世界社会福祉大会「暴力的鎮圧」…国際社会は「連帯」で答えた

障害等級制-扶養義務制廃止...福祉部長官は無視
海外の社会福祉士が応援、外信も驚いた暴力的鎮圧… 「われわれは彼らの話を聞かなければならない」

カン・ヘミン、チェ・ハンビョル記者 2016.06.29 17:12

世界社会福祉大会で、障害等級制-扶養義務制廃止を要求する奇襲デモに対し、国際社会の福祉界は「連帯」で答えた。

6月27日、障害等級制-扶養義務制廃止共同行動(以下、共同行動)は、世界社会福祉大会の開幕式で鄭鎮燁(チョン・ジニョプ)福祉部長官に面談を要求するために奇襲デモを行った。彼らは舞台に上がり、プラカードを広げて、現在福祉部が進めている障害等級制改編案を批判し、韓国の惨めな福祉現実を知らせようとした。だが彼らは警護員により、すぐ無惨に引きずり出された。この過程で障害女性が車椅子から引き離され、手足をつかまれて引きずられて行き、上衣がまくれ上がり胸が全部見えるほどであった。この女性はその後、イベント会場の外に座り込んで泣きながら「どうして人をこのように犬のように引き出すのか」と鬱憤を放った。

こうした暴力的な鎮圧は世界社会福祉大会に参加した外国人に大きな衝撃を与えた。英国の有力日刊紙、ガーディアンは6月27日、この懸案を詳細に報道した。世界社会福祉士連盟のルース・スターク会長は「対話できる環境を作るのは(デモ者と同じように)自分の主張を伝えようとする人だけでなく、われわれの責務でもある」と明らかにした。また、英国の社会福祉講師であり進歩的社会福祉団体のSWANメンバーであるレア・マグラジクは、今回の事案に関心を示して、共同行動側に連帯の意思を連絡してきた。

これについて共同行動、全国障害者差別撤廃連帯(全障連)は、6月28日午後5時、三成洞コエックス3階のオーディトリウムの前で記者会見を行い、障害女性強制鎮圧事態に対して鄭鎮燁保健福祉部長官の謝罪を要求した。前日の事態を見ていた百人ほどの海外世界社会福祉大会の参加者は好奇心を表わしながら、記者会見を見守った。共同行動はあらかじめ準備してきた英語のリーフレットを人々に配り、今回の事案を海外に知らせようとした。

ノドゥル障害者夜学のキム・ミョンハク活動家は「世界的な社会福祉大会で人を無惨に荷物のように持ちあげ、引き出した。これがまさに大韓民国福祉であり人権だ」とし「大韓民国は口だけで福祉国家と騒ぐ。しかし、ここには障害者の人権はない」と叱責した。

英国で社会福祉講師で進歩的社会福祉団体SWANのメンバーであるレア・マグラジク。レアは今回の事態をYouTubeの映像に接し、共同行動側に連絡をしてきた。
今回の事態をYouTubeの映像で見て共同行動側に連絡してきたレアは、この日の記者会見で連帯発言をした。レアは「これは社会で起きてはならないことだ。二度と車椅子に乗った障害者が手足をつかまれていくのを見たくない」とし「この会議は人間の尊厳とヒューマニティを代表しなければならない。われわれは皆さんのためにいる」と強調した。続いて「今回の事態に対し、長官に抗議書簡を送り、謝罪を受け、再発防止対策をたてる」とし「現在、英国でも同じ状況が起きている。われわれはこの状況を黙って見ていないだろう。一番重要なことは、これから共に連帯して進むことだ」と連帯の意向を明らかにした。

全障連常任のパク・キョンソク共同代表は、韓国政府が4年間、障害等級制・扶養義務制廃止に対する約束を守らず、障害者と貧しい人々が絶えず死んでいく残酷な韓国の現実を知らせた。パク代表は、「この国の政府は、自分が約束したことさえ守らずにいる。福祉部長官に対して話そうと何度も要請したが無視された」と明らかにした。パク代表は「障害者と貧しい人を殺さないことが福祉と人間の尊厳の基本だ。われわれは皆さんと共に生きていきたい人間でしかない」とし「4年間叫んでいるが、もう一人にせず一緒に大韓民国政府に話してほしい」と訴えた。

記者会見の後、海外からの参加者が共同行動の活動家に支持を示し挨拶をした。

外信記者も驚いた暴力的鎮圧… 「われわれは彼らの話を聞かなければならない」

このような事態に外信記者も大きな驚きを表わした。ノルウェーの社会福祉雑誌FONTENEの副編集長、ミア・ポールセン(Mia Paulsen)は「開幕式の時に最前列にいた。それでも人々が上がとすぐ引き降ろされたので、何か起きたのか何も分からなかった」とし「出てきて宣伝物を受け取り、どんな内容なのかを知った」と伝えた。

彼は「ノルウェーではこれほどまでしなければならないということは有り得ない。これほどまでデモをするのは生まれて初めて見た」とし「宣伝物を見ると、彼らがこれほどまでしなければならない理由が『切迫』さのためだったということが分かった。ノルウェーの人々にもこうしたことを紹介したくて記事にも書いた」と話した。

ノルウェーの社会福祉士のキャサリン(Katherine)氏は「デモをするために上がってきた人々に、誰でも話せる時間を与えるべきであった。彼らは社会福祉サービスの利用者で、われわれは社会福祉サービスの提供者だ」とし「彼らの話を聞くべき人がまさに私たちだった。ところがそれなのに『世界社会福祉大会』でも彼らの声が黙殺されることに怒りを大いに覚えた」と主催側を批判した。

米国で社会福祉士をしているローレン(Lauren)氏は「それなりに福祉先進国だと考えていたが、韓国でこのようなことがおきたのは信じられない。社会的正義にも符合しない。デモをした人たちの勇気はすごいと考える」とし、共同行動側に応援を伝えた。

一方、このような海外社会福祉士の関心に対し、共同行動は世界社会福祉大会の閉幕式で公式の質疑応答をする機会を持つことにした。

付記
カン・ヘミン、チェ・ハンビョル記者はビーマイナー記者です。この記事はビーマイナーにも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可（仮訳）に従います。

Created byStaff. Created on 2016-07-08 09:03:23 / Last modified on 2016-07-08 09:03:24 Copyright: Default

世界社会福祉大会「暴力的鎮圧」…国際社会は「連帯」で答えた

障害等級制-扶養義務制廃止...福祉部長官は無視海外の社会福祉士が応援、外信も驚いた暴力的鎮圧… 「われわれは彼らの話を聞かなければならない」

外信記者も驚いた暴力的鎮圧… 「われわれは彼らの話を聞かなければならない」

関連記事キーワード

障害等級制-扶養義務制廃止...福祉部長官は無視
海外の社会福祉士が応援、外信も驚いた暴力的鎮圧… 「われわれは彼らの話を聞かなければならない」