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「決定的証拠」から出てきた「決定的」疑問

[天安艦残る疑問(1)]「1番」「北魚雷」推進体、軍の説明を聞くと

チョ・テグン記者 taegun@vop.co.kr

軍が証拠に出した魚雷の残骸(c)インターネット写真共同取材団

国防部民軍合同調査団が20日、天安艦が「北朝鮮製魚雷による外部水中爆発の 結果沈没した」と公式に発表した。しかし合調団が出した根拠を見ると、まだ これまでに提起されてきた疑惑のかなりの数が解決できず、今後問題になるも のと見られる。

特に合調団が「決定的証拠」と主張する魚雷のプロペラ推進モーターと操縦装 置、スクリュからして、明確な説明が足りない。

◇「北字体」の肉筆で書かれた「1番」、インクは?=合調団はスクリュ推進部の 後部内側にある「1番」というハングル表記が、軍が確保した北朝鮮魚雷の表記 方法と一致すると発表したが、当初機械で彫られていると予想されたのと違い、 「1番」の表記は青インクで書かれた肉筆だった。

合調団はこの表記について7年前に回収した北朝鮮の訓練用魚雷に肉筆で表記さ れた「4号」という字体と「表記方法」が一致すると主張したが、明確な根拠を 出せなかった。

最も明確にするためには「1番」のインクを採取して分析すれば簡単だが合調団 はこれをしなかった。これについての記者の質問にユン・ジョンソン合調団科 学捜査分科長(陸軍准将)は「インクを採取すると損傷するので後ですることに した」と話した。

合調団のユン・ドギョン団長も「『1番』がフェルトペンのようなもので書かれ たのはおかしい」という質問に「インクを分析して、それがどうなるのか調べ てみなければならないが、あの程度なら他の可能性はない」と断言した。

「1番」の字体が7年前の「4号」の字体とどんな違いがあるのか筆跡鑑定をした のかという質問にも、ユン准将は「(対照するには二つの字体の)初声、中声、 終声がなければならない」とし、二つの字体を分析しなかったと話した。当初、 政府の消息筋は「『番』というハングルの形で北朝鮮の宣伝用文句にしばしば 登場する活字体」と主張したが、この日公開された「番」の字体について合調 団は特別な説明をしなかった。

「1番」の表記が何を意味するのかについてもユン・ジョンソン准将は「一連番 号を付けるのに偶然にしたのではないか」とあい昧な解釈を出した。7年前の北 朝鮮の訓練用魚雷に肉筆で書かれた「4号」と今回発見された「1番」の違いに もユン准将は「慣習により違いが生じたようだ」と話した。

また、海底から15日に救い出した魚雷推進部に表記された「1番」表記のインク は、約1月半の間、塩分濃度が高い西海の水中にあったが、薄くなったようすも なく比較的明確だった。

軍が決定的証拠物として打ち出した'1番'ハングル表記(c)インターネット写真共同取材団

◇北魚雷輸出用紹介パンフレット?=魚雷推進部が北朝鮮の魚雷輸出用パンフレッ トにある設計図面と正確に一致するという点も疑問が残る。合調団は「北朝鮮が 武器を海外に輸出するために作った北朝鮮製武器紹介パンフレットに提示され ているCHT-02D魚雷の設計図面と正確に一致」とすると発表した。

ユン・ドギョン合調団団長は先に「1番」の表記より北朝鮮の「武器紹介パンフ レット」で見つかったという設計図と魚雷推進部の部品が同じことがさらに強 い「決定的証拠」だと強調した。ユン団長は「北朝鮮の魚雷輸出用パンフレッ トを直接見たのか」という質問に「見た。設計図は英語だった。直接見た」と 述べ、「それが一番確実な証拠」と話した。

北朝鮮の魚雷輸出用「武器紹介パンフレット」に魚雷の設計図まで記載されて いることに対して記者は疑問を表わしたが、合調団は「保安問題」でこのパン フレットを言論に公開しなかった。合調団連合情報TF団長のファン・ウォンド ン空軍中将は「提示された設計図がパンフレットと一致するか」という質問に 「パンフレットをそのまま拡大して、そのまま書いたもの」と説明した。

「15日に魚雷推進部を引き揚げたのに時間上、すでにその前に北朝鮮魚雷輸出 用パンフレットを収集して、引き揚げた後、対照したのか」という質問に合調 団科学捜査分科長のユン・ジョンソン准将は「そうだ」と答えた。

