本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:デモと「平和フレーム」
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1479677684310St...
Status: published
View


デモと「平和フレーム」

[記者の目]花のステッカーを貼る市民、剥がす市民

キム・ハンジュ記者 2016.11.20 04:29

11月19日午後7時、光化門の車壁が花のステッカーで埋め尽くされた。 イ・ガンフン作家の「車壁を花壁に」パフォーマンスに呼応し、通る市民たちが車壁に花のステッカーを貼った。 だが2〜3時間経つと、100人ほどの市民が「これはやり過ぎだ」と一斉にステッカーを剥がし始めた。 ステッカーを剥がす市民を見て、ある市民は 「なぜ他人の政治的な表現を勝手に除去するのか」と批判した。 オンラインでは、ひとしきり「花ステッカー」論争が起きた。

イ作家はマルク・リブーの「銃剣に花を捧げる少女」の写真を見て花壁パフォーマンスを企画したと言う。 この写真は1967年、米国の反戦平和デモで、ある女性が市民に銃を向ける軍人に花を渡す姿を写した。 彼は「光化門の集会で警察を非難するスローガンの代わりに平和を象徴するイメージでステッカーを作り、 車壁と盾などに貼り付けるパフォーマンスをする」と伝えた。

[出処:ジョンウン記者]

花のステッカーを剥がす市民と会った。 市民10数人と会って対話したが、このステッカーがパフォーマンスだったということを知っていた市民は二人しかいなかった。 市民たちは木馬に乗って私費を投じて衛生手袋をはめ、 きれいに剥がせるようにスプレーまで配ってステッカーを除去した。

ステッカーを剥がす市民と会ってみた。 ほとんどの反応は似ていた。 「義務警察に何の罪がありますか。」

市民のA氏は 「義務警察もみんな私たちと同じ年頃でしょう。 警察に抗議するんだと言いますが、下(義務警察)の連中が剥がすのでしょう。 理解できません。これをやるのなら、自分たちが剥がすべきです」といった。 彼は記者が「これを貼った市民に対してどう思うか」と尋ねた時は、 色を正して「もう聞くな」と言った。

市民のB氏は運転免許証でステッカーを剥がし、免許証が割れた。 彼は「良くないこと(ステッカーを貼ること)で、私たちに矢が飛んでくる」と伝えた。 彼は保守言論の攻撃を憂慮した。 彼はステッカーを貼った市民について 「純粋な気持ちで貼ったとしても相手に攻撃の口実を提供し、 義務警察に被害を与えるだけ」と伝えた。

市民のC氏は「(パフォーマンスが)その人(作家)の行為芸術なら、私たちも(剥がす行為が)芸術だ。 (ステッカーを貼る)行動をする前に、一緒に話をすればいい。 私はペク・ナムギ烈士の市民守備隊もした。 その時は団体がリードしたが、今はいないではないか。 それぞれが頭ではなく、胸がさせることをしている。 警察にありがとうと言っているではないか」と話した。

花壁パフォーマンスを正しく知っている市民1人に会った。 市民のD氏はクラウドファンディングにも参加した。 だが彼は「作家はこれほどまで埋め尽くされるとは考えられなかっただろう。 これ程まで貼れば、警察が運転するのに邪魔になって安全が心配だ。 それでも貼った人も剥がす人も、みんな良い趣旨でした」と伝えた。

一方、「お年寄りがお守りだと言って、 3万ウォンをもらって貼ったということだ」という市民もいた。

[出処:キム・ハンジュ記者]

デモと平和フレームの境界

デモは意思表現の手段だ。 平和デモかどうかということもデモ方式に対する問題だ。 「平和デモ」を目的にする集会やデモはない。

最近、朴槿恵(パク・クネ)退陣汎国民行動の過程で、すべての行為がいわゆる「平和デモ」という名前で意思表明を制限する。 マスコミも「成熟した市民意識」と言ってこうした雰囲気をあおってきた。 そのためなか、集会の現場では小さな線一本を越える行為でも、まるで途方もない暴力でも行使したかのように他の市民を罵倒して非難したりもする。 今回ステッカーを貼った人を偽装活動家だと言われたりもした。 金を受け取って貼ったとか、朴サモがステッカーを貼ったという話まで出回った。

朝鮮日報などの保守言論は、労働者と農民集会のたびにゴミ問題を問題視した。 彼らは集会が終った後、清掃労働者の苦労を憂慮してゴミ問題を提起したのではないという事実は誰でも知っている。 集会の本来の目的である、政府の反労働者的な政策を批判したことにケチをつけるためにゴミ問題を拠論してきた。 また、前のキャンドル集会で、車壁をロープで引くデモ隊を暴徒と規定したのは、 市民の安全ではなく公権力が蹂躙されることを心配したためだった。 保守言論は、公権力を守るためにさらに強圧的で暴力的な行動で出るべきだと警察に注文した。 その結果、警察の放水銃によってペク・ナムギ農民が犠牲になった。

このように平和デモという名前でデモの形態と行為を規定することを「平和フレーム」と呼ぶことができる。 言論が「平和フレーム」でデモを規制しようとする目的は、 市民の安全やデモ参加者を保護するためではないのは明らかだ。

朴槿恵(パク・クネ)大統領退陣を要求するデモ隊が青瓦台に近付けないように防いだのは車壁だ。 この車壁はこの日初めて登場したわけでもない。2008年の米国産牛肉輸入反対キャンドル集会では「明博山城」という名前で呼ばれた車壁だ。 憲法裁判所では車壁が違憲だと判決した。 朴槿恵を守ってデモ隊の意思表現とデモ行進を遮断する目的で車壁という暴力が存在したのであり、市民は抵抗の意味でステッカーを車壁に貼った。

ペク・ナムギ農民の娘、ペク・トラジ氏は 「苦労する義務警察のためにステッカーを剥がした」という人々に対して 「義務警察を相手にするために集会に出て来たのではない。 政府を相手に行ったのだが、われわれは『義務警察の形態』で政府に出会った」と自分のツイッターで話した。

「平和フレーム」と平和デモは区分されなければならない。 また集会・デモの目的と手段も区分しなければならない。 今回の集会の名前は、4次「朴槿恵退陣」汎国民行動だ。 5次汎国民行動は次週末にまた行われる。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2016-11-21 06:34:44 / Last modified on 2016-11-21 06:34:47 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について