韓国:統合進歩党革新討論、自由主義論争本格化するか | |||||||
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統合進歩党革新討論、自由主義論争本格化するかNL-PDの問題意識清算警戒も提起...「変革論、大衆政党路線に妥当なのか」
キム・ヨンウク記者 2012.06.06 09:51
6月5日、統合進歩党革新非常対策委傘下の出直し特別委員会が開いた『統合 進歩党の新しい価値とビジョンの再構成』討論会で『自由』が進歩政党の重要 な価値に位置付けなければならないという主張が出された。民族矛盾と階級矛盾 を基盤とする80年代の問題意識に対する清算的な革新の議論について、激しい 論争もあった。 これまで韓国社会では、自由は保守が重視する価値だった。進歩勢力における 『自由』の価値は、自由主義と称されて保守勢力の自由民主主義守護のための 反共イデオロギーと、経済的自由主義の新自由主義に分類された。 旧民主労働党が統一運動勢力の自主と労働運動勢力の平等の概念を主要な価値 としてきたことを考えれば、自由(主義)に対する価値論争は、進歩運動全般で 大きな争点になる可能性が高い。 特に労働運動を中心とする進歩政党運動が反新自由主義的な代案を作るために 闘争を展開してきた過程を見ると、統合進歩党革新の議論で自由(主義)が重要 な価値として議論され問題になるのは、参与党との統合後に予じめわかってい た。これまで自由の価値を重視してきた勢力は、参与政府出身の要人が主軸に なった国民参与党勢力だった。これはその後、統合進歩党の内外で激しい路線 論争に進む可能性を示す。 チョン・テイン、進歩陣営自由主義論争を本格提起この日の討論会で問題提起をした新しい社会を開く研究院のチョン・テイン院長 は、統合進歩党の価値とビジョンに関する論点の一つとして自由主義を上げた。 チョン・テイン院長は「果たして『自由』は忌避されるべき価値なのかを悩む 必要がある」とし「問題は『個人主義』」と指摘した。 チョン・テイン院長は「特に社会的ジレンマ(政治の週解決課題)で個人の利益 に固執して問題が解決できないのであり、自由は問題ではない」と明らかにした。 彼は続いて「戦後、西欧福祉国家のほとんどは自由主義者に導かれた」とし 「大恐慌の克服はケインズのような自由主義者が主導した」と説明した。チョ ン・テイン院長は「ロールズ-センなどの『平等主義的自由主義』は進歩の立派 な理論的資源」とし、「ロールズ(John Rawls)はスウェーデンの社民主義も 『不正義を放置する所有構造』と批判するほど(韓国社会では)最大値だと見る ことができる。韓国の進歩が批判する程度は、すべてロールズの自由主義に含 まれる。自由主義の名前で価値の政治を制限するのは狭い」と付け加えた。 チョン・テイン院長は、労働中心性の問題も論争的に提起した。彼は「労働が 人間実現の普遍的条件だという哲学の次元、資本主義社会でほとんどの人口が 賃労働者だという社会学次元、資本主義経済で賃労働がきちんと評価されなけ ればならないという経済学次元の話なら、労働中心性は最も重要な価値」とし つつ、「労働中心性がマルクス-レーニンの製造業男性労働者の組織(軍隊)と、 プロレタリア独裁、または民主集中制に関する概念なら、現在の世界と韓国の 状況では受け入れられない」と明らかにした。 チョン・テイン院長は「実際に大企業、男性、重化学、輸出部門の組織労働者は、 スウェーデンでさえ集団利己主義的な指向を見せている」とし「労働中心性の 価値は、非正規職の組織化といった具体的な実行方向、党員全員の参加と解釈 されなければならない」と説明した。 討論者に立った出直し特委のチョン・ホソン委員(前報道担当)は「自主・民主・ 統一、そして平等・生態・平和・連帯という価値は、その定義と歴史と現実に おいて望ましい進歩の価値」とし、「しかしうまく行っても単に反米自主化で、 統一が北の現実を無条件に尊重することで、平等が産業時代の労働階級中心性 だけに限られると受け止められてはならず、生態がエネルギー問題を疎かにす ると誤解されてはいけない」と明らかにした。 チョン・ホソン委員は続いて「自由は明らかな進歩的な価値」とし「最近共感 を得ている正義と公正の価値も受容されるべきで、進歩的価値が時代に合わせ て再確立され、新しく登場した課題と要求に答えなければならない」と付け加 えた。 ハンギョレ政治部のキム・ジョンチョル専任記者は、「平等を実現した社会が 社会主義国家だが、歴史的な実験の結果ではないものだとかなりの部分が明ら かになった状況で、労働者の権益や非正規職問題の解決を、平等の概念で説明 するよりも、他の包括的な概念を価値として付与する必要がある」と指摘した。 