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密陽住民、「故人の死を歪曲するな」

密陽市、市庁前の市民焼香所設置不許可... 住民は野宿で焼香所を守る

チョン・ヒョンジン記者 2013.12.11 17:38

12月2日に密陽送電塔建設に反対して除草剤を飲み自殺を試みた故ユ・ハンスク氏が6日未明に死亡した。3日間の葬儀を行った後、遺族と密陽765kV送電塔反対対策委員会、送電塔経由地4面の住民代表などで構成された葬儀委員会は、8日から市民焼香所を設置することを決めた。現在、市民焼香所は密陽ヨンナムル入口の路上に設置されている。

当初、葬儀委員会は市民焼香所を密陽市庁の前に設置することにしたが密陽市 は住民の苦情と交通混雑を理由に焼香所設置不可の立場を明らかにし、市庁前 はもちろん、密陽駅、韓電密陽支社前などを警察を動員して防いだ。最後に、 ヨンナムル入口に焼香所を設置する過程で警察はテント設置を阻止し、住民に 暴力を行使、抗議した住民5人が失神、負傷などで病院に運ばれた。

[出処:いまここ]

▲密陽ヨンナムル入口の焼香所。8日昼、警察の侵奪があり、なんとかビニールテントと敷物を持ち込めた。住民が焼香所の前で野宿をして昼夜焼香所を守っている。[出処:いまここチョン・ヒョンジン記者]

住民たちは「そもそも市庁や韓電支社前を許可してくれたら、苦情と交通混雑 はなかった。現在も交通混雑は焼香所ではなく、警官がいるから発生する」と 反発した。現在ヨンナムル前の焼香所は撤去を防ぐため住民20〜30人が徹夜で 守っており、遺族代表が弔問客をむかえている。

遺族は故人が死亡直前まで送電塔建設を絶対防ぐという意向を明らかにしたこ とにより、故人の遺志を敬って送電塔建設事業が中断されるまで葬儀を延期す るという立場だ。

市庁が不許可の立場を取り、衝突が予想されているので葬儀委員会は国家人権 委員会に追慕の権利剥奪、人権侵害などについての緊急救済申請をした。国家 人権委員会は12月10日、調査官2人を派遣して現場調査を行い、その結果により 葬儀委員会と市庁間の仲裁を行った。その後、市庁は焼香所の位置をヨンナム ル前の橋の下の駐車場に決め、また2〜3日の期限を求めて通知した。葬儀委員会 は、四十九日まで焼香所を維持する予定だ。

「故人の死を歪曲するな」
警察、ユ氏の死亡は「さまざまな複合的な原因」のためと発表

「私は28年間一生懸命豚を育てて働き、子供に勉強もさせ結婚もさせた。だが 11月頃に韓電の課長1人と別の1人がやってきて、送電線路から(家と畜舎が)ど れほど離れているのか知った。鉄塔ができると何もできない。生きてそれを見 るより死ぬ方がましだと考えた。それで送電塔のために農薬を飲んだ」(故 ユ・ハンスク氏がキム・ジュナン神父とクァク・ピンナ幹事に伝えた言葉)。

ユ・ハンスク氏の遺族は、故人の死は明らかに送電塔建設のためで、故人の 遺志により送電塔建設中断のために共に戦うと明らかにした。また警察が故人の 死亡の理由を送電塔のためではなく「複合的な個人的理由」と発表したことに 強く抗議した。

密陽警察署は12月7日にユ・ハンスク氏の死亡原因を発表するにあたり、「服毒 の原因については、遺族の陳述などから考えて様々な複合的な原因があったものと 推定される。最初、服毒現場にいた家族は『故人から送電塔のために死ぬと言った ことを聞いた事実はない』と述べた」と明らかにした。

警察は服毒の理由として、焼酎3本ほどの飲酒、豚価格の下落と畜舎処分の問題 などが複合的に作用したとして、「故人の死が地域社会の安定を阻害する手段 にされないことを望む」と説明した。

▲10日、三門洞の住民が住民代表と会うため焼香所を訪問した。彼らは「なぜ外部勢力が介入するのか。市民に責任を転嫁せず、静かな場所で追慕しろ」とし、営業妨害を理由に焼香所を移動するよう要求した。[出処:いまここチョン・ヒョンジン記者]

遺族、警察発表に反論…「父の遺志の通り、送電塔反対戦いに共にする」

これに対して12月8日に反論記者会見を行ったユ・ハンスク氏の長男は「警察が 父の死を送電塔とは無関係だと発表したのは、イ・チウさんの時と違い、工事 を中断する意思がないことの表明」だと批判した。