しかしユン准将は、パンフレットにどんな火薬を使うのか書かれているかとの 質問には「表記されていない」とし「パンフレットの年度は80年代のようだ。 80年代中盤でなければ後半のようだ」と話した。「魚雷製作年度がパンフレッ トに記されているか」という質問には「80年代ぐらいだったようだ」と話した。

◇とても完全な魚雷推進部=回収された魚雷推進部の状態がとても完全な点もも うひとつの疑問点だ。

合調団は国防部大会議室記者会見場に魚雷モーターと操縦装置、プロペラを原 形近く復元して公開した。ところが推進軸やスクリュ、モーターは曲がったり 損傷した部位が全くなかった。

ユン・ドギョン団長は「天安艦を破壊するほどの爆発力なのに、魚雷の推進部 がそのまま出てきたのはちょっと珍しく思う」という記者の質問に「魚雷の前 にバッテリーの部分があって(後方が)残っていた」と話した。

合調団が発表したCHT-02D魚雷の図面を見ると「音響誘導部-追跡整備部-爆薬 部-バッテリー部-推進モーター部-操縦部」で構成され、その中で「爆薬部」が 爆発したので「バッテリー部」後方の「推進モーター部-操縦部」がそのまま出 てきたという説明だが、天安艦を二分するほどの衝撃波とバブル効果にも魚雷 本体を構成する部品に全く反りや破損の痕跡がなかった点は疑問に残る。

ユン・ドギョン団長は「米国やオーストラリアの関係者たちは、このように全 てを発見したことについてどんな反応だったか」という質問に「彼らも驚きだ という反応」だったとし「オーストラリアや米国では船体を沈めるのが目的な ので(魚雷を探すために)海底を調べることはないという」と話した。

◇スクリュ吸着物、天安艦艦体吸着物と同じ?=天安艦艦体から発見された吸着 物質と魚雷のプロペラとモーターから発見された吸着物質が同じアルミニウム 酸化物という「決定的証拠」も疑問だらけだ。

合調団はこの物質が魚雷のバブル効果を高めるために火薬に20〜30%混ぜられた アルミニウムパウダーが昇華してできたものと説明した。吸着物質を分析した 合調団のイ・クンドク博士は、水中爆発実験とシミュレーションの結果を示し て「決定的証拠物の成分分析の結果と艦首、艦尾、煙突の成分分析の結果はほ ぼ一致する。天安艦が爆発した時、プロペラが近くにあったということだ」と 話した。

しかし合調団は天安艦の砲射撃訓練の時に出た火薬成分が煙突などに吸着して 発見された可能性については完全に排除してしまった。当初、軍の実務線では、 韓国海軍艦の砲火薬とも比較・分析すべきだという意見を出したと言うが、こ の日のシミュレーションではこうした分析は行われなかった。

◇魚雷の腐食程度、切断面腐食程度とはどんな違いが?=また合調団は「海底に 1か月ほど沈んでいた艦首の鉄製の部分の腐食程度が今回発見されたモーターの 部分の鉄製の腐食程度と似ている」と話したが、艦体は約一か月間海底に、魚 雷推進部は一か月半ほど海底にあったのに、具体的な腐食程度についての説明 が不足した点も疑問の余地を残している。

また前日、政府消息筋は「プロペラの金属成分の材質が7年前に回収された北朝 鮮の訓練用魚雷と同じだと分析され、北朝鮮魚雷と結論した」と述べたが、ユ ン・ドギョン団長は「(二つの魚雷の金属材質は)比較していない」と話した。

一方、この日の記者会見長には、15日に魚雷推進部をひき上げたはえ縄漁船の 船長も参加し、当時の状況を説明した。

はえ縄漁船の船長は、合調団の説明資料に魚雷推進部回収当時の写真が提示さ れたことについて、ある記者が「写真撮影要員があらかじめ乗っていて写した のか説明してくれ」という質問に「引き揚げてからしばらくして撮影官と司令 官がきて撮影した」とし「その後、私たちが毛布で損傷しないよう包んだ」と 話した。

しかし彼は詳しい説明を要求すると「詳しい事項は崔大佐にしてほしい」とし、 合調団採証団長のチェ・ドファン大佐にマイクを渡した。

〈チョ・テグン記者taegun@vop.co.kr〉著作権者(c)韓国の代表進歩言論民衆の声 原文

翻訳/文責:安田(ゆ)


Created byStaff. Created on 2010-05-22 15:11:06 / Last modified on 2010-05-22 15:11:07 Copyright: Default

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