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「大法院、ユソン企業損害賠償訴訟を差戻せ」

労組破壊シナリオによるユソン企業の損害賠償訴訟提起…損賠金額大法院係留中に21億ウォンに増加

パク・タソル記者 2020.07.29 14:49

ユソン企業の労働者たちが、大法院はユソン企業により提起された損害賠償訴訟を 破棄差戻ししろと要求した。 2審裁判所まで、労組を破壊する目的で作られたシナリオによってなされた損害賠償訴訟を認め 「労働者の首を締めている」と彼らは説明する。

[出処:ソンチャッコ]

金属労組ユソン企業牙山・嶺東支会、ソンチャッコ、ユ・ソンボム市民対策委員会は、 7月29日午前11時に大法院の前で記者会見を行って 「ユソン企業損害賠償訴訟は労組破壊の最終手段だった」とし 「大法院は判決で 『労働権を侵害するユソン企業法制度悪用』を止めろ」と要求した。

彼らは記者会見文で 「2011年の創造コンサルティングの労組破壊作戦文書で指摘された通り、 ユソン企業の損害賠償請求は労組破壊作戦の最終手段だ」とし 「労組破壊作戦であることが堂々とあらわれたのに、 組合員への損害賠償請求は10年間、生きて労働者の首を締めている」と明らかにした。

労組破壊作戦文書は2011年5月11日、 ユソン企業と労組破壊コンサルティング業者の創造コンサルティングが作成した 「不法ストライキ短期対応方案」の文書を示す。 創造コンサルティングは「争議調整を経てストライキに入れば、 組合、組合員に対する損害賠償および仮差押えを請求」するよう、 使用者側にガイドラインを提示した。 損賠仮差押えは使用者側の対応方案スケジュールの最後に指摘され、 労組の言葉を借りれば「労組破壊作戦の最終手段」になった。

これにより使用者側は2011年10月10日、 ユソン支会の争議行為は「違法」だとし、 40億ウォン以上の損害賠償をユソン牙山支会、ユ・ソンヨン同志会、 個別の労働者に請求した。 ユソン企業が受けた「消極的損害」、元請の現代起亜車などが受けた「積極的損害」、 慰謝料などを含む金額だった。 1審裁判所は損害を算定するに当たり、会社の責任を60%と策定し、 12億ウォン余りの損害賠償金額を認めた。 2015年の2審裁判を経て損害賠償認定額は10億ウォンに減ったが、 労働者側の責任は60%に上げられた。 遅延利子は年20%にのぼる。 2審宣告があった2015年12月17日以後、 毎日約55万ウォンの遅延利子が発生しており、 2020年7月現在の損賠金額は21億ウォンを越えた。

2審判決以後、ユソン企業の労組破壊の関連者はそれぞれ処罰を受けた。 裁判所は柳時英(ユ・シヨン)会長をはじめユソン企業役員、 創造コンサルティングのシム・ジョンドゥとキム・ジュモク、 現代自動車の役員に有罪を宣告した。

[出処:ソンチャッコ]

この日の記者会見に参加したユソン企業牙山・嶺東支会は 「会社と交渉をして労組破壊を終わらせるために最善を尽くした。 労組破壊の最終手段である損賠を会社が自ら取り下げて、 誤りを正すことができるように、労組は何度も機会を与えた。 裁判所もまた調整を薦めたが、ユソン企業は調停の機会さえ蹴飛ばした」と批判した。

続いて「ユソン企業は信頼が基本であるべき交渉でさえ、 莫大な金額の損賠を『会社が望むものを得るための手段』として活用してきた。 10月31日、9年ぶりにやっと導き出した暫定合意案には はっきり損賠撤回が指摘されているが、 最近の交渉でも賃金および妥結金を支払わないことを損賠撤回の条件とするなど、 金属労組所属の組合員たちに不利益を与える手段として損賠撤回を悪用した」と批判した。

この日の記者会見でユソン支会の裁判を引き受けたキム・サンウン弁護士は、 上告審の主要な争点を説明して、これまでの判決の不当性を指摘した。

キム・サンウン弁護士はまず控訴審判決が不提訴特約の内容を縮小、歪曲していると言う。 当時、ユソン企業が所属していた金属産業使用者協議会と、 ユソン支会が所属していた金属労組は 「会社は労働組合を理由に損賠、仮差押えをしない」という不提訴特約を締結した状態だった。 キム弁護士は「裁判所が10億ウォンの損害賠償額を認めたのは、 労使間の自主的な団体協約を侵害するもので非常に不当だ」と話した。

また2審裁判所は1審とは別に、現代起亜車の損害賠償金を大幅に上げたが、 キム弁護士はこれに対する立証が不足だと判断した。 キム弁護士は「現代起亜車が3432台の生産に支障があったとしても、 勤労者側の行為による損失だという因果関係の立証が足りない」とし 「現代起亜車が勤労者側の行為と生産の支障との因果関係を立証する資料についての事実照会に応じず、 会社もまたこれに対する立証をしていない点を考慮する時、 裁判所が現代起亜車の損害賠償金を認めたのは不当だ」と話した。

また過失相計率の問題も提起された。 キム弁護士は「1審の場合、会社の責任を60%、2審の場合、勤労者の責任を60%と見た」とし 「会社の団体交渉の回避、創造コンサルティングを利用した労組破壊シナリオ等を認めながら、 結局、勤労者側の責任を60%と判断したのは事実上、 事態の責任の原因が会社よりも勤労者側にあると判断するもので不当だ」と強調した。

この日の記者会見の後、 ユソン支会は法理検討意見書と支会の立場を大法院に渡した。

[出処:ソンチャッコ]

なお国際社会は損賠仮差押えが労働者の労働権を侵害するという内容の勧告を何回も発表した。 2017年ILOは、「巨額の損害賠償請求が労組の自由な活動に及ぼす重大な効果に憂慮を表わし、 提起された容疑事実について政府が答えることを要請する」と明らかにした。

同年、国連社会権規約委員会は、第4次大韓民国審議の最終見解で 「民事上の損害賠償請求が続いているなど、 争議行為に参加した労働者に対する報復措置」を憂慮して 「争議行為に参加した労働者に行われた報復措置に対する 独立した調査を実施することを勧告」した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2020-07-31 20:39:45 / Last modified on 2020-07-31 20:39:47 Copyright: Default

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