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LNJ Logo 韓国:起亜車通常賃金紛争…裁判所が責任を放棄?
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起亜車通常賃金紛争…11か月目に一度開かれた裁判で整理終わり?

起亜車支部「11か月長引かせた裁判所、即刻弁論を再開して起亜車労働者の裁判請求権保障せよ」

パク・タソル記者 2020.05.06 15:48

金属労組起亜自動車支部の一部の組合員が提起した通常賃金関連訴訟で、 裁判所が1年近く裁判を先延ばしし、 争点について攻防する機会を遮断したという主張があがっている。 労働者の未払い賃金保全に関する重要な訴訟だが、 裁判所が責任を放棄して裁判請求権を否定しているという指摘だ。

「金属労組起亜自動車支部2次区間個別訴訟対応チーム(以下2次区間個別訴訟対応チーム)」は5月6日、 ソウル市瑞草区にあるソウル中央地方法院の前で記者会見を行って 「起亜車は青春を捧げて、汗を流して働いた未払い賃金を支払え」とし 「未払い賃金訴訟で裁判所は不十分に終わらせた裁判に対し、 即刻弁論を再開して憲法上の権利である裁判請求権を保障しろ」と要求した。

2次区間個別訴訟対応チームは昨年3月に起亜車労使が合意した通常賃金合意に問題を提起して、 同年5月2日、ソウル中央地法に通常賃金2次区間個別訴訟を出した。 3月に労使合意案が通常賃金2次区間(2011年11月〜2014年10月)に該当する労働者の権利を侵害したということだ。 労使の合意によれば、1次訴訟区間に対しては60%を支給され、 残る2次、3次、4次訴訟区間はまとめて入社年度により、 800万ウォン、600万ウォン、400万ウォンを支給される。 この合意で使用者側は未払い賃金のうち5000億ウォンを削減することになった。

これについて組合員は、使用者側が節約した通常賃金が未払い賃金だと主張し、 昨年5月2日、2次区間個別訴訟を提起したが、 ソウル中央地法民事合議42部(ユン・ジョンソプ部長判事)は11か月間、 何の裁判もせず、4月に一回開かれた裁判で突然弁論を終結した。 そして5月15日の1審宣告を予告した。

2次区間個別訴訟対応チームは、 裁判所が使用者側が主張する不提訴合意による個別訴訟不可などの争点などを争わず、 拙速に裁判を終わらせようとしていると批判している。

この日の記者会見で2次区間個別訴訟対応チームの共同弁護人、 セイルのキム・サンウン弁護士は 「裁判所がこの11か月間、何の判断もせずに始めて開かれた4月3日の裁判で すぐに弁論を終結した。 11か月間裁判しなかったのは明らかに原告の裁判請求権の侵害であり、 判事に与えられた最低の職務も遺棄したものであり、 中央地法民事裁判所は原告に謝罪して現在決めた宣告期日を取り消して弁論を再起し、 労働者の賃金請求権を保障しなければならない」と要求した。

「『不提訴同意』で訴訟の効力がないという起亜車の主張はおかしい」

起亜自動車社側が主張する 不提訴同意の問題もおかしいと批判した。

キム・サンウン弁護士は 「この訴訟の原告は、代表訴訟が進められる間、個別の訴訟はしないと通知したが、 昨年の労使合意が代表訴訟関連のこれまでの労使合意を破棄したため個別訴訟をしないという通知はすでに効力を失った」と説明した。 続いて「個別訴訟を提起しないという通知の後に締結された代表訴訟後続措置関連の別途の合意書でも、 労使は代表訴訟関連、裁判所の確定判決の時にその結果を全職員に同一に適用するとし、 労使間代表性合意は大法院確定判決であることを明確にしている。 またどの文書でも代表訴訟関連の合意は大法院の確定判決を適用すること以外に 他の内容は出てくるはずがない」と強調した。

2次区間個別訴訟対応チームのチョン・チャンソン対応チーム長は、 2次個別訴訟は総会決議にも反しないと主張した。 チョン・チャンソン対応チーム長は 「昨年3月の総会決議は 『代表訴訟確定判決の全職員適用』の既存代表訴訟合意を破棄し、 2次区間未払い賃金に対して代表訴訟オプションを解いたものであり、 換言すれば組合員に個別訴訟の道を開いた」と明らかにした。

一方、こうした攻防は昨年3月の労使合意が発端になった。 2013年に大法院が「賞与金は通常賃金」だと判決してから6年後の昨年3月11日、 「過去分の未払い賃金」と「未来の通常賃金適用」に関連して 起亜車の労使合意がなされた。 この労使合意は3日後の3月14日の組合員総会で可決(53.3%)された。 起亜車労使は「訴訟取下書」と、訴訟を提起しないという「(不提訴)同意書」の作成を 当時、通常賃金訴訟中だった個別訴訟の労働者に要求した。 だがそのうち3200人ほどが 「過去分の未払い賃金に対して通常賃金訴訟の目的に合わないように合意した」とし 「訴訟取下書」と「(不提訴)同意書」の作成を拒否し、 「2次区間個別訴訟対応チーム」を自発的に構成し、 別途の訴訟で通常賃金を保全することを決定した。 2次区間個別訴訟に参加した組合員は2367人だ。

起亜自動車の現場意見グループ「労働者の力」のメン・ジュイン氏は 「組合員の総意を問う投票で訴訟しなかった組合員にも投票権をあたえ、 賛成率を上げるために過去分の支払い率も差別適用するなど、 多くの問題点があった」とし 「このような小細工は組合員の本当の意思を歪め、 総会結果にも影響を与える不当な方法だった」と指摘した。

チョン・チャンソン対応チーム長は 「起亜車の団体交渉の文句は通常賃金を基準として最も完璧な協約なのに、 労組の分取り式の労使合意で通常賃金協約が壊れた。 この特別合意に同意しない3200人の組合員は2次個別訴訟で自尊心を守ろうとした」とし 「昨年の特別合意の後に起亜車は変則的な新賃金体系を導入しているが、 賞与金を守る通常賃金闘争でまともな賃金体系を導入する」と声を高めた。

一方、3月新しく就任した起亜車支部(チェ・ジョンテ支部長)の主な公約の一つに 「2020年の賃金・団体交渉で未払い賃金・通常賃金再交渉」等を打ち出した。 組合員の個別の未払い賃金訴訟を積極的に支援するという立場だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2020-05-11 02:28:13 / Last modified on 2020-05-11 02:28:15 Copyright: Default

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