本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:クィアーパレード3万人デモ、嫌悪に「愛」で応戦
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1435585141364St...
Status: published
View


クィアーパレード3万人デモ、嫌悪に「愛」で応戦

キリスト教団体約5000人がイベント会場を包囲…「同性愛はいけない」と説教

カル・ホンシク記者 2015.06.29 13:22

▲「同性愛を広報する朴元淳を打倒しろ」というプラカードを持つ保守キリスト教団体会員に、ある参加者が"Love conquers hate(愛が嫌悪に勝つ)"というプラカードを差し出した。

16回クィアー文化フェスティバル・クィアーパレードが無事に終わった。 保守キリスト教団体の数千人がイベントの妨害を試みたが、 市民と外国人約3万人が嫌悪に「愛」で対抗した。

6月28日、ソウル広場で開かれたクィアーパレードの参加者は、 午後5時から約1時間ソウルの中心部をデモ行進した。 デモ行進は乙支路と明洞を経て、小公路を通って市庁に戻る2.6km区間で行われた。 昨年、ソウル市新村付近で行われた2.2kmのデモ行進より0.4km長く、 韓国クィアーパレード歴代最長のデモ行進区間だ。

この日のデモ行進では、トランスジェンダー人権団体チョガッポ準備委員会、 韓国ゲイ人権運動団体チングサイ、行動する性少数者人権連帯(以下、行性人)など、 7台の車両を用意してそれぞれテーマを掲げてデモ行進を先導した。 性少数者ダンスチームが先導する楽しい車両の行列は、ダンスクラブを彷彿させた。 同性結婚を支持する踊りとパフォーマンスを見せたり、保守キリスト教団体の扇の舞いをパロディにするなど、異色の行列が続いた。

▲午後3時から大漢門前で韓国教会同性愛対策委員会が開いた教団連合礼拝。警察推測約4000人の保守キリスト教団体会員がクィアーパレード会場に近い場所にいて、ソウル広場の北側と人権委などの場所にも約1000人の保守キリスト教団体会員がいた。

しかしクィアーパレードに反対する保守キリスト教団体の会員が殺到し、イベントの進行が混乱した。 午前11時からイエス財団、同性愛反対連帯、サルロム宣教会などの保守キリスト教団体会員数百人がクィアーパレード会場のソウル広場を中心として、 市庁駅5番出口、ソウル市庁正門前、国家人権委員会前などに布陣してパレードに反対する応戦集会を行った。

また午後3時には韓国キリスト教総連合会、韓国教会連合など、主要キリスト教団体を主軸とする韓国教会同性愛対策委員会が 「エイズをまき散らす同性愛を助長するな」とし、 大漢門前の道路の一部車線を占拠して教団連合礼拝を行った。 その後、これらの団体からの参加者は次第に増え、デモ行進の開始前には警察推測で約5000人(大漢門約4000人、市庁広場など約1000人)の保守キリスト教団体会員がソウル広場を取り囲む局面になった。

しかし今年のクィアー文化フェスティバルが始まる前から保守キリスト教団体の反対行動は行われており、彼らに対抗するための参加者らも多かった。 今年のクィアーパレード参加者は、性少数者と市民、外国人など約3万人(主催側推測。警察推測約6000人)で、保守キリスト教団体の会員を圧倒した。 組織委によれば、デモ行進の先頭が1km以上進んだ時、 市庁で最後の隊列がデモ行進を始める程、多くの人々がパレードに参加した。

また、今回のパレードには12か国の大使館とヨーロッパ連合代表部が支持の意を送り、 各国から多くの外国人が参加した。 日本の東京レインボープライドと日本初のカミングアウト政治家である石川大我東京都豊島区議会議員がパレード車両の行列を先導した。

東京レインボープライドは行進の前に 「同性愛嫌悪勢力から反対されるパレードには今回初めて参加する」とし 「だから韓国にきて、皆さんと共に行進できて嬉しい」と明らかにした。

▲この日のイベントに参加した東京レインボープライドと石川大我区議員

韓国社会の中でも、労働、障害、女性、宗教など各界各層の団体の参加が続いた。 プロテスタント、カトリック、仏教、円仏教など、4大宗教団体をはじめとする115の汎宗教・市民社会団体会員は、 宗教の正しい意味の愛と平等を実践するとし、 クィアーパレードでは虹のロープを互いに縛って歩く 「平和の人間の帯」活動を行った。

行性人は、民主労総、全国障害者差別撤廃連帯など25の市民社会団体と連帯する抵抗と連帯のデモ行進団を作り、行列のしんがりを引き受けた。 デモ行進団は6月27日の声明書で 「ソウル広場にさらに多くの人々が集まり、一緒に行進して、 歴史の中に消えていくべき差別と少数者嫌悪の暴力を韓国社会は容認しないということを見せよう」とし、 大々的な参加を約束した。

こうして集まったクィアーパレードの参加者らがソウル広場から道路に出ると、 予想通り保守キリスト教団体の会員がデモ行進を妨害しようとした。 ある保守キリスト教団体の会員が道路に横たわり、 物理的にデモ行進を阻止しようとしたが、警察に引き出された。

デモ・コースのあちこちでは、保守キリスト教団体の会員らが同性愛反対のプラカードを持ったり、 「同性愛は治せる病気」、「同性愛をすれば地獄に行く」などとパレード参加者を対象に説教し、パレード参加者を刺激した。 それでもパレードの参加者らは彼らにヤジも非難も送らなかった。 むしろ、パレード参加者は虹の旗やプラカードを持って保守キリスト教団体会員に歓声をあげたりした。 「お前たちは嫌悪するが、われわれは愛する」というのが参加者の理由だった。

行進の後、組織委は閉幕イベントで 「われわれは、嫌悪に勝ち抜いてパレードを開催した。 われわれは、市民としてこの社会に生きており、今後も生きていくことを今日のパレードで見せた」とし 「われわれは嫌悪と差別に対抗し、愛で抵抗する。 これをクィアーの革命と呼びたい」と明らかにした。

▲ソウル都心を行進するクィアーパレード参加者ら.

▲クィアーパレードで先頭の車両行列を担当したトランスジェンダー人権団体チョガッポ準備委員会がダンス公演をした。

▲男性ダンスチーム「スパイク」が同性結婚合法化パフォーマンスでウェディングドレスを着て踊る姿.

▲性少数者ダンスチーム'28'の公演を見て参加者が歓呼している。

▲この日参加した障害者団体の活動家らが保守キリスト教団体の扇の舞いをパロディにして、虹色のうちわを持って行進する姿.

▲保守キリスト教団体の会員らが左側の道端に「男+男結婚とはどういうことか」と書かれた横断幕を持ち、参加者らが「君と私のハナ金は違わない。Stop homophobia. No HIV/AIDS Stigma(同性愛嫌悪を止めろ。HIV/AIDS感染者に烙印を押すな)"という横断幕を持って行進した。

▲民主労総の活動家らが「労働者もプライドのあるクィアーパレードに連帯します」という横断幕を持って走る姿.

▲パレード参加者が韓国銀行の前を通る。

付記
カル・ホンシク記者はビーマイナーの記者です。この記事はビーマイナーにも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2015-06-29 22:39:01 / Last modified on 2015-06-29 22:39:01 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について