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双竜車に謝罪した鄭夢準、現代重社内下請3万人の苦痛は?

[寄稿] 2月14日、パク・イルス烈士10周年…大企業労組委員長のすさまじい反省文

パク・ジョンギュ(非正規職ない世の中作り執行委員) 2014.02.14 11:14

セヌリ党の鄭夢準(チョン・モンジュン)議員が2月12日、 「2600人の勤労者が雇用を失い、24人が命を失った双竜車事態で、勤労者と家族が味わった苦痛に深い慰労の言葉を申し上げる」とし、 「執権与党のセヌリ党が役割を果たせなかったことに心から謝罪を申し上げる」と話した。

続いて彼は「セヌリ党は大統領選挙の前には双竜車の国政調査をすると約束したが、これを守れなかったことについて国民に謝罪しなければならない」とし、 国政調査の実施と会計操作をした会計法人と金融監督院に対する処罰も要求した。

1兆7千億ウォンの財産を持つ国内最上位級の金持ちである彼が、ソウル市長のセヌリ党の候補競選の前に労働者と庶民の暮らしを心配してみせる選挙用の発言をしたのではないかという指摘に対し、チョン議員側は昨年から何度も党会議でした話だと明らかにした。

彼の言葉が選挙用ではなく本心なのであれば、双竜車のように彼が最大の株主である現代重工業で 「雇用を失って、命を失った勤労者と家族」 の問題を解決するために努力してほしい。

鄭夢準、雇用を失い命を失った勤労者に謝罪する?

いつからか恋人たちの愛の日になった2月14日のバレンタインデー、京畿道教育庁はこの日を安重根烈士の死刑宣告日として記憶しようというキャンペーンを繰り広げている。 社内下請非正規職労働者にとって、この日は甘いチョコレートの記憶ではなく、苦い死を記憶する日だ。

今からちょうど10年前の2月14日、現代重工業社内下請労働者パク・イルスは、船舶建造場で自分のからだに油を浴び、焼身自殺した。 彼は「下請け労働者も人間だ。人間らしく生きたい。 最初から、貴族労働者、下請労働者として生まれたのではない。 私のからだを燃やして下請の非正規職労働者が劣悪な環境の中に搾取される構造が改善されるように願う」という遺書を残した。

1998年の救済金融事態を口実として整理解雇と派遣法が導入され、造船所と自動車を中心とする製造業生産現場には、正規職労働者の代わりに社内下請労働者が入り始めた。 社内下請労働者は幾何級数的に増え、造船所では次第に正規職よりも非正規職の方が多くなった。

2000年、現代尾浦造船社内下請業者で働き、2002年3月に現代重工業社内下請インター企業に入り働いていたパク・イルス烈士は、 ハンマウム会という会で活動しながら下請労働者を組織して、同僚職員の有給休暇と退職金などの賃金未払いについて陳情書を提出する活動をしてきた。

すると現代重工業は、2013年12月に解雇通知書も送らずパク・イルス烈士のすべての電算資料を抹消して強制解雇した。 現場に戻ることは困難と判断したパク・イルス烈士は、2004年2月14日の明け方に焼身するに至った。

だが御用労組だった当時の現代重工業労組執行部はパク・イルス烈士の正義の死を認めず、労組の幹部は葬儀場を叩き壊す事件まで起こし、民主労総金属産業連盟から除名されるに至った。

パク・イルス烈士の正義の死の後に、全国各地で非正規職社内下請労働者が労組を結成し、正規職転換を要求して戦い始めた。 現代重工業、現代自動車、現代ハイスコ、キリュン電子、GM大宇、起亜自動車などの製造業を中心として、社内下請労働運動が無気力な正規職労組運動の代わりになり始めた。

それから10年、現代重工業の社内下請労働者たちは、 2月14日になると甘いチョコレートの箱を持った恋人たちが街を闊歩している時、 悲しいパク・イルス烈士の追慕祭を準備し、10年を迎えることになった。

