言より(2020.10.20.〈OhmyNews〉映像参考〉

▲12月18日午後、景福宮駅近くで五体投地をしている参加者[出処:ヨンジョン]

正祖大王の行列より貴い行列

「ど〜ん」
「ど〜ん」
「どんど〜ん」

12月18日午後4時、景福宮駅近隣。 韓進重工業解雇労働者キム・ジンスク指導委員の復職と快癒のための五体投地2日目。 ソウル市中区貞洞通りの民主労総の前から青瓦台に行く最後のコースの五体投地が進行している。 もうしばらくで目的地の青瓦台の前に到着する。 青瓦台に続く道は日光があたらず寒く感じられる。 朝降った雪が凍らないのがまだ幸いだ。

パク・ムンジン保健医療労組指導委員・ハン・ソンジュ前公共運輸労組教育室長、 ソ・ヨンソプ神父(コンベントゥアル聖フランチスコ修道会、 カトリック正義具現全国司祭団所属)、 キム・ジノク前希望連帯労組ナヌム連帯局長が前日に続いて五体投地をして、 2日目にはキム・ホギュ金属労組委員長も合流している。

道を通りかかる市民は時々、五体投地をする理由を尋ねたり、 寒いのにかわいそうだと惜しむこともした。 もちろん、何をするのかと非難する人もいる。 たまにはキム・ジンスク指導委員をテレビで見たと喜んで写真を撮ったりもする。

五体投地の参加者は、天気がどうであれ、 周辺で何が起きようと、 ただ黙黙と地面にひざをついて拝をして行進をする。 世の中にただこれしかやることがないかのように。

キム・ホギュ委員長は金属労組委員長としての義務感だけでなく、 金属労組組合員の一人としてキム・ジンスク指導委員の復職のために一緒にしたかったが、 その道を作ってくれたソ・ヨンソプ神父が有難いといった。

「キム・ジンスク指導委員の一生の同志だったパク・ムンジン指導委員もとても苦労したはずだが、 ただキム・ジンスク指導委員のことを考える気持ちで一歩一歩来られたのだと考えます。 私たちに希望の道を案内してくれたソ・ヨンソプ神父さんに心からありがとうと申しあげたいです。」

▲イ・ドンス時事漫画家がグリーン〈労働者キム・ジンスク復職要求五体投地も〉 [出処:ヨンジョン]

間違いなくハン・ギョンア氏(非正規職ない世の中作りネットワーク執行委員)が隊列まん前で道をつけて、クルチャム(蜜の眠り)活動家キム・ギョンボン氏が北声で五体投地参加者らを引き渡す。二日目共に歩いているパケンナン種(クルチャム(蜜の眠り)活動家)は横断幕を入ったり物品取りまとめることなど不意に必要なことらをして、『女性映像集団ウム』とギョンニョル月軍(郡)は映像と写真撮影に余念がない。イ・ドンス時事漫画家は二日目五体投地デモ行進に一緒にしながら、参加者1人一人の姿をスケッチブックに含んでいる。最初日には労働司牧委員会パク新案種と市民一人が開始を一緒にした。

イ・ドンス漫画家がこの日全体参加者らの姿と名前を書いた絵〈労働者キム・ジンスク復職要求オチェトゥジド>ルル見せる。ハン・ギョンア氏が「正祖大王陵お出ましだと思った」としたらイ・ドンス漫画家は「それ(彼)よりさらに貴重な行列」と応酬する。

産業銀行に渡ったのだから政府が責任を取れ

私たちが今よりもっと若かった時
その時はもっと遠くをながめて一緒にした
人間が人間でさらに美しいかもしれない世の中に向かって一緒にした
しかし若さだけでは仕方ない 怒ることだけではどうしようもない
考えていたよりさらに固く複雑な世の中の前で 私たちは崩れた
〈要請〉、コッタジ4集《歌の夢》収録

宣伝カーから流れ出る歌を聞きながら景福宮駅をすぎると、 突然分厚い冬のパーカーを着た二人が現れて横断幕を持つ。 造船業種労組連帯に加入している金属労組現代重工支部労働者たちだ。 一瞬見るとクォン・スジョン金属労組副委員長も 「キム・ジンスクを造船所に」というプラカードを持って歩いている。

