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韓国:良心的兵役拒否者差別、合憲決定以後、初の裁判
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良心的兵役拒否者差別、合憲決定以後、初の裁判

多くの兵役拒否者が前科者のレッテルで非正規職を転転

パク・チュンヨプ現場記者 2011.09.15 13:50

9月14日午前10時、大邱地方法院は良心的兵役拒否者のイ・ジュンギュ氏に対する 裁判で実刑を宣告した。

大邱地方法院第3刑事単独ヤン・チジョン判事は、「個人が良心と思想の自由を 追求することは正当だが、国家共同体の存立を威嚇する要求は現行の憲法では 正当ではない」とし、イ氏に懲役1年6か月を宣告した。

今回の大邱地方裁判所の実刑宣告は予定されていた。8月30日、憲法裁判所で 兵役法88条1項が合憲だという判決があったためだ。

李氏はこの日の裁判で、発言の機会を得て「韓国の安保状況は特別だというが 代替服務と安保状況の関係は疑問だ」と話した。また憲法裁判所の良心的兵役 拒否者差別合憲の判決が7年前の判決よりむしろ退歩しており、国家安保の論理 で個人の良心的な自由を制限している現実を批判した。

また李氏は「私は何の罪も犯していない。韓国の市民として銃を取るのではな く、他の方式の平和を追求し、それによる義務を負おうとしたが、受け止めら れなかった」とくやしさを訴え「自分の良心により、自分の行動は正当だとい うことを知らせ、代替服務制により自分のような痛みがなくなることを最後ま で主張する」と話した。

行動は信念に充ちているが、心は誰よりも若い

この日、法院には李氏の母親と叔母が参加した。予想された結果だが、実刑宣 告の瞬間、イ氏の家族とイ氏を支持するために集まった二十人の人々は目に涙 を浮かべた。普段強い信念に充ちている李氏も自分を励ましに来た人々の前で 涙を隠せなかった。

大学の時から李氏の同期として李氏を見守ってきたチンニャン氏は、李氏が誰 よりも弱い人で、兵役拒否で苦しんできたが、堂々とした姿を見せたと伝えた。

チンニャン氏は「多くの兵役拒否者たちは、兵役拒否により良心を実現したい という信念に充ちた人々である前に、むしろ小さな暴力にも容易に苦しむ弱い 人々」とし「軍隊という空間が持つ暴力性にも傷つき、代替服務で平和を実現 する義務を剥奪され、また傷つく」と明らかにした。

実際、良心的兵役拒否者は出所後も前科者というレッテルにより、正常な社会 生活から排除され、また傷つけられる。李氏も兵役拒否により教師という夢を あきらめざるをえず、多くの兵役拒否者は宅配ドライバー、塾講師などの非正規職 を転々としている。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-09-16 13:02:04 / Last modified on 2011-09-16 13:02:06 Copyright: Default

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