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「天安艦合調団にノーベル物理学賞でも与えろ」

ソ・ジェジョン教授、「結果は非科学的...オバマと李明博は最悪の組み合わせ」

キム・ヨンウク記者 2010.06.22 00:09

ジョーンズホプキンス大のソ・ジェジョン教授は6月21日、「天安艦民軍合調団 の報告書は1番と書かれた北朝鮮魚雷が天安艦外部で爆発したという論理的展開 構造から見れば、立派な報告書」とし、「したがって、合調団の3つの論理のう ち一つだけに問題が発生しても、北魚雷で天安艦が沈没したとは言えないが、 3つとも矛盾があるため、合調団の結論は信じられない」と説明した。また、 「合調団がアルミ付着物の科学的分析を試みるなど、非常に科学的な思考をし た」が、「エネルギー分光器分析とX線回折器分析などの科学的な分析による 合理的な接近を試みたが、その結果の説明は非科学的」だと指摘した。

ソ・ジェジョン教授はこの日、ハンソン大学学校・戦争と平和研究所の21次コ ロキウムで、『天安艦沈没で動揺する東北アジア。朝鮮半島はどこへ行くのか?』 という主題発表で、天安艦調査結果発表を再度、細かく科学的に指摘した。彼 はまた、韓米-朝米関係をめぐり「オバマ大統領が肯定的に北米関係を解くだろ うという私の予測は間違っていた。私がそこまで考えられない部分があった」 として「韓国政府がこれほど強硬かつ執拗にオバマ政府の足首をつかむとは思 わなかった」と告白した。ソ教授は「米政府が北朝鮮問題に主導権を持つと思っ たが、最悪の組み合わせになった」とし「オバマはブッシュの時の歪んだ同盟 国との関係復元のために、同盟国の声を最大限尊重しようということで、韓国 政府が平和な立場さえ取れば幻想の組み合わせになったのに、韓国が北を封鎖 する立場を取ったという変数により最悪の組み合わせになった」と分析した。

合調団報告書、外部爆発-魚雷爆発‐北朝鮮魚雷という論理を展開

ソ・ジェジョン教授はこの日の主題発表の大部分を合調団調査の結果を科学的 に反論することに使った。ソ教授はまず、合調団報告書の北朝鮮の魚雷が天安 艦の外部で爆発したという論理的構造を説明して、バブルジェットによる外部 爆発、魚雷爆発、北朝鮮魚雷という決定的な証拠など三つの論理構造からなる 報告書の問題を指摘した。

まず外部爆発によるバブルジェットがあったという結果について、「バブルは 基本的に球形で、船舶被害の形も球形になる」とし「バブルの中では最大膨張 部分なので、船舶の材質が耐えられる強度を越えると中の部分が切断される。 しかしシミュレーションのどの部分でも天安艦が裂けることは示されない」と 主張した。ソ・ジェジョン教授は「バブルが球形なら船舶の被害も球形になる はずだが、合調団が親切に線でひいたように鋭い物体で押し出された痕跡で、 バブルによるものではない。全く一致しない」とし「バブル効果で切断された ことをシミュレーションでは示せず、シミュレーションが正しいとしても、天 安艦の痕跡はシミュレーションとは一致しない」と、矛盾を指摘した。

▲「バブルが球形なら船舶の被害も球形になるはずだが、合調団が親切に線でひいたように鋭い物体で押し出された痕跡で、バブルによるものではない。全く一致しない」

彼はまた、魚雷爆発時に発生する衝撃波を強調した。天安艦にバブルジェット 効果があったとすれば、当然あるはずの衝撃波の痕跡は全く発見されないとい う。魚雷は水を移動させるから、衝撃波の効果は地上の爆発よりはるかに強い。 魚雷爆発エネルギーの65%以上が衝撃波に転移して、バブルは35%にしかならな いほどバブルジェットは衝撃波より影響が小さいという説明だ。ソ教授は「ま だ衝撃波の分析とシミュレーションは全く行われていない。バブルが衝撃波に 比べてはるかに弱いのに、バブルの研究と検証はたくさんあるのに、はるかに 重要な衝撃波の研究は行われていない」と指摘した。

彼は「オーストラリア海軍の公開資料を計算すると、250kg爆薬が合調団が言う 通りに爆発したとすれば、衝撃波で5000psiの圧力が発生する。5psiの圧力が発 生しただけでも一般世帯が完全に崩れるのだが。天安艦はその千倍の衝撃が加 わった。それでもガスタービンはパイプが曲がった程度で、船体の内部は特別 な損傷がない。合板も完全にバラバラに割れなければならない。ところが天安 艦は5000psiの痕跡が見られない」と明らかにした。