キム・ジョンチョル記者は「今は自由と正義の概念をたてる時」として「自由 ほど個人の生で大切なことはなく、自由は進歩が達成した成果であり、指向す る価値だ。以前は自由を強調すれば小市民的価値と非難されたが、今は自由を 保守の専有物にして置かず、進歩で積極的に受け入れ、内容を満たすべき部分」 と明らかにした。 キム・ミヌン「80年代に矛盾解決できなかったのに、80年代式という表現の危険」こうした自由の価値は、今後、進歩政党が注目すべき重要な価値と提起され、 討論は80年代変革論の基盤になったNL(民族解放)-PD(民衆民主)論争に続いた。 聖公会大のキム・ミヌン教授は、統合進歩党の正当性の危機により、進歩が持っ てきた基本価値の階級や民族問題そのものを廃棄したり、矛盾構造が解消され ていないのに、古いものとして片付けることは、別の危険性があると指摘した。 反面、チョン・テイン院長は基本前提には同意しつつ、統合進歩党内の独特の 政派文化と運動政治が進歩の既得権構造と結びつき、80年代の変革論を、既得権 を守る理論的な盾としていることが問題だと指摘した。 延世大社会発展研究所のイ・チャンオン教授は、積極的な価値再構成の必要を 提起した。NL-PDが提起した矛盾構造を廃棄したり無視する必要はないが、十分 に進化しているのかということだ。イ・チャンオン教授は、80年代の変革論が 韓国の社会運動路線や変革路線にとっては意味があるのかも知れないが、大衆 政党路線として妥当なのかを調べなければならないと明らかにした。 討論会の司会をしたパク・ウォンソク議員(出直し特委委員長)は「80年代式の 変革論が大衆的進歩政党の政治路線で有効かどうかを考えなければならない」 とし「政治綱領政策が現代化したというが、まだ変革論的な要素がかなり残っ ている。進歩シーズン2では、新しい進歩の価値路線はどこから始まり、どう 作り出せるのかを議論しなければならない」と提起した。 しかしキム・ミヌン教授は、「革新議論で進歩政党の古い殻を脱し、新しく進 む時、全てを80年代式だと規定するのも危険だ」とし、「80年代に提起された 問題が解決していない状況で、もう価値がないといえば進歩政党の原則が危う くなる。自主、平和、階級、平等路線すべて重要だ。韓国の社会と国際情勢は とても変わったので、これらへの対応戦略を変える問題として捉えなければな らない」と指摘した。 キム・ミヌン教授は続いて「自主は、民族が揺れず、平和的な解決方法を探す 問題であり、階級問題も社会的弱者が排除されず、政治的主体として主導権を 握り、自分の利害を韓国社会で実現する重要な課題」とし「この社会を進歩的 に変える主導権と主体をどう作るのかという問題が内外的に関わっている事項」 と説明した。キム・ミヌン教授は「そうした意味で、ややもすると朝鮮・中央・ 東亜の保守新聞のフレームに吸い込まれていく問題を政治的にきちんと整理し、 大衆的に説得力のある問題にする過程にある。この問題自体をまるで古い問題 提起のように考えると、これを今日の現実に適用して進歩的政策を作ることに 失敗し、情勢を総合的に分析する進歩政治の力量を解体させる」と指摘した。 彼は「80年代の問題提起を廃棄することは、大衆を説得して進歩政治プログラ ムを作るのと別の次元の問題」とし「当時の問題提起が状況により変われば、 状況を緻密に分析し、現在の問題提起と過去の問題意識を結合する能力が下がっ たことが問題なのであって、その問題提起が古いと規定するのは危険だ」と強調 した。 チョン・テイン、「労働解放・民族解放は、運動圏の既得権を守る手段」チョン・テイン院長は、キム・ミヌン教授の指摘に同意しつつも「民族解放と 労働解放は重要だと思うが、運動圏の既得権集団の何人かが、そこにつながる いくつかの闘争を自らの利益を守るために利用しているのではないか」として 「労働解放や民族解放理論でも、十分に東北アジア情勢分析や階級分析ができ るが、その言葉自体が運動圏の既得権を守る手段になっている」と指摘した。 チョン・テイン院長は「たとえば、労働中心性という言葉が民主労総の大企業 中心になり、大企業労組が労働時間延長闘争をする状況」とし「そうしたこと が労働中心性だとか、ずっと革命的な言葉で表現されるが、むしろ労働運動が 進む方向を妨害する。民族解放もいいが、新しい思考を妨げ、主体形成を妨げ る面が党の中に重く位置している」と明らかにした。 チョン・テイン院長は続いて「理念が固定した生産関係になった」とし「理念 を革新するか、それこそ小さなサークルをするか、二つに一つを選択する時だ。 本当に執権したいのなら単に語り口を変えるだけでなく、理念について真剣に 革新して、情勢分析の共有が必要だ」と付け加えた。 