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アカの烙印、「殺して北朝鮮に送れ」

いわゆる「内乱陰謀事件」の被害者、押収捜索と調査などで人権侵害頻繁

ユン・ジヨン記者 2014.02.12 18:03

いわゆる「内乱陰謀」事件で拘束された社会動向研究所のチョ・ヤンウォン代表の妻、オム・ギョンヒ氏には、「アカの家族」という緋文字が付いて回る。昨年8月28日以後、オム・ギョンヒ氏はずっと国家情報院と保守団体、言論からのイジメと隣人からの村八分に苦しんできた。

人権侵害も続いた。 押収捜索の時から報道機関の競争的な取材、検察の捜査の過程などで被害者と家族の人権は無視された。 まだ裁判中の事件だが、真実の有無は重要ではなかった。 国家情報院発の「内乱陰謀」情報は、真実であるかのように広がり、世論は彼らに「アカ」の罪目を確定した。

「アカ」という烙印

2月12日午後1時、征東フランチスコ会館では、人権団体連席会議などの主催で「誰も私たち声を聞かなかった:いわゆる内乱陰謀事件の被害者人権侵害報告会」が開かれた。 この席に参加した拘束者の家族と押収捜索の当事者たちは涙を流し続け、当時の状況を思い出した。

オム・ギョンヒ氏はこれまで昼も夜も国家情報院職員の査察に苦しめられてきた。 裁判では容赦なく顔が公開され、イルベにもオム氏の写真が流された。 保守団体の身体的、言語的な暴力にも苦しんだ。 人々の監視と後ろ指が続き、今ではオム氏が自分を監視する習慣までできた。

「私の家に押収捜索が入る約一か月前から子供部屋の窓でずっとカメラのフラッシュが光っていました。 国家情報院の職員が前の家と隣りなど、四方から撮影をして査察をしました。 国家情報院の職員は家をのぞき込み、私と目があうとこっそり逃げました。 とても恐ろしくてCCTVを設置しました。 私を監視するためでした。 夫が令状実質審査を受けた日、国家情報院の職員と思われる女性たちが私の写真を撮りました。 撮らないでくれと言うと「どこかで妻を詐称して歩いているのではないか」として採証を続けました。 その写真はイルベに書き込まれましたし。 「殺せ」、「北朝鮮に送れ」というコメントが付きました。

裁判が終ろうとすると、脱北者団体が拘束者家族と傍聴者に「この小娘ども、お前たちも人を殺したのか?」と言いました。 保守団体は私たちを取り囲んで殴ったり「殺せ」と罵声を浴びせました。 われわれは社会から隔離される患者のような人々でした。 今でも喫茶店に行くと、横に男女のカップルしかいなくても国家情報院の職員が監視しているようです。 朝も家の前を何度も振り返って、我が家がどう見えるのかと言いながら私を監視する習慣もできました」。

内乱陰謀事件で拘束された統合進歩党京畿道党のキム・グンネ副委員長の妻、ハニョン氏の家にも国家情報院職員が押しかけた。 昨年8月28日朝、「次男の事できた」という言葉だけを聞いて扉を開けたのが悪夢の始まりだった。 夫の合法的な北朝鮮訪問をマスコミは「密入国」と歪め、三人の子供たちはお父さんの長い不在を味わった。

「昨年8月28日朝6時30分頃、ベルの音がしました。 近くの警察署から来たと言って、二番目の子供の名前を出して子供のこときたといいました。 ドアをあけると10人以上の男たちが立っていました。 子供のことで来たわけではないようで、身なりも整えていない状態だったので『服を着替えてくる』とまた扉を閉じようとしました。 しかし彼らはドアをあけて押してきました。

その次は、部屋をすみずみまで捜索して、一番上の子供がお小遣を貯めて買ったおもちゃの銃を見て『本物ではありませんか?』と尋ねました。 子供が小学校の修練会で記念品として買ってきた銀の刀を見て『何の用途か』と尋ねたりもしました。 お父さんが前に『青年文化遺跡踏査』等で北朝鮮訪問をしたことがあります。 合法的に行ったことで、当時、安全企画部職員も同行して、その職員が写した写真もあります。 国家情報院の職員らは安全企画部の職員が撮った写真以外、すべて押収して行きました。 その後、マスコミではお父さんが『密入国をしていた』という報道が出て行きました」。

民主労総のイ・ヨンチュン高揚坡州支部長は昨年8月28日の押収捜索以後、隣から「イジメ」を受けた。 警察はイ氏のアパートに100人以上の兵力を配置して住民の通行を遮り、マスコミを同行した国家情報院は押収捜索過程を誇大包装した。

「8月28日に押収捜索をして1か月後、2次押収捜索がありました。 警察はアパートに100余人の兵力を配置して、幼稚園通学車両の通行まで妨害しました。 アパートの住民は恐くて子供たちを幼稚園に行かせませんでした。 1次押収捜索の一時間後、まだどんなマスコミにも押収捜索が報道されていない時点で、TV朝鮮の取材陣が取材をはじめました。 その日から、町の人々はドアをあけて私と目があうとまた扉を閉めて入ります。 アパートで会うのを嫌って遠回りもしました。

