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コルテック8年の戦い、整理解雇の自由を開いた大法院が「政治判決」

解雇者敗訴宣告...「解雇不当」鑑定報告書、結局ひっくり返す

チョン・ジェウン記者 2014.06.12 19:32

大法院が楽器製造業者の(株)コルテックの大規模整理解雇は不当だとし、 8年間戦っている労働者に結局、敗訴を宣告した。

大法院1部(主審コ・ヨンハン大法官、キム・チャンソク、チョ・ヒデ、ヤン・チャンス大法官)は6月12日午前10時、 (株)コルテック大田工場で働き、整理解雇されたヤン某(51)氏など24人が会社を相手に出した解雇無効確認訴訟上告を棄却した。

全国金属労組と法曹界は、 大法院がコルテック大田工場で行われた整理解雇について、 緊迫した経営上の理由で解雇したものとは見られないという専門会計士の鑑定報告書をひっくり返したとし、 「政治判決」だと批判した。 また今回の判決で、緊迫した経営上の理由による整理解雇はできないという解雇制限の法理が「紙切れ」になったとし、憂慮を隠すことができなかった。

コルテックコルト・ギター労働者たちは何と8年間の闘争と法廷攻防の末に 「とんでもない判決が出た」とし「怒りに耐えない」と明らかにした。

[出処:メディア忠清]

大規模な黒字記録したが労組ができたので工場閉鎖、大規模解雇
一進一退の裁判所...「コルテック整理解雇不当」鑑定報告書反映せず

コルテック大田工場の労働者たちは2006年に労組を作ると、 会社は生産物量を中国、インドネシアなどに移転した。 会社は同時に2007年7月に大田工場を閉鎖して労働者全員を解雇した。

当時、会社は2000年から2006年まで毎年66億から117億(7年間合計635億ウォン、平均90.7億ウォン)の当期純利益を記録するなど、大規模な黒字を記録し続けていた。

労組によれば、2006年の会社の負債比率は同年同種業種平均負債比率の168.4%と比べ、30.48%と非常に低かった。 コルテック会社の資本は大規模に蓄積されており、 2001年には342億ウォンだったが2006年には625億ウォンに増加した。

こうした状況でソウル高等法院は、 会社の整理解雇は正当性の要件である「緊迫した経営上の必要性」が認められないとし、 2009年11月に「不当解雇」と判決した。 しかし大法院はこの判決を2年以上先送りして審理不十分を理由として2012年2月に原審判決を破棄し、ソウル高裁に事件を差し戻した。

そのため、破棄差戻し審理の裁判所は大法院が追加の審理が必要だという点を反映し、 裁判所の指定した会計士を鑑定人に選任して鑑定を実施した。

2013年8月の鑑定報告書によれば、会社の整理解雇は不当だった。 大田工場をコルテック会社とは別の独立した事業部門または組織と見なすには無理があり、 コルテックの財務構造は堅実でギター事業の収益性が良好であり、 大田工場の営業損失状況が経営上の緊迫した事由に該当すると見られないからだ。

[出処:メディア忠清]

しかしソウル高裁民事1部が今年の1月10日、鑑定報告書の内容を逆転し、 会社の整理解雇は正当だったと判決したことで 「整理解雇判例を後退させた資本に屈服する判決」と批判された。

やはりこの判決を不服として解雇者が上告した事件についても、 大法院は6月12日に棄却を宣告して会社の主張を認めた。

セナル法律事務所のキム・チャゴン弁護士は 「今日の大法院の宣告は、一言で資本の要求全的に受け入れた資本に屈服した政治判決」とし 「2700日以上、不当整理解雇に対抗して絶叫した労働者たちの声を大法院が踏みにじった」と強く批判した。

キム・チャゴン弁護士は続いて 「大法院はまた、整理解雇が不当だという鑑定報告書をひっくり返したが、 大田工場は経営上の緊迫した事由に当たるとは言えない」とし 「裁判所は100年前に確立した解雇制限の法理を自ら押し倒した」と主張した。

「未来」の経営上の危機? 恣意的解釈が企業の解雇の自由を開く
「資本と権力ための自由・平等・正義...社会正義を破壊」

全国金属労組コルテック・コルト支会などは6月12日午前11時に大法院の前で記者会見を行い 「政治判決で労働弾圧に乗り出した大法院を糾弾する」と声を高めた。

コルテック支会のイ・イングン支会長は 「残念で、怒りを禁じえない」とし 「大法院は自由、平等、正義の象徴だという」とし 「しかし今日の判決で、自由と平等、正義は労働者や庶民のためではなく、 資本の搾取のための自由、資本と権力の平等、資本と権力のための正義だという事実があらわれた」と話した。

また「大法院はまだ見ぬ未来の経営上の危機を理由として企業が労働者を整理解雇する道を広く開いた」とし 「裁判所の抽象的かつ恣意的な解釈が勤労基準法を無力化した」と主張した。 続いて「資本が利益追求のために労働者を解雇することを裁判所が正当化した」とし 「この判決は、大韓民国を整理解雇に追い込むだろう」と憂慮した。

イ・イングン支会長はさらに「裁判所の今回の判決は容認できない」とし 「決して挫折したり絶望することなく、闘争を続ける。 朴栄浩(パク・ヨンホ)社長、コルテックコルト資本と正面から闘う」と明らかにした。

▲大法院宣告以後記者会見中ずっとイ・イングン コルテック支会長の表情が暗い。[出処:メディア忠清]

キリュン電子支会のキム・ソヨン組合員は 「頭を垂れて大法院から出るコルテックコルト労働者を見て、胸が痛んだ」と話し始め 「正規職、非正規職を問わず、企業がいつでもその気になれば労働者を自由に解雇する道を大法院が開いた」と話した。

キム・ソヨン組合員は「今日、大法院は労働者の資本の奴隷として生きていけと決めた」とし 「今こそわれわれは奴隷として生きることを拒否し、人として尊重されながら暮らすために、最後まで最善を尽くして闘争する」と強調した。

大法官を批判する発言も続いた。 双竜車支部のムン・ギジュ整備支会長は 「今日、コルテック事件を宣告した主審のコ・ヨンハン大法官は、 2009年に双竜車会計操作で不当に大規模整理解雇が強行した事件についても会社の主張を認めた」とし 「双竜車事態の聴聞会でコ・ヨンハン大法官が 『労働者の声に耳を傾けられず申し訳ない』と言いながら、 今日また労働者の絶叫を捨てた」と批判した。

コルト・コルテック・ギター労働者と共にする共同行動のキム・ランヒ活動家は 「裁判所は弱者である労働者が奈落に落ちることから保護し、 労働者の権利を高めるために力を入れなければならない。 これがまさに社会正義だ」とし 「だが裁判所は社会正義と常識を踏みにじった」と批判した。

一方、コルトコルテック・ギター労働者たちとコルトコルテック共同行動などは、 仁川のコルト工場座り込み、毎週木曜のコルテック本社前集会、 毎月最後週の水曜文化祭、毎月隔週の流浪文化祭などの闘争日程を続けていく計画だ。

付記
チョン・ジェウン記者はメディア忠清の記者です。この記事はメディア忠清にも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-06-12 22:52:39 / Last modified on 2014-06-12 22:52:40 Copyright: Default

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