彼は「もちろん遺書もなく、事前に送電塔のために死ぬという話を聞いたこと はない。しかしそれが送電塔と無関係だという理由にはならない」として、 「周辺の情況、亡くなる前に隣人とした対話、何よりも遺言から考えて、 送電塔問題でずいぶん悩み、死を選んだ決定的な理由なのは明らかだ」と話した。

ユ氏は警察が発表した死亡の原因に細かく反論した。彼は「焼酎を3本ほど飲酒 したというが当日飲んだとは思えず、健康にも問題はなかった。家庭の不和、 豚価格の暴落や債務についても全くあたらない」とし「父は初動捜査の時にき た警察にも『765(送電塔)のために生きた気がしない』と話し、また直接対策委 の人と会いたいと求め、キム・ジュナン神父などにも送電塔のために農薬を飲 んだと話した」と説明した。

彼は今後の対応について「警察は遺族に気持ちの余裕がない状況で個別の質問 に答えたことをつぎはぎした。われわれはそれに怒っており、遺族次元でなく 対策委と共に対応すべき問題だと判断した」とし「父の遺志を受け継ぐ。 送電塔問題を解決する」と話した。

▲焼香する遺族。ユ・ハンスク氏の長男は「私の罪が大きい。最初から私が動いていれば……」といいながら残念さに言葉を途切らせた。[出処:いまここチョン・ヒョンジン記者]

ユ・ハンスク氏の死が送電塔と無関係ではないことを証明する人は他にもいる。 服毒当日、ユ氏が会った隣人だ。ヨス村のある住民は「その日、私の所に来て、 送電塔ができればもう豚を育てられず、補償も受けられないという悩みを打ち 明けた。死ぬ半月前からそれでとても傷心していた」と話した。

彼は「故人は送電塔反対活動に積極的ではなかったが、物心両面で対策委を 支援してきた」とし「公職にもあった人で、国がすることは止められないと 考えていたようだ。自分には何もできない、防げないと思い、とても苦しんだ」 と伝えた。

住民たち「哀悼する住民に暴力を行使するとは」と怒り
キム・ジュナン神父「人生を否定された者の最後の選択…明白な社会的殺人だ」

ユ・ハンスク氏の死で密陽の住民たちはとても激昂している。野宿で焼香所を 守りながら、最後まで退かないという立場だ。

府北面ピョンバ村の住民、チャン・ジェブン氏は「故人の話を聞いて、来る ものがきたという気がした。住民たちの気持ちはその人と全く同じだ」とし 「最後まで戦う。この死を無駄してはならない」と話した。

別の住民は焼香所の設置まで阻止していることを強く批判した。彼は「警察が テントを壊し、焼香所まで防いでいる。こんな悪辣な行政がどこにあるか」と し「国策事業は国民のためのことなのに、反対する住民が二人も死んだ。それ なら当然再考するべきだ。頼むから民心を考えてほしい」と訴えた。

8日に焼香所設置を防ぐ警察に抗議して怪我をしたハン・オクスン氏は「私たち が犯罪者か。人が死んだから哀悼するというのに暴力を行使する。私たち住民 すべてが死ねというのか」とし「一歩も退けない。このまま死んでも、二人の お年寄りの意に従ってここを守る」と話した。

▲焼香所を守る住民と密陽765kV送電塔反対対策委員会のイ・ギェサム事務局長[出処:いまここ チョン・ヒョンジン記者]

キム・ジュナン神父(密陽765kV送電塔反対対策委員会共同代表)はユ・ハンスク 氏の死が「社会的殺人」だと強調した。キム神父は「イ・チウお年寄りが亡く なった時、『焼身対策委』を作った。そのような死があってはならないという 意志だった」と残念がり、「ユ・ハンスクお年寄りは韓電側の無責任な通知で 一生をなくした。その人の家と畜舎に宿る生活の歴史と価値を否定され、最後 の窮地に追い込まれた」と話した。

キム神父は「政府と韓電がユ・ハンスクお年寄りの一生を切り捨てた。それで 選択せざるを得ない死だった。これは自殺ではなく、明白な社会的殺人」と話 した。

現在、対策委と遺族は政府と韓電側に今すぐ送電塔工事を中断して住民たちが 要請した代案を検討することを要求し、これを受け入れるまでユ・ハンスク氏 の葬儀を無期限延期すると明らかにした。対策委は11日午後7時、密陽ヨンナム ル前で最初の追慕祭を開く。また密陽送電塔全国対策委員会は12日午前11時、 ソウル広場で記者会見を行い、集中追慕週間を宣言して、ここに市民焼香所を 設置する予定だ。(記事提携=カトリックニュースいまここ)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


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