▲キム・ジンスク指導委員の復職と快癒のための五体投地場面[出処:ヨンジョン]

▲青瓦台前の清雲孝子洞住民センターの前で五体投地をしている参加者[出処:ヨンジョン]

「われわれ労働者がこれほどまでしなければならないというのがちょっと悲しいです。 よくご存知でしょうが、民主化補償審議委で民主化運動の過程で発生した不当解雇だから復職をさせろと言ったのに、 あくらつな韓進資本がずっと復職をさせなかったじゃないですか。 今は産業銀行に渡ったので、政府が責任を取るべきです。 解雇は殺人だと言いますが、キム・ジンスク同志は最後まで自分の復職は無視しても、 同僚の復職を先に考えました。 ぜひ復職して、これを契機に解雇のない世の中を作っていかなければならないのではないでしょうか。」 (金属労組現代重工支部チョ・ユンソン副支部長)

造船業種労組連帯は先週から3〜4日ずつ、労組ごとに順番にソウル青瓦台前などでテント座り込みと記者会見を含む キム・ジンスク指導委員の復職を要求する活動を続けている。 造船業種労組連帯は現代重工とサムスン重工業、現代三湖重工業、 ソンドン造船所、STX造船海洋など造船所労働組合の連帯組織だ。

夜が最も長く昼が最も短いという冬至の三日前の日。 いつのまにか日が沈み、冷たい空気が深まり始める頃、 清雲孝子洞住民センターが視野に入ってきた。 さほど経過せず青瓦台の前に到着する。

五体投地の参加者に写真を取る空間を用意してやると大げさに騒いだ警察は、 個人の携帯電話で撮影をして五体投地参加者からひどい目にあった。

その平和のために這ってきました

「2日間で12kmです。12kmをこのように這ってきました。 その理由はただ一つです。 キム・ジンスクの復職のためにです。 キム・ジンスクの復職が平和だから、その平和のためにこうして這ってきました。」

キム・ジンスク指導委員復職と快癒のための ハン・ギョンア氏の五体投地最後の拝のコメントが続く。

「最後に五回の拝をします。 労働者が主人なる世の中を祈りながら、最初の拝をします。 差別ない世の中、非正規職ない世の中を望み、二回目の拝をします。 解雇は殺人です。解雇ない世の中を望みながら、三回目の拝をします。 働いて死なないように、重大災害企業処罰法制定のために、四回目の拝をします。 キム・ジンスクの復職が平和です。 その平和のために、五回目の拝をします。」

▲青瓦台の前で最後の5拝を上げる五体投地参加者[出処:ヨンジョン]

▲五体投地を終えて挨拶をする参加者[出処:ヨンジョン]

「お疲れさまでした。」

すべての参加者が丸くなって挨拶をしながら、二日間の五体投地を終える。 ソ・ヨンソプ神父の叙階式から10年になるこの日、 五体投地参加者は質素に祝いの気持ちを伝えた。

苦痛の言葉を心で聞き入れることを

五体投地を終えたソ・ヨンソプ神父が青瓦台の金霽南(キム・ジェナム)市民社会首席との面談要請書を渡すために 警察の車に乗って青瓦台の年豊門に移動する。 年豊門の中に入り、警察が連絡を取って、 市民社会首席室コ・ヨンホ行政官が出てきた。 この日、金霽南市民社会首席との面談は行われず、 2階の会議室でコ・ヨンホ行政官と20分程面談した。

何日か前、市民社会首席室はすでに「70民労会」との面談で立場を伝えたので、 今回の面談は難しいと答えて、五体投地参加者の心が痛むこともあった。 これに対してコ・ヨンホ行政官は市民社会首席の会議日程で時間が合わず、 解雇期間に対する金銭補償について互いに主張が交錯する状態で、 政府の介入は難しい点があると説明した。

