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法学界、統合進歩党の政党解散に否定的…法理的な争点は?

「綱領だけで解散は困難...政党活動停止仮処分も要件を満たさない」

ユン・ジヨン記者 2013.11.07 13:37

政府が憲政史上初めて、憲法裁判所に統合進歩党解散審判請求案を提出したことをめぐり、法学界が激しい法理論争を続けている。

まず法学界は、統合進歩党の綱領が民主的な基本秩序に反しているという政府 の主張には無理があるという雰囲気だ。各種の政党活動停止仮処分申請を提起 したことも、緊急な必要性は認められないとし、難色を示している。

ただし李石基(イ・ソッキ)議員の内乱陰謀疑惑事件が統合進歩党の解散理由に なるかどうか、政党解散時に議員の資格停止に関しては若干立場の差がある。

[出処:チャムセサン資料写真]

「綱領だけで民主的基本秩序に反する? 同意は困難」
政党活動政治仮処分も「緊急な必要性」の要件を満たさず

民主弁護士会のイ・ジェファ司法委副委員長(弁護士)は11月7日、MBCラジオの 「シン・ドンホの視線集中」とのインタビューで「(法務部は統合進歩党の綱領 で)民衆が主人になる平等な世の中の建設が人民民主主義を意味すると解釈して、 これが民主的な基本秩序に反すると見ている」とし「だが綱領前文には民衆の 概念として『統合進歩党は、労働者、農民、漁民、中小零細商工人、女性、 障害者、良心的知識人の政党』と規定している」と説明した。

続いて「結局、この民衆の概念は、私たちがすべて共感できる内容で規定され、 これは結局国民主権の原理を具体化したものなので全く問題ない」と主張した。

イ・ジェファ弁護士と討論した世宗大のイ・ジェギョ教授(時代精神代表、弁護士) も、統合進歩党の綱領が民主的な基本秩序に違反するという政府の主張に同意 できないという立場を明らかにした。イ・ジェギョ教授は「法務部が請求した 文書を見ると、綱領や党憲に民主的基本秩序に反する事項があるとなつているが、 それに同意はできない」と強調した。

高麗大法学専門大学院のチャン・ヨンス教授もYTNラジオの「チョン・ウォンチェ クの出発新しい朝」とのインタビューで「『党員や綱領のようなものを見ると 北朝鮮と似ていた、結局お前たちは国家を転覆しようとしているのではないか』 という調子で解散するのは困る」とし「結局、政府側が言う北朝鮮式社会主義 だとしても、それによって国家を転覆したり民主主義を破壊する具体的な活動 によって指紋を捕捉できるのかまでを見なければならず、単に党員や綱領だけで は不足だろう」と明らかにした。

またチャン・ヨンス教授は「その部分(綱領)だけで言えば、統合進歩党以外に 正義党などの他の政党からも類似の規定が発見できる」とし「それだけで統合 進歩党が解散すべきで、他の政党は存続し続ける、そう見るのは難しいだろう」 と強調した。

政府が統合進歩党への各種政党活動禁止仮処分申請を提起したことについても 同意できないという声が高かった。

世宗大のイ・ジェギョ教授は「仮処分は解散の可能性があるか、緊急な必要性 があるかの2種類の要件を充足しなければ認められない」とし「だが、果たして 緊急な必要性があるか、例えば平沢ガス貯蔵庫の爆破を行動に移すのか、もし 放置すればそのような危険性があるとすれば、緊急な必要性がある。ところが 現在の状況はとても認められそうもないので、解散の可能性はともかく緊急な 必要性は認められず、この仮処分は受け入れられないと思う」と強調した。

民主弁護士会のイ・ジェファ弁護士も「この部分は法務部がちょっとオーバー なようで、拙劣に仮処分申請をしたようだ」とし「憲法裁判所も違憲政党解散 の部分は慎重を期して判断すると思うが、そのためにすぐ仮処分をする必要性 がない事件で仮処分を認めるはずがないと思う」と明らかにした。

「李石基事件の判決も出ていないのに...政府は性急だ」
政党解散時の議員資格停止などで異論

李石基(イ・ソッキ)議員の内乱陰謀疑惑事件が統合進歩党解散理由になるのか、 政党解散時に議員の資格停止については多少異論があった。

世宗大のイ・ジェギョ教授は「この会(RO革命組織)を率いている人が、現在の 統合進歩党の国会議員」とし「一部の党員で一部の追従者の活動であっても、 党の基本路線や脈絡と方針に外れなければ、それは党活動の一部と見られる。 その活動の一部が民主的な基本秩序に反するとすれば、それは違憲の理由、 政党解散の理由になる」と主張した。

だが民主弁護士会のイ・ジェファ弁護士は「大統領と法務部長官は国家情報院 大統領選挙介入事件は裁判を待とうと言いつつ、李石基議員事件はまだ有罪と 確定していないのに、急いで(党を解散)しようとする理由がわからない」とし 「論理に矛盾がある」と指摘した。

続いて「(RO組織の録音記録で)党の路線と党の活動の話は何も出てこず、検察 も反国家団体では起訴できなかった」とし「また、党指導部と主要党役員が党 次元の行為をしなければならず、党の公式の行為ではなかった。もし党次元で していれば、党組織にいる党代表や最高委員が全員同じように起訴されなけれ ばならないが、検察は起訴できなかったではないか」と反論した。

延世大学校法学専門大学院のキム・ジョンチョル教授も、法務部は慎重に対処 していない点を指摘し「李石基内乱陰謀事件は今裁判が進行中で、事実関係で 検察の一方的な主張しかない状態だ。中立的かつ客観的に判断した判決はまだ ない」と強調した。

続いて「(李石基内乱陰謀事件判決が)どうなるかもわからない状況で一方的に 劇薬処方をすると、民主主義に大きな衝撃を与える行為なので、みだりにして はならない」とし「政府首班の大統領がその過程に参加せず、一方的な報告だ けで電子決裁によって決裁したというのはとても危険な決定で、慎重ではない 決定だということを自ら示すものだ。だから今回の憲法裁判所の決定でも十分 な情状酌量の理由になるのではないかと思う」と明らかにした。

政党解散時の議員の資格停止も憲法には明文規定がなく、法学界内でも論争が 続いている。民主弁護士会のイ・ジェファ弁護士は「政党の目的と活動が違憲 であっても、国会議員の行為や活動が問題になったわけではないので国会議員 の資格が失なわれず、国会の資格審査の対象になるだけだと思う」と述べた。

しかし世宗大のイ・ジェギョ教授は「解散命令が出ても国会議員職が維持され るというのは政党民主主義にも合わず、比例代表趣旨にも合わず、憲法を守る ための政党解散制度の趣旨にも合わない」とし「立法的に明示されていないと いうボトルネックはあるが、その趣旨を総合してみれば、議員資格を喪失させ るべきだと思う」と明らかにした。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-11-08 07:55:34 / Last modified on 2014-12-24 19:00:33 Copyright: Default

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