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韓国:非正規職は防壁の盾ではなく同じ労働者、再度自覚を
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[公開書簡]金融労組のヤン・ビョンミン委員長と代議員へ

「非正規職は防壁の盾ではなく同じ労働者、再度自覚を」

チャ・ユンソク(全国金融産業労働組合) 2010.10.15 01:29

秋が深まりました。何回も文書と質問書を送りましたが、意図的な沈黙だけが 戻ってくるので、こうして公開書簡を送ります。

50年の歴史を持つ金融労組は、今年の始めに規約を縮小変更しました。これま では規約によって、在職者だけでなく金融産業に従事する経歴者も組合員にな れましたが、今回変更された規約はその範囲が『金融産業に従事する者』に縮 小されました。これによって非正規職組合員45人のうち経歴者34人が何の経過 措置もなく、組合員資格を剥奪される危機に直面しています。

特に非正規職は、いわゆる回転ドア効果で就業と失業を繰り返しますが、そん な実情を考慮せず、組合員の加入範囲を狭めるのは労働組合運動の歴史で例を 見つけるのが難しいほどです。また李明博政権の労組弾圧と規約改正要求に応 えたのではないかと考えるほかなく、大統領府労使担当秘書官が金融労組出身 だということも知っている人は皆知っています。

産別労組は、使用者と直接の勤労関係がなくても組合員になれる労働組合です。 ですから今回の金融労組の規約縮小は、自ら産別労組であることを放棄するも ので、労働者が労働者の権利を制限するというとんでもないことが行われたの です。

ヤン・ビョンミン委員長と代議員はもう一度熟考して下さい。

金融労組のある幹部は、今回の規約縮小の意味は、正規職組合員が退職すれば 非組合員になる現実と違い、非正規職組合員がそのまま残っているので公平に するためだと話しました。しかしこれは幼稚な弁解です。

むしろ非正規職は組合から正規職よりずっと多くの恩恵を受けているように聞 こえますが、これは事実ではありません。正規職の経歴者も非正規職の経歴者 も無関係に、自分が望めば退職後も組合員に残ることができるのが産別労組で す。2008年の金融労組委員長選挙の時に非正規職組合員に投票権を与えるかど うかで議論があったことをあえて思い出してもらわなくても、非正規職組合員 のほうが多くの恩恵を組合から受けるはずがないということは、誰でも簡単に 推察できます。

常時的業務に従事する非正規職が多くの金融圏の特性を無視し、就業と失業を 繰り返す非正規職の特性も無視してまで、非正規職との連帯のために『労働者 は一つだ』と話すのは偽りです。

先日、現代自動車社内下請労働者たちが大法院から正規職という判決を受けま したが、使用者は何も言わず、現代自動車正規職労働組合も1社1労組原則を持 つ金属労組の方針とは違い、まだ彼らを同じ組合員に受け入れていません。現 実的な問題は多いですが、労働組合運動は政治とは違い、その名分を失えば自 ら死ぬといいます。

『労働運動と労働組合運動は違う』と言う人が多くなっています。なぜなら労 働運動は自分を越えて、すべての労働者と無差別に連帯しようという全泰壹的 な考えであるのと違い、昨今の労働組合運動はただ自分のためだけに他人の苦 痛を無視しているためです。

非正規職を防壁の盾と考えず、君も私も同じ労働者だと、もう一度自覚して下 さい。金融労組がぜひ名分を失わず、韓国社会の巨大労働組合としての責任と 義務を果たす姿を見たいです。

私たち非正規職支部は、在職者が生き残るために非正規職の経歴者を捨てるこ とは決してしないでしょう。また、まだ対話を待ち続け、この手紙が最後では ないことを切実に伝えます。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-10-17 06:36:49 / Last modified on 2010-10-17 06:37:04 Copyright: Default

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