キム・ミヌン教授は「民族解放であれ労働解放であれ、自分の権力維持に活用 する者どもを政治的に退出させるのは当然だ」が、「進歩勢力が過去の歴史で 激しい犠牲と献身と記録蓄積により作った大切な進歩的課題と問題提起を放棄 して罵倒される流れは警戒しなければならない。省察で接近するべきだ」と 再度強調した。 イ・チャンオン「既存の談論が時代について行けなければ淘汰」イ・チャンオン教授は「過去の運動性と新しい抵抗性を制度政治と運動政治に どう接合し、当時の問題意識を省察的に転化するかには意味がある」として 「NLの反米と大衆路線、PDの相変らず反資本と労働に対する問題が重要な問題 だ。こうした部分をどう再専有するのかという問題がある」と明らかにした。 イ・チャンオン教授は「ここでの悩みは、運動の周期の問題だ。権威主義時代 の運動周期、権威主義以後の民主化、民主化以後の新自由主義フレームが貫通 する時期の運動周期があって、そのたびに運動が変化するほかなかった。既存 の談論がその流れについて行けなければ淘汰される部分がある」と指摘した。 イ教授は「NLが北朝鮮問題を客観と普遍的観点ではなく、特殊主義的な観点で 見ることが過度な過剰民族主義を生んでいる」とし「過剰な民族主義の特徴は 同一性で、多様な差を認められず、集団主義的な論理が強まらざるをえず、 多様な要求を受け止めるには制約がある」と淘汰の地点を説明した。 彼は続いて「NLとPDは、近代的な変革理論で党運動とは合わないと思う」とし 「たとえばNL論が持つ核心的な要素は統一戦線中心性だ。党が統一戦線の下位 組織として規定される面がある」と指摘した。イ教授はまた、「古典的なPDの 立場は合法政党自体に問題があると見る」とし「PDとNL論は進化していて転化 の可能性もあるが、まだ人間の理性と意志に対する強調や、他者に対する集団 的な排斥、啓蒙主体としての前衛、集団内部の同一性を保障する指導者や成長 主義的な残滓が存在している」と指摘した。 イ・チャンオン教授は「時代が変わり、規則が変われば運動方式も変わる必要 がある」とし「今の時代の根源的な矛盾から始まる進歩の価値を作らなければ ならないが、過去の慣行と過去の現実解釈が持つ枠組みとフレームに、絶えず 疑問を持ち、改造して、大衆化する方式で接近しなければ、統合進歩党は現代的 大衆政党として国民と共にできるか悩ましい」と明らかにした。 キム・ヘジョン「綱領に緑色価値があるのではなく、ペーパーにしかなかったという認定が重要」反面、統合進歩党進歩政策研究所のパク・キョンスン副院長は「わが党の現実 は、80年代フレームを越えて発展してきた。運動論的なNL-PD論争は無意味だ」 とし「すでに自主と平等の価値だけで多様な進歩的大衆を代弁できるかという 綱領改正の過程の論争があった。討論の末に、自主と平等だけでなく、自由も 中心に入れ、環境と生態などの緑色の価値と性少数者問題などで中心と副次の 問題ではなく、全てを連帯の価値で再構成する、アップグレードした進歩の 再構成について悩んだ」と反論した。 チョン・ホソン委員は「今は問題を見る視角と問題解決の方法を根本的に変え なければならない」とし「過去の事情は残るが、複雑化して新しく問題になる 生態と平等をどうつなげて、自主の問題を新しく照明しなければならない。 パラダイムを変える問題」と指摘した。 キム・ヘジョン前環境運動連合事務局長は「時代的な流れを読み先導的役割を 果たすのが大衆政党の役割だが、統合進歩党は戦線式の思考と覇権的な集団的 考え方で大衆を対象化することが問題」とし「退屈で旧態然としている。だから 変化しなければならない」と明らかにした。 キム・ヘジョン前事務局長は「統合進歩党綱領に緑色の価値があると主張する が、ペーパーの中の綱領は意味がない」とし「私たちの綱領にこんなものがある と話すのでなく、それがペーパーの中にしかなかったと認めることに変化の 可能性がある。紙の中にある綱領の実現の意志とプランが重要だ」と指摘した。 キム前局長は「統合進歩党は北朝鮮核問題が出てくれば常に米国と関係を持ち 出す。自主的立場を絶対譲歩しない。それで解決せず、北朝鮮の核問題に曖昧 な答が出てくる」とし、「米国だけを問題にするのではなく、核開発が本当に 北朝鮮と南韓の民衆のための道かどうかを見なければならない。その点を統合 進歩党が問題提起しなければならない」と強調した。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2012-06-06 18:37:23 / Last modified on 2012-06-06 18:37:31 Copyright: Default 世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ |