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「クーパンのコロナ防疫管理は粗末」…労働者たち口をそろえて証言

コロナ被害労働者、労災申請と民事訴訟でクーパンに責任を問う

パク・タソル記者 2020.07.08 18:59

防疫当局の指摘に対し、防疫指針を忠実に履行したというクーパンの主張とは違い、 クーパン物流センターの労働者たちの集団感染に広がったことには 明確にクーパンの責任があると明らかにした。 労働者たちはまた集団感染が発生した富川クーパン物流センターが 防疫内容と再発防止対策を明確にするよう要求した。

7月8日午前、国会議員会館の第6懇談会室で開かれた 「クーパン発コロナ19被害者証言大会」には、 クーパンマン(配送労働者)、クーリエ(配達労働者)、物流センター労働者など、 さまざまな職種の労働者が集まってクーパンを「ブラック企業」と批判した。 彼らは「安全に働く権利がほしい」とし 「クーパンがコロナ被害に対してきちんと謝罪して、 補償と再発防止対策を出さなければならない」と要求した。

この席には富川クーパン物流センターで働きコロナに感染した労働者たちが 多数出てきて当時の労働環境と防疫管理の粗末さを証言した。

1か月もならない期間を富川クーパン物流センター(以下富川センター)で働きながら、 本人と夫、娘まで伝染した労働者A氏は 「家庭が空中分解した」と涙声で話した。 危篤な状態だったA氏の夫は7月9日に療養院に移される予定だ。 医療スタッフが「病院でできる医学的措置はすべてした」とし、 全員が療養院に行くよう通知したためだ。

A氏は「クーパンに最低時給の労働力を提供しただけで、 私と家族の命を奪う権利を与えたのではない。 クーパンは今からでも遅くないので、 私と家族に謝罪して補償をするべきだ」と話した。

A氏は「数百人が使う作業台があるが、 消毒ティッシュや消毒剤一つも置いてなかった。 換気施設が全くなく、物量が増えると狭い作業台で2人が共同作業しなければならなかった」とし 「初めての確診者が出た時に正確な動線と勤務時間を知らせてくれと言ったが、 管理者は自分もただ伝えるだけだとし、 知っていてもおしらせすることができないという話を聞いた」と明らかにした。

富川センターで9日間働いてコロナにかかったB氏も、 徹底的に個人防疫をしていたが陽性判定になったことは、 非衛生的な労働環境のためだったと推測した。 B氏は汗にぬれてもマスクに二重にフィルターを入れて、 距離を取ることができない食堂ではなく、別の所で食事するなど、 徹底的に個人防疫をしたと話した。 B氏は「他人の汗で濡れた安全靴と激しい悪臭がする作業服を着て働かなければならなかったが、 それが嫌だったので個人の物を持ってきて、履いて働いた」と明らかにした。

B氏は「疫学調査官から富川センターの換気口からも多くのコロナウイルスが検出されたと聞いた。 目から感染した場合もあり、 いくらマスク着用をしても不可抗力だったという話を聞いてとてもくやしかった」とし 「体温測定と消毒剤を一度撒いて防疫規則遵守を徹底的に守ったということなのか、 クーパンは防疫管理の内訳を公開しろ」と話した。

クーパンのコロナ19被害労働者支援対策委員会は、 A氏の労災申請を始め、他のコロナ感染労働者の労災も申請する予定だ。 また家族感染で発生した被害の場合、 クーパンに民事損害賠償を提起すると明らかにした。

しかしクーパンは 「累積確診者152人が発生した富川物流センターと1人に終わった徳平物流センターの差は防疫指針遵守の有無」という保健当局の発表に強く反発している。 クーパンは7月7日、クーパンのニュースルームで富川センターの集団感染原因を 「梨泰院講師の嘘による遅い初期対応」のためだと明らかにした。 クーパンは「コロナ19感染発生の前からコロナ19に関する 政府の各種の指針をすべて忠実に履行し、 それ以上の合理的な措置を取った」と主張した。

コロナ以前から劣悪な労働環境で各種の疾患

一方この日、富川センターで感染したと明らかにした労働者たちは、 クーパンから何の謝罪も聞いておらず、 クーパンと感染による対策を共に議論したこともないといった。 彼らはコロナ19の拡散前にも劣悪な労働条件で苦しんだと証言した。 強力な労働、これによる各種の労災と疾患、常時的統制体制などが共通に指摘された。

富川センターの別の感染者C氏は 「初出勤後、一週間ずっと手にアザができても高齢な人も受け入れるクーパンが有難くて本当に一生懸命働いた。 1か月程度働くと手がとてもしびれたが、頚椎椎間板ヘルニアだった」とし 「クーパンで経歴がある人を見ると手首トンネル症候群、ディスク、 ヒジの痛みはあたりまえだ」と話した。

労働権研究所のチャン・ギヨン所長は 「物流センターの場合、個人別UPH(Unit Per Hour、時間当り生産量)が リアルタイムで管理者に監視され、 10分ほどUPHが滞っていても指摘されるので簡単にトイレにも行くことができない。 実際に体力が弱い人は週5日働くのが難しいと感じるので 契約職より日雇いを好んだりもする」とし 「さらには基準UPHが数年前より上がったという証言があるが、 実際にますます労働強度が強化される傾向だ」と説明した。

チャン所長は 「劣悪な作業環境も高い労働強度とともに労働者たちの健康を威嚇する要素」とし 「冷暖房がないので酷暑と酷寒にそのまま露出している」と付け加えた。

もうひとつの問題として「管理者による人格冒涜的いじめ」が指摘された。 チャン所長は「悪態やぞんざいな言葉は禁止されているが、 作業速度が低いと公開で呼んだり放送で指摘して、個人的に恥ずかしめることが多かった。 トイレに行くのも報告しなければならず、 女性は相当な羞恥心を感じていた」と話した。

A氏も「『遊びに来たのですか?』、『いたずらをしているのですか?』、 『ちゃんとしてください』等の言葉を管理者はいつも言う。 管理者に口答えすれば中央から出てきて問題さを話せというが、 会社をやめる覚悟をしなければならないほど強圧的だった」と話した。

またこの日の証言大会でクーパンマン、クーリアも労働強度が深刻になっていると指摘した。 公共運輸労組空港港湾運送本部クーパン支部のチョン・ジンヨン支部長は 「この数何年間、1人が配送する物量が上昇していたが、 コロナ19を起点として物量がさらに増えた。 約1.5倍程度増加したと把握している」とし 「休憩時間があるがこの1〜2年間は30分以上休んだことは一回もないほど」と明らかにした。

クーリエとして働いているライダーユニオン組合員のキム・ヨンビン氏は 「クーパンイーツが評点制度を利用して事故を誘発するほどの配達時間を制限しており、 これを雇用労働部に陳情したが交通事故を誘発するほど時間を少なく配分したのかについての基準がなく処分できないという回答を受けた。 とても残念だった」とし 「労災事故が起きれば全て個人が責任を取らなければならないライダーのための対策が 国会で議論されるように願う」と明らかにした。

この日の証言大会は正義党の柳好貞(リュ・ホジョン)、姜恩美(カン・ウンミ)議員、 正義党労働本部、クーパン コロナ19被害労働者支援対策委員会が主催した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2020-07-10 23:38:11 / Last modified on 2020-07-10 23:38:12 Copyright: Default

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