「市民社会首席の役割は、胸の恨が極に達した人々が泣き叫ぶ苦痛の話を耳だけでなく、 心で聞き入れることだと考えます。 いくら忙しくても、切迫した人々の涙でいっぱいの苦痛の声を無視してはいけません。 聞いたのに、何をさらに聞くのかと言いますが、 同じ話が繰り返されるということは、それだけ切迫して話しているのだということをさらに推し量ってほしいですね。」 (ソ・ヨンソプ神父)

ソ・ヨンソプ神父は韓進重工業使用者側がキム指導委員の不当解雇期間の 賃金支払いに関して「業務上背任」を云々して復職を拒否していることに対し、 政府が断固として話して経営陣に責任を取らせてくれと要請した。 現在、キム・ジンスク指導委員の復職と関連して、 経済社会労働委員会の文成賢(ムン・ソンヒョン)委員長が労使の意見調整をしているが、 韓進重工業使用者側が不当解雇期間に対する賃金と退職金支払いが 「業務上背任」だという主張をして進展が見られない。

12月11日、「労働人権実現のための労務士の会」と「民主社会のための弁護士の会」は 産業銀行の前で「韓進重工業キム・ジンスク解雇者復職要求労働法団体記者会見」の後、 韓進重工業の主債権団である産業銀行側に法律検討意見書を渡した。

「社会的要求と労使間の交渉による合意に基づいて民主化補償法律上の義務履行の一環として進められる キム・ジンスク指導委員に対する完全な意味の復職、 これが業務上背任罪になることはまったくない。 今まで多くの闘争事業場でこれと同じ方式の復職が行われたが、 背任罪で捜査を受けたり起訴されるどころか、問題になった先例さえない。」 (2020.12.11.労働法団体記者会見文より)

▲青瓦台年豊門の前で金霽南市民社会首席緊急面談要請書を渡すソ・ヨンソプ神父(右)[出処:ヨンジョン]

生まれて一番美しいクリスマスプレゼント

「35年という時間は単に一個人が生きてきた時間ではなく、 過去の私たちの不幸な歴史をそのまま抱いて暮らしてきた時間です。 キム・ジンスク指導委員は金に換算できない苦しい生活を送ってきました。 あるいは行政官さんも私も、あの人の犠牲に充ちた人生があったから、 それでも多少は良い生活ができたという気がします。 そんな過程を度々金と関連させて当事者に侮辱的な言辞で対応しないでほしいです。 この言葉はぜひ伝えてほしいです。 キム・ジンスク解雇労働者が今の文在寅(ムン・ジェイン)大統領を旧同志だと言いました。 今回解決しなければ、一生を生きていきながら、心に重く残るという気がします。 同志のそんな気持ちをよく推し量って、名誉回復をしなければならないのではないでしょうか?」

面談を終えて写真撮影ができる年豊門の外に出てきて、 ソ・ヨンソプ神父がコ・ヨンホ行政官に緊急面談要請書を渡した。 金霽南青瓦台市民社会首席との面談は12月23日に決まった。 コ・ヨンホ行政官もソ・ヨンソプ神父も、問題がうまく解決して予定された面談がなければ良いといった。 年豊門の前で書簡を渡しながら、ソ・ヨンソプ神父が最後に話す。

「私が生まれて一番美しいうれしいクリスマスプレゼントをもらいたい。」

民主主義が血を吸って育つ木だとすれば、一番多くの血をまいたのは労働者たちなのに、 民主主義という木はどこで育っているのでしょうか? その木の実は誰が取って食べ、その木の陰では誰が休んでいるのでしょうか?

一昨日はセウォル号の遺族が私の復職を応援するために来ました。 私たちはいつまで弱者どうしが互いを応援して、 悲しみが悲しみを慰労しなければならないのでしょうか。

その昔、 私の解雇が不当だとおっしゃった文在寅大統領。

私の解雇は相変らず不当ですか?

旧同志が切実に尋ねます。

『キム・ジンスク復職要求各界各層元老宣言記者会見』キム・ジンスク指導委員発言より(2020.10.20.〈OhmyNews〉映像参考〉

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2020-12-31 17:20:23 / Last modified on 2020-12-31 22:40:41 Copyright: Default

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