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韓国:60年の造船所シナSB没落...政府は放置
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60年の造船所シナSB没落...政府は放置

崩れたシナSB労働者の希望...労働者は肉体労働に追いやられる

ユン・ジヨン記者 2012.06.01 15:00

倒産目前の統営の中小造船所が政府の放置の下で没落の道を歩いている。

9月末には建造物量が枯渇する統営市のシナSBは最近、奇跡的に外国船主社と6 隻の建造意向書を交換した。だが主債権団の『貿易保険公社』は原価以下の 受注を理由にこれを事実上拒否した。

特に21世紀造船と造船海洋など、統営の中小造船所の連鎖倒産が続いており、 シナSBの倒産の危機は統営市全体の経済危機に広がっている様相だ。

倒産危機シナSBの一縷の希望、政府外面の下で崩れるか

1946年、『チェ・ギホ造船所』という名前でスタートしたシナSBは60数年間、 統営市と共に歩んできた地場企業だ。統営市に集中する中小造船所の中でも、 かなり規模が大きい方で、一時は協力社を入れれば約4000人の労働者が働いていた。

だがヨーロッパ発の経済危機と中国との低価格受注競争で造船産業に赤信号が 灯り、シナSBも経営難の直撃をうけることになった。

シナSBは2008年から4年間、一隻の船も受注できなかった。現在建造作業をして いる船舶4隻も9月には作業が終わる。2010年5月からはウォークアウトに入った。 12月にはウォークアウトが終了し、すでに破産が目前に迫っている状況だ。

倒産を目前にした工場に、一筋の希望が伝えられたのは5月初めだった。会社は 外国船主社と6隻の建造意向書を交換した。6月4日には公式の受注契約書作成が 予告されている。しかしこれも問題が生じた。

船舶は一般に建造期間が長く、金融機関の前受金払い戻し保証(RG:Refund Guarantee)が発行されなければ実際に契約ができない。現在シナSBは貿易保険 公社と産業銀行が持分の70%以上を確保している。そのうち、貿易保険公社は シナSBの主債権団だ。

現在、貿易保険公社は『原価以下の受注』をRG未発行の理由としている。だが 倒産の危機に陥った造船所の回復を経済論理で放置しているという非難は避け にくい状況だ。特に労組と市民社会では現在は赤字でも、企業回復後造船景気 が安定すれば、十分に赤字分を確保できると主張している。

オク・ナムソク主席副支会長は「造船景気は概ね好況期と沈滞期のサイクルが ある」とし「現在の旧型船を運行すると、運賃を合わせられず、燃費を下げる 親環境エンジンが装着された新型船が広がっており、実際に昨年と今年は老朽 した廃船解体事業が最大になった」と説明した。続いて彼は「もし工事が今は 赤字でも、長期的に見れば赤字を埋める展望がある」と強調した。

造船所連鎖倒産、統営市経済沈滞影響
造船所労働者は肉体労働に飛び込む

統営所在中小造船所の連鎖倒産は、統営市の経済沈滞につながっている。また 倒産以後、造船所の労働者は地域を離れたり、肉体労働などで生計をたてている。

シナSBに近いサモ造船は2月、清算手順に入った。サモ造船は1〜2万トンタンカー を建造していた会社で、2000年代の中盤までは職員約500人が働き、受注残高で 世界100大造船所として好況を享受してきた。21世紀造船も6月で建造物量が 枯渇し、清算型法定管理を目前にしている。

こうした造船所の連鎖倒産は、統営市の景気に大きな影響を与えている。特に シナSBも労働者たちが仕事をやめたり賃金の不払いが本格化し、統営市の経済 に造船所の危機が転移した形だ。

オク・ナムソク主席副支会長は「造船所の好況期には、統営市の食堂など自営 業者も好況を享受していたが、最近では金曜でも晩になれば食堂や酒場も扉を 閉める傾向」とし「タクシー運転手も社納金を納めるのも難しいと吐露する」 と強調した。

造船所の倒産、または作業物量枯渇で雇用を失った労働者は、地域を離れたり 肉体労働に飛び込むのが常だ。オク主席副支会長は「雇用を失った労働者は、 巨済に行き、大宇、サムスン造船所の協力業者で働いたり、統営を離れられな い人は魚の養殖や肉体労働で生計をたてている」と説明した。

そのため統営市民も『シナSB生かす汎市民対策委員会』を構成し、中小造船所 を生かそうと本格的に乗り出した。市民対策委は4月6日、1300人の統営市民と 共に『シナSB生かす統営市民決起大会』等を開き、統営市と議会、慶尚南道議会 などに対政府決議案採択要求と面談などを進めている。

一方、シナSB支会組合員約600人と市民対策委、金属労組など約1000人は、31日 午後、貿易保険公社の前で決意大会を開き、シナSBの正常化を要求した。

キム・ミンジェ金属労組シナSB支会長は、「会社の経営難を苦痛分担してきた 労働者にとって建造協約書は一筋の希望だったが、債権団は原価以下の受注で RGは発給できないという言葉を繰り返すだけ」とし「イ・グクチョル会長たち が横領して会社をこんなにしたのに、何の措置も取らなかった債権団は、今度 は倒産を放置している」と批判した。

一方、集会の後、シナSB支会役員4人は削髪式を行い、工事前の野宿座り込みに 突入した。ホン・ジウク副委員長は「6月4日までにRG発給に対する公社側の回答 を要求し、指導部が野宿座り込みに突入した。4日までに責任ある回答がなければ 全組合員が上京野宿座り込みに入る予定」と明らかにした。

[出処:金属労働者]

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


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