2次押収捜索の時、国家情報院は200人程度の取材陣を同行しました。 六人の国家情報院職員が押収捜索ボックス三箱を両側に抱えて出て行きました。 しかし、その箱にはせいぜい10ページの手帳のメッセージが入っていました。 写真を撮らせるためにそうしたのでしょう。

地域警察署長は会社の社長に電話して「イ・ヨンチュンという者が会社にいたのに、なぜ報告しなかったのか」と言ったそうです。 おじけづいた社長が私に「昔はアカを石で打ち殺した。 事実であることが明らかになれば、私たちもどうしようもない」と話しました。 アパートの管理者にも「イ・ヨンチュンという者が住んでいるのか」という連絡が続いています。 保守団体は事務室の前で集会をしたり脅迫電話をします。 マスコミには無罪推定の原則などありません。 取材陣は実名と顔をそのまま報道します。」

捜査の過程での人権侵害も続いた。 国家情報院はイ氏の夫婦関係まで思想的な検証をしようとして、懐柔を続けた。 だが何よりも彼を疲れさせたのは、進歩陣営の人々の反応だった。

「国家情報院の調査の過程では、私が暮らしてきたすべてがRO事件とつなげられました。 国家情報院の職員らは私に『婦人と結婚したのも革命を起こすためではないか』、 『夫婦関係で主体思想を学習させたか』等の質問をしました。 また『君がしていないのは知っている。 キム・ホンヨルがしたと言え』と懐柔したりもしましたし。

だが何よりもつらかったのは、声明書一つ採択されないことでした。 上級団体の民主労総京畿本部などに連絡して声明書を採択しようとしましたが、 『操作された内乱陰謀事件』という文句は書けないと言われました。 修正して『いわゆる内乱陰謀事件』と表記しようとしたのですが、野4党ではその文句が入れば一緒にできないといいました。 ある市民社会団体の執行委員長は『国家情報院が何の根拠もなく発表したのか。 何かがあるからしたのだろう』と話したりもしました。」

いわゆる「内乱陰謀事件」の被害者たち、押収捜索と調査などで人権侵害頻繁

いわゆる「内乱陰謀」事件が発生した後、人権団体連席会議とタサン人権センターなどの人権団体は、昨年末から人権侵害報告会準備チームを運営してきた。 これらの団体は、拘束者の家族と押収捜索の当事者、5月の情勢講演会の参席者などの被害者にインタビューを行い、2月12日に報告書を発行した。

人権団体は報告書で、内乱陰謀事件に関する押収捜索、検察や国家情報院の調査、言論等を通じて被害者への広範囲な人権侵害が発生したと指摘した。 人権団体連席会議のランヒ活動家は「憲法と刑事訴訟法の権利が保障されない押収捜索が恐怖感と威圧の中で進められ、人格権と無罪推定の原則が壊された」と声を高めた。

実際に、ほとんどすべての押収捜索が「車をどけてくれ」、「隣が水が漏れると言っている」という虚偽の告知で始まっており、弁護人や家族に連絡を取るのも難しいなど、被害者らの孤立状況が続いた。 令状の範囲を越えたり公訴事実とは無関係な物品の押収捜索も続いたが、被害者の傍聴権は無力化された

またランヒ活動家は「調査の過程でも思想検閲と自白誘導などが続き、良心の自由と思想の自由が侵害され、SNSのささいな記録まで利敵思想の証拠だと言い、私生活や個人の情報を侵害した。 日常的に私生活を監視したり、調査の過程で突然医師と看護師が押しかけて、身体の自由を侵害することもあった」と強調した。

報道機関と社会的排除による人権侵害も発生した。 ランヒ活動家は「被害者らは取材の拒否権も認められず、言論は『町を侮辱する』方式の無差別な私生活侵害を起こした」とし 「また事件発生の初期からマスコミは被疑者の人権保護のための大原則である無罪推定の原則を無視し、基本的な事実も確認せず、虚偽、歪曲報道が続いた」と説明した。

一方、押収捜索以後、被害者らは深刻なトラウマにも苦しんでいる。 人権団体は「トラウマは特に、査察、盗監聴、監視への緊張と恐れによる持続的な自己検閲、過度に痕跡を消したり、不眠症、突然な健康悪化として現れた」とし 「特に押収捜索対象者の家族は、その後の生活で不安と萎縮を訴えるケースが多い」と説明した。

イ・サンユン職業環境医学専門医は「政治的な対立による精神健康の問題は、外傷後ストレス障害(PTSD)、不安障害、新滞貨障害、憂鬱障害などとして現れ、このうち外傷後ストレス障害、不安障害が特に目立つ」とし 「いわゆる『進歩党内乱陰謀事件』による被害に対する精神健康実態調査と細心な治癒プログラムが必要だ」と助言した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-02-13 11:27:54 / Last modified on 2014-12-24 19:09:09 Copyright: Default

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