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国家人権委員会、非公開の慣行に対する失望

[人権オルム]知る権利、情報公開趣旨無色...不透明な運営

チョン・ミンギョン(進歩ネットワークセンター) 2012.10.25 15:43

玄炳哲(ヒョン・ビョンチョル)人権委員長の就任以来、国家人権委員会(以下 人権委)をめぐり多くのさまざまな批判がある。そのうち人権委の不透明な運営 も一つだ。私の経験を基礎として、不透明な人権委運営による失望の記録を紹介する。

3年間、全員委員会非公開が何と43.1%

人権委は毎月2回、全員委員会を開いている。私は、ホームページに掲示される 会議日程を見て、重要な案件があれば委員がどんな議論をして、どんな決定を するのかをモニターすることがある。だが人権委会議の傍聴にはたびたび困難 を経験する。会議開始3時間前までに申請しなければ傍聴できず、傍聴人は10人 に制限される。全員委員会は月曜に開かれるが、会議の日程は主に金曜に公開 されるのでタイミングよく確認できなければ傍聴も行けないこともある。案件 は非公開で行われ、傍聴できないこともある。一度は、傍聴に行ったが突然、 当日の案件が非公開になったため、なぜ非公開になったのかもわからないまま 虚しく戻った経験もある。

人権委全員委員会の非公開現況を見ると、全件数のうち再上程件数を除けば、 2010年は公開27件、非公開35件(56.4%)、2011年は公開40件、非公開24件(37.5%)、 2012年は10月までに公開32件、非公開16件(33.3%)だ。2010年から今年10月まで の174件のうち非公開の件数は75件で、何と43.1%に達する。人権委会議の非公開 での進行は、「国家人権委員会運営規則」第8条の2(会議の公開および傍聴など) 第1号「全員委員会、常任委員会(ただし侵害、差別などに対する陳情救済事件は 除く)の会議は公開を原則とするが、該当委員会が必要と認め、議決した場合は 会議を公開しないこともある」を根拠とする。しかし「該当委員会が必要と認め、 議決した場合」という曖昧な条項で、明確な根拠もなく会議を非公開にするので、 どんな理由で非公開されたのかも公開されないのは人権委運営の大きな問題として 作用する。

情報公開請求も違法な法適用で拒否

人権委会議に直接傍聴に行けなかったり、議決の過程や結果が気になる時は、 情報公開請求制度を利用したりもする。しかし情報公開の決定を受けるのは、 容易ではない。昨年12月と今年の初め、人権委は国家人権政策基本計画 (National Action Plans・NAP)勧告の件を議決するために会議を3回開いた。 2011年の第48次常任委員会(2011.12.15)、2011年の第23次全員委員会 (2011.12.26)、2012年の第一次臨時全員委員会(2012.01.03)はすべて非公開で 進められた。人権委は第2期NAP勧告案で、国家保安法廃止意見として「乱用を 防がなければならない」という意見を出し、強く非難された。事実上、政府案 と同じだったが、会議が非公開で進められたので、どんな理由で、どんな過程 を経て、1期NAPより後退した案が出されたのか、誰も分からない状況だった。

それで、上述の3回の会議について情報公開を請求した。しかし人権委は、私に まったく理解できない回答をしてきた。「国家人権委員会法」第49条によれば 「委員会の陳情に対する調査、調整および審議は非公開とする」と規定されて いるとし、非公開通知をしてきたのだ。NAP勧告案の議決は陳情事件でないのに 法適用を間違って非公開通知をしてきたことには、あきれて腹が立った。異議 申請をしたが、その回答は私をさらにあきれさせるだけだった。「公共機関の 情報公開に関する法律第4条の例外規定による非公開情報にあたり、最終確定し た内容ではない内部での検討過程で作成されたもので、公開されると委員会の 公正な意志決定および業務遂行に顕著な支障を招く恐れがある」ということだ。 これに付け加えられた言葉はさらに見苦しかった。最終勧告が一般国民に公開 されたので、請求情報を非公開にしても、知る権利が大きく侵害されるとは見 にくいということだ。こんな回答を人権委から受けたということが衝撃的だっ た。結局、行政審判を請求し、人権委の情報非公開決定は違法・不当だという 裁決を受けたが、すでに人権委の不当な回答と不透明な運営にとても失望した 後だった。

透明社会のための情報公開センターも2010年「玄炳哲(ヒョン・ビョンチョル) 委員長の名で送られた花輪、弔花の内訳」について情報公開を請求したが、 人権委が「資料を保有、管理しておらず公開できない」と通知したという。 人権委の不誠実な情報公開の態度に失望したのは私だけではなかったようだ。 また、如何に多くの人々が不当に情報公開を拒否されたのか分からない。

委員の自由な討議を保障するために会議録を非公開?!

最近、市民が情報公開請求をして情報に接近するだけでなく、公共機関が自ら 事前に情報公開をして、透明性を確保して市民が情報活用に積極的に参加する ことを保障する『政府2.0(Government2.0)』が話題になっている。人権委は、 果たして公共機関の透明性の保障と国民の知る権利を保障する政策を実現する 努力をしているのか? 残念なことに返事は『違う』だ。人権委は会議録をホー ムページに自発的に公開もしないばかりか、情報公開請求をしても委員の名前 は隠されたり「人権委員の自由な討議の保障と、公開された場合の業務の公正 な遂行に顕著な支障を受ける恐れがある」として非公開することがよくある。

むしろ、他の行政機関の方が人権委よりも情報公開に努力している。放送通信 審議委員会は、全体会議の議事録をホームページに公開し、昨年7月から「放送 通信審議委員会会議公開などに関する規則」を改正し、議事録公開適用の範囲 を小委員会の議事録にまで拡大した。これは運営の透明性を高め、会議録を残 すことにより、委員一人一人にさらに責任感ある議論と発言をさせるためだ。 人権委なら、その名に恥じないように他の国家機関より国民の知る権利を尊重 し保障するために、さらに大きな努力をするべきではないだろうか。人権委は 会議をはじめとする運営に対する情報非公開の対象を縮小し、具体化して、恣 意的な非公開を防ぎ、透明な運営をしなければならない。このためには非公開 主義に捕われた人権委員の認識の改善が急務だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-10-26 02:23:29 / Last modified on 2012-10-26 02:23:30 Copyright: Default

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