▲5psi圧力が発生しても一般世帯が完全に崩れる。

3つの主張のうち、最初の主張の外部爆発説には、バブル効果も衝撃波もなく、 シミュレーションもなくて重大な問題があるということだ。

科学的でない科学的な結論

合調団がバブルジェット裏付けるために二つ目の証拠として持ち出したのは、 魚雷爆発の科学的データであった。すでにバージニア大物理学科のイ・スンホ ン教授とソ・ジェジョン教授が何度も主張したように、合調団が提示した天安 艦の船体と魚雷推進体、自らの爆発実験に発生したアルミ付着物のエネルギー 分光器分析とX線回折器分析結果に対する解釈が問題だという主張だ。

ソ教授は二つの分析結果について「合調団は科学的に思考した。同じ化学物質 と決定構造が出てくれば、3つとも同じ物質という結論を出せる。3つが同じ状 況で試験爆発をしたのなら爆発だと結論を出せる。非常に合理的な論理構造」 としつつ「X線回折器の分析結果が同じだと思うか?」と反問した。

合調団はエネルギー分光器の分析にはアルミ原子があるのに、回折器分析には 見えないので、非結晶アルミがあったと主張したが、まったくその根拠はない いう。ソ教授は「非結晶質アルミや昇華アルミがあれば、少なくともX線回折器 の分析に小さなピークが現れるというのが定説」とし「合調団の主張は現在の 通説ひっくり返す大発見だ。参与連帯が率先して合調団にノーベル物理学賞を 推薦しなさい」と皮肉った。

▲「ひとまず3種類が同じに見えますか? 当然違います。目で見てもピークが違います。爆発してできた物質とあとの二つが違うので、爆発でなく他のものにより生じたという結論を出すのが正しいが、合調団は違うから魚雷形成であることを立証するといいました」

最後に彼は決定的証拠というフェルトペンで書かれた『1番』の文字に疑問を現 わした。『1番』の文字は外部爆発があって、その外部爆発が北朝鮮魚雷のため だと立証した決定的端緒だった。ソ教授は「1番が書かれている周辺と、推進体 の中のどちらにも錆がついたが、魚雷はすべて潜水艦の中でも水に漬るのでサ ビないようにペイントを塗る」とし「ペイントがある限り、魚雷は腐食しない。 魚雷が腐食したというのは、塗ったペイントが焼けてなくなったという証拠」 と説明した。ソ教授は「ペイントが焼けた部分は腐食して、ペイントが残った 部分にはサビが付かない。ペイントより沸点が低いのフェルトペンのインキは 焼けるはずだ。ペイントはきれいに焼けても沸点が低いインキは残った。こん なおかしな痕跡を持つ魚雷が、本当に北朝鮮ものだという証拠にできるのか疑 問」と強調した。

ソ・ジェジョン教授は「こうした問題のある証拠を合調団は北朝鮮の魚雷だと いう証拠としている」とし「結論として、合調団の論理によれば外部爆発、魚 雷爆発、北朝鮮製のうちたった一つだけでも立証できなければ、北朝鮮の魚雷 攻撃だという立証ができないのに、たった一つも立証できない」と述べた。ソ 教授は「私が今まで話したことは、合調団の北朝鮮魚雷説の結論に信憑性がな いということであって、北朝鮮がやったのではないと言っているのではない」 とし「沈没原因はよくわからないということであり、事案が重要なだけに沈没 の原因を厳格かつ正確に糾明しなければならない」と強調した。

南北危機の合理性と良心に基づけば克服可能

ソ教授は韓米関係に対する見解を明らかにした。オバマ大統領が李明博に支持 を送ったことについて、「北が昨年、ミサイル試験と核実験をした後、米国の 強硬な立場をさらに強硬措置にする契機を天安艦が作った」と見た。また、 「日本の鳩山政権が普天間基地移転に関して日米同盟がふらついている状況で、 天安艦沈没を北によるものと規定して、普天間基地の移転を撤回した」とし、 「米国は駐日米軍基地解決の問題を米軍が思っている通り、適切に天安艦を使っ た。この結果、鳩山辞任という副産物も得た」と説明した。

ソ教授は今回の危機克服の方法も提示した。ソ・ジェジョン教授は「安保危機 の時、人々が合理的に良心に基づいて話せる雰囲気がなくなるということ自体 が大きな危機だと思う」とし「合理性に基づき、良心に基づけば、危機を克服 する道を見つけられると思う。基本的に良心と合理性によって、きちんと活動 できる社会を作ることが急務」と述べた。彼は「韓国が合理的で良心的な社会 になって、そのような政策に転換すれば、むしろ六者会談の可能性が開かれる だろう」とし「南北が極度に激しい状態で平和の声を高め、理性の声を取り戻 し、南北が冷静を取り戻すべき時期だ。こうしたことは冷却期間を経れば人道 的支援等を通じて新しい転機にすることもできる」と見通した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-06-23 05:05:46 / Last modified on 2010-06-23 05:05:49 Copyright: Default

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