韓国:カン・スザンナ豪領事に送る公開質問書 | |
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「竜山惨事、無視できない質問に答えよ」カン・スザンナ オーストラリア領事に送る公開質問書
「二つの扉」オーストラリア・シドニー上映会主催団体 2012.10.19 10:33
[編集者 注]竜山惨事ドキュメンタリー「二つの扉」のオーストラリア・シド ニー上映会の主催団体は、上映会の準備をするにあたりオーストラリア・シド ニーにある韓国総領事館のカン・スザンナ検察領事に送る公開質問書を作った。 公開質問書を代表で作成したオーストラリア海外同胞コ・ジンマン(オーストラ リア建設労働組合組合員)氏は10月18日、チャムセサンに「龍山惨事について、 知らなかった事実を映画を通して知り、公憤を感じた」とし「『二つの扉』を 上映して、ぜひ質問して記録で残さなければならないと考えた」と伝えた。 チャムセサンは最近、「二つの扉」オーストラリア上映の議論に関する理解 を助けるために、公開質問書を掲載する。 「歴史的真実のために記憶と記録の闘争を止めない彼らと共にしようと思います」 2009年1月20日に発生した竜山惨事を記録したドキュメンタリー、「二つの扉」 のエピローグに書かれた映画製作趣旨だ。われわれはこうした趣旨に同感し、 オーストラリアのシドニー(ストラスフィールドのラトビアン劇場)で10月26日、 国外で初めての「二つの扉」の上映を準備している。上映会の準備にはシドニー 民族教育文化院(KRC、Korean Resource Centre)、KRC所属韓国文化院(KCC)、 読書の会シナブロ、オーストラリア建設労働組合(CFMEU)の団体と在オーストラリア 韓国人同胞が個人的に参加している。 「二つの扉」には、竜山惨事裁判で証人になった警察特殊部隊員を尋問した カン・スザンナ、アン・サンドン、キム・ミンヒョン検事などが出演する。 声だけが登場する『ボイス オーバー(Voice Over)』の出演だ。事件を担当した カン・スザンナ検事は、在シドニー韓国総領事館に領事として働いており、 上映を準備する過程で出た疑問を集め、カン・スザンナ領事に公開質疑する ことにした。われわれは法律の専門家ではない。われわれの質問は一般的な 常識に基づいたものだ。 警察特殊部隊投入、法的根拠は何か?「二つの扉」を見ると、カン・スザンナ検事の尋問の焦点は、竜山撤去民座り 込み鎮圧には必ず警察特殊部隊(SWAT)投入が必要だったということに集まる。 警察特殊部隊は80年代にアジア競技大会とオリンピックを準備するにあたり、 テロ鎮圧を目標として設立された特殊部隊で、隊員のほとんどは武術有段者だ。 しかし弁護人たちは、警察特殊部隊の主な任務は対テロ鎮圧であり、目標は テロ犯のせん滅だと指摘した。弁護人たちは、撤去民たちが火炎瓶を投げて 抵抗したとしても、座り込みに警察特殊部隊を投入したこと自体が違法だったと 主張した。 カン・スザンナ検事の尋問:「今回の件でも全撤連(全国撤去民 連合と竜山撤去民座込者)が建物の屋上に櫓を作った。それで事実は危険性を 考慮して特殊部隊が投入されたのではないのですか? 一般警察でなく?」 われわれの最初の質問は、警察特殊部隊動員に関する関連の法内容を教えてほ しいということだ。警察特殊部隊の設立に関する法律と、どんな場合に警察特殊 部隊が投入されるのかを規定する関連法の内容は何か? 特殊部隊長が法廷で述べたように、警察特殊部隊の主な任務はテロの鎮圧だ。 だが90年代の建国大占拠座り込み鎮圧、2000年代のポスコ座り込み鎮圧、そして 最近の双竜自動車座り込み鎮圧など、学生・労働運動と生存権を要求するデモ の現場に無原則な警察特殊部隊の投入が行われている。 安全問題は考慮したのか?二つ目の質問は、座り込みを鎮圧する警察特殊部隊の作戦で、どの程度、 安全問題を考慮したのかということだ。 