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韓国:ソウル都心で非正規職労働者が緊急行動…警察衝突も
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ソウル都心で非正規職労働者が緊急行動…警察衝突も

非正規職緊急行動「もう死ぬことはできない、災害の後の世の中を変えよう」

パク・タソル記者 2020.05.01 17:52

「2020年の災害の後、もうひとつの世の中を望む万国の労働者とともにわれわれは叫ぶ。 私たちが失うのは貧困と苦痛の鎖だけであり、 得るものは利益よりも生命が優先されるもうひとつの世界だ」 (コロナ19非正規職緊急行動宣言文より)

世界130周年メーデーをむかえ、 非正規職労働者たちは「これ以上死ぬことはできない、 災害の後の世の中は変わらなければならない」と叫んだ。 コロナ19拡散の中で非正規職労働者たちは真っ先に解雇され、 休業手当てなどの各種の権利から排除されている。 さらに、4月29日の利川火災惨事でもあらわれたように、 労災死亡に最も近く露出している。

5月1日午後、ソウル都心の3か所で非正規職労働者が主軸になって 「非正規職労働者のコロナ19緊急行動(以下非正規職緊急行動)」が開かれた。 彼らはハンエクスプレス利川物流倉庫労災死亡者を追慕する黒いリボンを服に付けて緊急行動に参加した。

彼らの要求は、 △すべての解雇禁止、 △非正規職、中小零細事業所労働者に休業手当て、失業手当支払い、 △すべての労働者に労組をする権利保障、 △すべての労働者に四大保険適用、 △30大財閥社内留保金1000兆ウォン還収、 △病気なら休めるように傷病手当て保障、 △移住労働者に差別のない同一支援と要約される。

非正規職緊急行動は午後3時30分から要求別に3つの拠点場所に分けて進められた。 市庁広場で進められた第2広場は300人ほどの労働者、市民が集まって、 △休業手当てと失業給付、四大保険適用での差別禁止、 △労組をする権利保障、 △移住労働者差別禁止および四大保険全面適用を要求した。

彼らは宣言文で 「最も貧困と無力な労働者たちが声も上げられずにクビにされた。 人生が崩れている」と訴えて 「非正規職、5人未満事業場の労働者、特殊雇用、 フリーランサーだという理由で休業給与、失業給付さえ受けとれない。 2700万就業者の半分が雇用保険の保護を受けられず、 雇用保険加入者の半分の非正規職が無給休職、勧告辞職に追いやられている」と明らかにした。

続いて「文在寅(ムン・ジェイン)政府は200兆ウォンを企業に支援する。 生計が苦しい国民には13兆ウォンを積善した」とし 「金持ちはさらに金持ちになり、貧しい者は病気にかかって死ぬか、 飢えて死ぬか、あるいは貧しいまま獣のような人生を続けていく」と批判した。

彼らは政府に「最も脆弱な人々に資源を集中しなければならない」とし 「解雇を禁止しなければならない。 働けば誰にでも休業給与と失業給付を支給しなければならない。 四大保険を適用しなければならない。 労組をする権利を保障しなければならない」と要求した。 また「殺人企業をきちんと処罰し、 災害で死に、解雇で死に、働いて死ぬこの死のキリングフィールドを終わらせなければならない」と付け加えた。

非正規職当事者がマイクを持つ

第2広場で話を始めた学習誌労組のオ・スヨン委員長は 「コロナ19以後、学習誌先生は授業が半分になり、収入は1/3に減った。 収入がなく、生計を維持するための階段清掃日を二倍にして、老後の貯金を解約した組合員もいる」とし 「特殊雇用労働者を雇用した大企業は今年も数十億、数百億の配当金祭りをした。 危機の時代に柔軟な雇用構造で、社会的責任は何も負わず、利益だけ出した」と批判した。 彼らは政府に対する責任も尋ねた。 「政府の生計支援金は2018年の医療保険加入者が基準なので、 私たちは基準から抜けてしまう」とし 「文政府が約束した雇用保険が実行されていれば、 3か月のコロナのために人生が奈落に転落せず、 文政府が約束した労組法第2条が改正されていれば 交渉もできずに全身で災難をかぶらなかっただろう」と声を高めた。

公共運輸労組全国放課後学校講師支部ソウル支会のイム・ジュンニョン支会長と 言論労組放送作家支部のウォン・ジンジュ組合員も、 政府の非正規職労働者、特殊雇用者に関する不十分な対策を批判した。

イム・ジュンニョン支会長は 「政府の1次追加経費の時、特殊雇用労働者、フリーランサーに対する支援金が出てきたが、 難しい所得基準と健康保険料基準のために脱落する講師が多かった。 ソウル市は放課後講師への支援がまったくなく、 地域ごとに基準もまた千差万別だった」とし 「5次非常経済会議での政策も、まだ決まっていない。 特殊雇用構造問題を解決しない以上、放課後講師の困難は続く」と明らかにした。

移住労働者のチャミンダ氏は 「肌の色が違っても、国と宗教が違っても、みんな同じ労働者」とし 「移住労働者を困らせる雇用許可制を廃止して、 移住労働者に暴力を続ける企業主を処罰して、 感染病が拡散する時期にマスクの支給などで移住労働者を差別してはならない」と声を高めた。

警察、四回も自主解散命令… 「防塵服を脱げ」デモ行進も妨害

一方、ソウル市と警察庁は 「感染病の予防および管理に関する法律」第49条第1項を根拠として 集会の禁止を通知した。 これに対して非正規職緊急行動のすべての参加者は、 マスクと防塵服、ラテックス手袋を着用して一定の距離を維持するなど、 感染病予防のための措置を遵守した。 第1部の広場イベントは、参加者間に1m以上の物理的距離をおき、 デモ行進と光化門パフォーマンスは2mの物理的距離を置いて進められた。

だが非正規職共同行動は集会からデモ行進まで、いつも警察の妨害を受けた。 第2広場での集会中に警察は四回の自主解散命令をした。 第2部広場の参加者は、光化門広場までのデモ行進も止められた。 警察が労働者、市民のデモ行進を妨害し、デモ行進は1時間以上遅れた。 警察はコロナ防疫のための措置だとし、防疫のためのチョッキを脱ぐように要求し、 労働者市民はこれに抗議した。 労働者市民は「労働者闘争を統制するための道具としてコロナ19を持ち出したに過ぎない」とし 「集会の自由を保障しろ」と叫んだ。 この渦中でソウル市はソウル広場の噴水台を稼動させ、 警察と市民の対峙状況を仲裁しようとしたが、 雰囲気をさらに険悪にさせるだけになった。 結局、市民は防塵服を脱いだり、別に警察隊伍を振り切って世宗文化会館の階段に集まった。 遅れた第二部のイベントは午後5時をはるかに過ぎて始まった。

第1広場(すべての解雇禁止)、第3広場(財閥社内留保金1000兆ウォン還収)の参加者も、 警察との対峙で遅れて光化門に到着し、第2部の非正規職緊急行動がやっと始まった。 第2部では、利川火災惨事労災死亡者を追慕するブブゼラ吹きイベントが進められた。 一緒にインターナショナルを歌い、 「災害以後の世の中は変わらなければならない」と叫んだ。 最後に参加者は連帯を意味する紙飛行機を飛ばして コロナ19で苦しみながら戦っている航空労働者をはじめ、 全世界の労働者たちに連帯のメッセージを送った。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2020-05-03 18:01:33 / Last modified on 2020-05-03 18:13:18 Copyright: Default

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