2月14日、甘い恋人の日ではなく悲しい追慕の日

韓国造船海洋プラント協会の「2013造船資料集」によれば、 鄭夢準議員が実際の主人である現代重工業で働く生産職労働者の社内下請の割合は66%を越える。 船と海洋プラント労働者の2/3が正規職ではなく社内下請労働者だ。

船を作る労働者の69%が社内下請労働者で、石油とガスを抽出する次世代事業と呼ばれる海洋プラントで働く労働者の何と83%が社内下請労働者だ。 結局、現代重工業が作る雇用はすべて非正規職社内下請だ。

この資料集によれば、2010年には造船部門社内下請労働者は1万762人、海洋部門は5990人だ。 2年間で造船と海洋の分野で労働者は8500人増えたが、すべて社内下請労働者だった。

現代重工業の生産現場が正規職労働者ではなく非正規職社内下請労働者で埋められ、下請労働者の労災死亡が急増した。 昨年、労働部蔚山支庁が現代重工業社内下請支会が告発した労災隠しの疑いに関して受付けられた40件を調べた結果、19件が労災隠しであることが確認された。

現代重工業の災害率は0.66で、造船業平均災害率の0.69より多少低いが、 下請企業の災害率を考慮した換算災害率は0.95で、 上位1000の建設業者換算災害率0.43の2倍以上だった。 現代重工業では昨年だけで3人の労働者が墜落、狭窄、作業車両による交通事故などで命を落とした。

財産の97%が現代重工業の株式で、株式配当金として今年だけで154億ウォンを受け取る鄭夢準議員が双竜車労働者と家族に謝罪したように、 雇用を失い、命を失った現代重工業社内下請労働者と家族に謝罪する姿を見ることはできないのだろうか?

鄭夢準が命を落とした現代重工業非正規職に謝罪できないのか?

「まずパク・イルス烈士の霊前に現代重労組委員長の名でひざまずき、謝罪します。 パク・イルス烈士が2004年2月に焼身自決した後、現代重工業労働組合は烈士が残した崇高な叫びを歪曲しました。 烈士が自分の身を燃やして抵抗した烈士の精神を継承するどころか、引き降ろすことに汲々としました」。

「烈士の精神を歪曲した行為はどんな弁解をしても許されない行為です。 パク・イルス烈士がからだを燃やして亡くなってから10年が経ちました。 遅くなりましたが現代重工業労働組合と労働者たちは、今から烈士精神を継承して、民主労組の発展のために献身します」。

現代重工業労組チョン・ビョンモ委員長が2月12日に発表した反省文だ。 昨年10月、御用労組12年の鎖を断ち切って当選した民主労組委員長は、社内下請労働者にひざまずいて謝罪し、 「非正規職として働く労働者たちの権益保護と処遇改善のために、下請け支会と額を突き合わせて解いていきたい」と覚悟を明らかにした。

2014年2月14日午後12時30分、パク・イルス烈士が亡くなってから10年目に初めて正規職労組と非正規職労組が共に焼身場所の4・5ドックの門で追慕祭を行う。 続いて午後6時からは蔚山の労働者、全国の非正規職労働者が現代重工業の正門で 「パク・イルス烈士追慕および精神継承決意大会」を開き、彼の意を賛える。

パク・イルス烈士は亡くなる前の2003年7月22日、工場に配った宣伝物で、現代重工業正規職労組に 「直営労働者の祭りに下請労働者の死と血と汗がどれほど犠牲になったかを知っているのか?」とし 「労働者は一つだという真実を無視し、堕落している現代重労働組合を見て、下請労働者の剥奪感、鬱憤、怒りを知らなければならない」と書いた。

パク・イルス烈士が大企業正規職労組の委員長が非正規職労働者にひざまずいて送った痛烈な反省文を読んで、やっと安らかに目をとじられるのだろうか?

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-02-17 10:46:38 / Last modified on 2014-02-17 10:46:38 Copyright: Default

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