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韓国:文在寅の『積極的労働政策』、安哲秀は『労働哲学』で克服?
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文在寅の『積極的労働政策』、安哲秀は『労働哲学』で克服?

朴槿恵、文在寅、安哲秀の労働政策の基調は?

ユン・ジヨン記者 2012.11.19 00:44

セヌリ党の朴槿恵(パク・クネ)大統領候補と、民主統合党の文在寅(ムン・ジェ イン)候補、無所属の安哲秀(アン・チョルス)候補が11月17日、韓国労総が主催 した全国労働者大会に参加し、韓国労総が提示した主要要求に対する回答と、 各自の労働政策基調を明らかにした。

この席で文在寅候補は労働界の法制度改善要求を積極的に受け入れることを押 し出し、安候補は労働に対する『国政運営の哲学基調』の転換を強調した。 『大統合』を口にしてきた朴槿恵候補は『社会二極化解消』と『先進的な労使 関係』を主張した。

労働界の政策要求...文在寅は『積極的』、安哲秀は『消極的』受け入れ

これまで労働界の要求事項について最も積極的に対処してきた文在寅候補は、 この席でも労働界が要求してきた法制度的な改善を積極的に受け入れるという 立場を明らかにした。

[出処:キム・ヨンウク記者]

彼はまず、タイムオフ制度の改善と複数労組窓口単一化廃止のための労組法の 再改正の意志を示した。最低賃金を労働者平均賃金の50%まで徐々に上げる法案 と、勤労時間短縮、非正規職を半分に削減し、労働者と使用者概念の拡大、不当 労働行為に対する処罰も強調した。

文候補は「超企業別交渉が産業の発展につながるように、法と制度を整備する」 とし「労働者の正当な団体行動権を保障し、使用者が職場閉鎖を乱用できない ようにする」と約束した。

また「団体行動権を過度に制限する必須維持業務を改善し、公益事業の範囲も 大幅に縮小する」とし「労使関係の参加と協力を指向するように労働者の経営 参加を拡大していく」と明らかにした。

韓国労総が各大統領候補に伝えた核心要求事項である、△専従者賃金労使自律 支給保障、△複数労組自主的交渉保障、△非正規職削減および差別撤廃、△60歳 定年義務化、△勤労時間短縮、△最低賃金現実化も『積極受け入れ』るという 立場を明らかにした。

文候補が積極的、攻撃的に労働政策方向を示している反面、安哲秀候補は 労働問題ではやや消極的な政策提示に終わっている。

実際に、韓国労総が核心要求事項として提示したタイムオフ問題は、朴槿恵 候補と同じく『勤労時間免除審議委員会』での議論と線を引いた。複数労組の 窓口単一化問題も、『労使政対話による問題の改善』と回答した。

安哲秀の守勢的労働政策、『労働哲学』で突破

朴槿恵、労働懸案を拠論したが...労働界の要求とは反対

その代わり、安哲秀候補は法制度改善政策がやや守勢的ということを認め、 こうした弱点を『労働』に対する『国政運営哲学』の転換で突破する動きを 見せている。

[出処:キム・ヨンウク記者]

安候補は「崩れた韓国の労働基本権を立て直すために、各種の法制度の改善も 必要だが、何よりも大統領が労働者を本心から認め、地位を得られるように国政 運営の方向を率いなければならない」とし「言葉だけであらゆる公約を聞き入れる というのではなく、労働に対する国政運営の哲学が変わるべきだ」と強調した。

このために安候補は、『勤労者の日』を『メーデー』に変えるとし、「崇高な 労働という言葉をさまざまなイデオロギーで汚染させ、後ろめたい言葉にした この社会の歪んだ認識を正さなければならない」と主張した。また小中高校 大学の過程に労働教育を入れ、労働権への認識を高めていくべきだと強調した。

公教育での労働権教育と『メーデー』の表記はこれまで労働界が長い間、要求 してきた要求事案だった。結局、安候補は労働懸案政策の不十分さを『労働』 に対する認識転換という原則的な問題で克服するという意図を見せている。

続いて安候補は、「韓国労総の創立式に直接参加して祝う大統領になる」とし 「選挙の時だけやってくる大統領ではなく、毎年誕生日に直接来て祝う文化を 作るだけでも、国政運営の流れはずいぶん変わると信じる」と強調した。

朴槿恵候補は最低賃金引き上げ、定年60歳保障、非正規職問題などの労働懸案 を挙げているが、事実上、労働界の要求とは反対の立場を固守している。

特に朴槿恵候補は、「労働界の声を十分に受け止め、合理的な最低賃金の引き 上げが行われるようにする」と述べたが、セヌリ党のボイコットで国会で最低 賃金法改正案の議論が失敗の危機に置かれている状態だ。

[出処:キム・ヨンウク記者]

非正規職問題も『差別是正』に焦点が当てられ、タイムオフと窓口単一化など も労組法の再改正ではなく、現制度内での問題改善に終わっている。朴候補は 「歴代政府が数えきれない程、労働関係法を直してきたが、いつも『労働悪法』 という批判を受けた」とし「私は決してそんなことを繰り返さないように、皆 さんの声に耳を傾け、皆さんと共に合理的な方案を見つけることをはっきり 約束する」と明らかにした。

続いて「社会二極化の解消と先進的な労使関係の発展のために皆さんの大きな 役割を心から期待する」とし「私が大統領になれば、定期的に労使代表者と会 い、非正規職問題を含む労働懸案について聞き、一緒に議論する席を作りたい。 必要なら大統領直属で関連協議会をおいてもいい」と強調した

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-11-19 04:28:57 / Last modified on 2012-11-19 04:28:57 Copyright: Default

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