「二つの扉」は、警察特殊部隊の投入がすでに2009年1月19日に決定していたと 明らかにしている。そして翌1月20日未明に鎮圧作戦が始まった。映画を見れば 19日には座込場の建物近所の露天果物店が午後遅くまで営業をしており、それ ほど状況が深刻には見えない。座込者は警察車両に火炎瓶を投げたが、警察は 車両と歩行者を統制しなかった。警察の主張のとおり治安状況が悪化し、警察 特殊部隊の投入を決め、カン・スザンナ検事が提起した安全問題があったのなら 1月19日から座込場周辺交通を統制しなければならなかった。 カン・スザンナ検事尋問: ある特殊部隊員は法廷で、1月20日当日、鎮圧用コンテナが2つ動員されると思っ ていたと述べた。別の特殊部隊員は、コンテナ技師が「潜伏したため」鎮圧用 のコンテナ一つが使用できなかったと証言した。 屋上櫓座込者の制圧に使われる決定的な道具であるクレーンとコンテナ車両の 技師は、警察特殊部隊員なのか民間人なのか? 「コンテナ技師が潜伏した」と いう警察側の陳述を見れば、彼らが特殊部隊員ではないように思える。では、 民間人の身分でどんな法的手続きで警察特殊部隊の作戦に動員されるのか? オーストラリアの作業場の健康・安全法(WHS、Work Health and Safety Act)に よれば、クレーンでコンテナを高所に運ぶ時、コンテナの中には絶対に人を乗 せてはいけない。警察は最低の安全規則の遵守も考慮せずコンテナに警察特殊 部隊をのせて、火炎瓶が乱舞する高い屋上に投入した。三国志や水滸伝にでも 登場するような鎮圧方式だ。コンテナが屋上に到着した時、警察の首脳部は 「(映画のように)すばらしい」と話した。 また、なぜ警察や消防当局が化学性火災の措置を取らなかったのか? 鎮圧作戦 の時、屋上の櫓には引火物質がいっぱいだった。「二つの扉」で聞こえる警察 指揮部の話はこうだ。 「これは化学性だから水では消火できません。」 そうだ。シンナーとガソリンが混ざると途方もない化学性引火物質になるので 水で消すのは難しいというのが一般的な常識だ。だが警察指揮部は放水銃を 撃てとだけ命令し続けた。放水のために櫓で起きた化学性火災はさらに広がり、 結局その阿鼻叫喚の火の中で警察特殊部隊員1人と座込者5人が残酷に死んだ。 「みんな愛する大韓民国国民です」ある警察の証言のように、犠牲になった座込者や警察特殊部隊員は、誰もが 「愛する大韓民国国民だ」。決してせん滅の対象のテロリストではない。だが 検察側は、竜山惨事に関して警察首脳部に免罪符を与え、座込者には重刑を求 めた。そして1審の裁判所は撤去民座込者6人に懲役5〜6年の重刑を宣告した。 判決文の要旨はこうだ。 「火炎瓶を投げるなどの行為で、結局、公務を執行していた警察官1人が死亡し、 多くの警察官を負傷させるなど、国家の法秩序の根本を蹂躙する行為をした。 したがって、法治国家のわが国ではいかなる理由でもこうした行動は容認でき ない。」 竜山惨事の犠牲者遺族は絶叫する。「これは裁判ではない」。弁護団も話す。 「大韓民国での法治主義は、竜山惨事と共に死んだ」と。2010年、大法院では 彼らに懲役4〜5年を最終宣告した。そして撤去民に重刑を課した大法院合意部 のヤン・スンテ判事は大法院長になった。 「二つの扉」は、この時代の韓国社会の状況について、多くの質問を投げかける。 われわれが無視できない質問、放棄してはいけない質問を吐き出す映画だ。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2012-10-20 04:04:13 / Last modified on 2012-10-20 04:04:14 Copyright: Default 世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ |