本文の先頭へ
韓国:ソウル市の女性公務員は性差別的組織文化を体験していた
Home 検索

ソウル市の女性公務員は性差別的組織文化を体験していた

2018年性平等実態調査結果、女性公務員の74.6%が「セクハラ問題にすれば被害者が損をするだけ」

パク・タソル記者 2020.07.14 17:06

故朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長の性暴力容疑に関して、 被害者が4年間申告できなかった理由は、 組織内部の性差別的な文化の影響もあったものと見られる。 被害者は弁護人を通じてソウル市内部に助けを要請しても、 市長を庇護する言葉により、それ以上被害を訴えられなかったと明らかにした。 実際に、被害者だけでなく、 ソウル市の女性公務員はセクハラを問題にすると被害者が損をするだけだという認識を 広く共有していたことがわかった。

ソウル市女性家族政策室は昨年3月 「2018年ソウル市公務員職場内性平等およびセクハラ実態調査結果報告」を発表した。 ソウル市本庁、事業所、自治区公務員などの職員6810人を対象とするアンケート調査だった。 男性は3475人(51%)、女性は3335人(49%)が参加した。

[出処:ソウル市]

この調査の「セクハラ認識・経験および専門担当部署」に関する項目では、 女性の74.6%が 「セクハラを問題にすると職場内の人間関係悪化、業務排除などで 結局被害者が損をするだけ」だと答えた。 しかし男性は24.9%がそう回答した。

女性公務員の多く(70.6%)はセクハラの原因として 「組織の位階秩序が強い」という認識を共にした。 しかし男性公務員は37.4%だけがそのように答えた。 「セクハラは加害者に対する懲戒が弱いので発生する」という質問には 女性の大多数の90.1%が「そうだ」と答えた。 男性は半分程度の51.5%が「そうだ」と答えた。

セクハラを目撃したり聞いた経験も、女性と男性の差が大きかった。 「この1年間で自分を除く周囲の同僚職員がセクハラにあうことを見たり聞いたりした経験」 があるかについての質問に、 女性公務員は37.9%があると答え、男性公務員は10.6%だけがそのような経験があると明らかにした。

[出処:ソウル市]

該当セクハラの類型としては「容貌に対する性的比喩や評価」(60.7%)が最も多く、 「会食で酒を注いだり横に座るように強要」(47.5%)、 「わい談および性的冗談」(44.4%)、 「身体を接触したり、するように強要」(41%)がその次に多かった。 この他には「私的交際強要」(12.5%)、 「性的事実関係を聞いたりこれを意図的に流布」(7.6%)、 「けばけばしいイメージや動画を見せる」(4.3%)、 「性的関係要求」(1.7%)等の要求もあった。

ソウル市の公務員は、間接的に経験したセクハラ事件は 「被害者ががまんする」(66.1%)ことで終結する方式が最も多かった。 「職場のセクハラ苦情処理専門担当窓口などに公式に問題提起」(8.3%)、 「被害者が特別な問題提起せずに部署を移動したり職場を辞める」(4.2%)、 「周辺の人々が仲裁して問題を処理」(3.6%)するという回答は少数に終わった。

ソウル市女性公務員の多くがセクハラ事件の職場内処理に期待せず

[出処:ソウル市]

「現在在職中の職場でセクハラ事件が発生した場合、 社内で適切な処理ができると思うかどうか」も、女性と男性の期待が交錯した。 女性公務員は3人に1人の割合の33.4%だけが職場内で適切な処理をすると答えた。 しかし男性公務員の場合、3人のうち2人の割合(74.6%)で適切な処理がなされると考えた。

適切に事件か処理されないと思う理由としては、 「セクハラを組織の問題ではなく個人の問題として見る傾向」(50.7%)、 「職場内セクハラ黙認・傍観文化」(47.2%)、 「体系的な規定がない・セクハラ苦情処理専門担当窓口の専門性の低さ」(43.1%)、 「以前のセクハラ事件が適切に処理されなかった」(31.1%)等の回答が同じように出てきた。

ソウル市はセクハラ、性暴力申告掲示板と申告メールを運営していた。 機関別苦情相談員を指定して相談窓口も運営していたが、 活用法の案内を受けたり、実際に活用する割合は低かった。

「セクハラ苦情処理機構の案内を受けたことがある」という質問項目に「そうだ」と回答したのは半分にならない48.1%を記録した。 「セクハラ業務処理担当者に対する案内を受けたことがある」という質問項目には 「そうだ」という回答は37.9%に終わった。

一方、「性平等な組織になるために改善すべき分野」として、 「性別区分のない公正な業務分配」(40.7%)が一番の課題として選ばれたことも注目すべき点だ。 これは言い替えれば、現在の業務分配の相当数がジェンダー化された女性の役割を強要したり、 男性の役割を強要しているという言葉だからだ。

[出処:ソウル市]

実際、同じ質問で性別による差別経験の有無の質問で、 女性はすべての項目で男性より高い経験を見せた。 女性は「昇進および評価」(37.9%)、「部署配置」(30.3%)、 「会社の重要な情報」(31.5%)、「業務配分」(29%)等の順で差別を体験したと答えた。

この問題は性別賃金格差にも続く。 ソウル市女性家族財団は 「ソウル市性平等労働政策基本計画樹立研究報告書(2019)」で 「性別賃金格差は求職過程から採用、配置、教育・訓練、昇進など、 すべての過程で発生する性差別が累積した結果であり、 進入格差の解消をはじめ、他の政策領域と緊密に連動される領域」と説明した。 ソウル市は民選7期で賃金格差解消を積極的に推進し、 全国で初めて性平等賃金公示制導入を推進したが、 現実には性差別はずっと発見されている。

この他に「性平等な組織になるために改善すべき分野」の別の回答では 「人員補充等による業務再分配」(40.1%)、 「家族親和的制度活用容易性」(34.6%)、 「男子職員の育児休職活用容易性」(22.8%)、 「夜勤が蔓延する組織文化」(22.7%)等が選ばれた。

なお、これらの質問は、 性平等政策樹立の基礎資料確保のためのソウル市女性家族政策室による要請で、 2018年10月25日から11月25日までオンラインで調査された。 回答者の特性は50代以上(全体の32.5%)、 自治職員(全体の71.7%)、 6級以下職員(全体の94.2%)の応答割合が高く、 10年以上の勤務者の割合が高いほうだった。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可( 仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2020-07-21 12:37:34 / Last modified on 2020-07-21 12:37:36 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について