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韓国:天安艦8つの疑問と6つの問題のリポート
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天安艦8つの疑問と6つの問題のリポート

参与連帯問題リポートとして発刊、「政府の釈明は不充分」

キム・ヨンウク記者2010.05.25 19:34

参与連帯平和軍縮センターが5月25日、『天安艦調査結果発表で釈明されなかっ た8つの疑問』と『天安艦沈没調査過程の6つの問題』を問題リポートとして発 刊した。

参与連帯が8つの疑問を提起しながら、調査発表の内容には弱点が多く魚雷攻撃 による沈没の有無を断定するだけの証拠もやはり不充分で、多くの疑問が解消 しないまま残っていると説明した。

参与連帯は「最終発表もこれまでの中間調査結果の発表や国会報告の内容から 事実関係が変った部分が多く、政府の発表だけでは提起されてきた反論に十分 な解答が提供されたとは言えない」とし「魚雷を発射したと推定される北朝鮮 潜水艇の侵入の有無に関する説明も非常に不足して説得力が低い」と評価した。

参与連帯は「さらに大きな問題はガスタービン室のように魚雷攻撃の有無を判 別できる重要な部品の調査もシミュレーションも終えず、急いで結果を発表し たことで、不完全な結論を出したと批判を招いた」とし「国防部調査団が提出 した北朝鮮のものと見られる魚雷の部品の一部の発見、そしてアルミニウム酸 化物の発見だけでは決定的証拠と言うのは難しく、実体的な真実が疑いなく糾 明されたと言うのは難しい」と評価した。

参与連帯は6つの疑問として、△水柱の説明に説得力がない、△生存者や死亡者 の負傷の程度が魚雷の爆発に適当かの説明が不足、△切断面に爆発の痕跡と言 えるだけの深刻な損傷があるのか説明がない、△天安艦事件初期のTOD映像は本 当にないのか、△ガスタービン室を調査しない結果発表、それほど急ぐ理由が あったのか、△火薬ではなくアルミニウム酸化物が爆発の痕跡か、といった 「魚雷による攻撃を立証する証拠が不足」という内容を提示した。また北朝鮮 潜水艇の侵入による攻撃を立証する証拠が不足する疑問として△ヨノ級潜水艇 の実体は何か、数日間追跡できなかったことは十分納得できるか、△魚雷発射 を感知できなかったのかの2種類を上げた。

調査の過程でも、軍が不透明で排他的な態度をとり続けてきたことに少なくな い理由があるとし、6つの問題も指摘した。6つの問題としては、△軍、天安艦 関連基礎資料の非公開と統制、△天安艦切断浸水関連TOD動画の隠蔽、△事実上 『民間』が排除された民軍合同調査団、△民軍合同調査団、民間人調査委員の 調査活動の制限、△真相究明にあたり海外調査団の役割は果たして何か、△犠 牲者家族の民軍合同調査団参加排除を提起した。

「切断面爆発と見るには深刻な損傷の痕跡が見えない」

具体的に提起されたいくつかの疑問をみると、まず切断面を爆発と言えるよう な深刻な損傷の痕跡が発見されていないという指摘の釈明が充分でないと指摘 した。参与連帯は「専門家は国防部発表の内容そのものが魚雷による爆発では ない具体的な証拠だと主張している」とし「公開された切断面も、魚雷の爆発 による他の船舶の事例と違い、比較的きれいで、これを間接的に立証しようと 試みたシミュレーションは非常に不充分だった」と説明した。

多量のアルミニウム酸化物が検出されたことについても「TNT、RDX、HMXの検出 量は大変少なかった」とし「魚雷爆薬にはアルミニウムよりRDXとTNT成分のほ うが多く、これらの物質も大量に検出されなければならないが、全くバランス が合わない」と提起した。また「非結晶型アルミニウム酸化物は主にアルミニ ウム部品の煙突、魚雷推進体などで検出された点も、この酸化物の存在が魚雷 攻撃の決定的な証拠なのか疑問を持たせる」と明らかにした。参与連帯は、 「一般艦艇のアルミのスクリュも肉眼で見ても同じアルミ酸化物が発生するの で証拠としての価値がないという市民の指摘も提起されていて、これに対して も適切な解答が必要だ」と主張した。

ヨノ級潜水艇という調査団の説明にも疑問を示した。参与連帯は「潜水艦では ない母艦と共に出港した事実を確認した韓米連合戦力が母艦の同線を説明でき ないのは納得し難い」とし「夜間シュノーケリングで潜航時間を伸ばしたとい う推定も困難だ。他のすべての北朝鮮潜水艦はシュノーケリングをせず追跡さ れているのか説明ができない」と指摘した。

調査過程の問題もやはり不信の俎板に上がった。参与連帯は「天安艦沈没原因 を明らかにする最も基礎的な情報、つまり航跡、交信日誌と記録、KNTDS、TOD、 引揚直後の切断面と船体床面など、最も基礎的な情報を『軍事機密』という理 由で公開しなかった」とし「このうち航跡、交信日誌などは軍がいくらでも秘 密でない形で公開できることだったし、引揚直後の切断面と船体床面も公開で きるはずだ」と指摘した。参与連帯は、軍が国家安保に影響を及ぼす恐れがあ る軍事機密を除く他の情報でも公開していれば、民軍合同調査団が発表した調 査結果への不信と疑惑もなかっただろうと評価した。

民軍合同調査団の構成も問題として指摘された。参与連帯は「民軍調査団とい う名前にもかかわらず、実質的にどんな『民間』主体が参加したのか、その過 程には誰が影響力を行使したのか、全く明らかになっていない」とし「その上、 調査団の規模も不明で正体も不透明で調査活動そのものがベールに包まれた民 軍合同調査団の調査結果は信頼を低めている」と明らかにした。

参与連帯は「調査の信頼性を高めるために、米国の15人をはじめ4か国の24人が 民軍合同調査団に参加したが、全過程で協力して、結論に同意したという米調 査団長トーマス・エクルス准将の一般的な回答の他に、具体的に彼らの役割が どのようなものだったのかが知らされなかった」とし「特に魚雷による襲撃の 証拠確保や北朝鮮潜水艇の入出経路などについて具体的かつ核心的な分析と情 報を提供したのかについての説明がなく、この調査の信頼性を付与する核心的 な主体なのか判断ができない」と指摘した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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Created byStaff. Created on 2010-05-27 02:58:03 / Last modified on 2010-05-27 02:58:04 Copyright: Default

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