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‘過激労組’の‘北朝鮮歴史観洗脳’、‘北朝鮮人民’作りか?

全教組思想論争再び、 朝鮮、中央、東亜日報の報道は?

チョスビン記者/ 2006年07月31日13時38分

最近、全国教職員労働組合(全教組)釜山支部が、北朝鮮の歴史書である「現代 朝鮮歴史」から抜粋して作った教師教材用資料集に関して、再び利敵性論議に 包まれた。これに関連して釜山警察庁保安課は積極的に国家保安法違反の捜査 を行う方針を明らかにした。進歩-保守団体の間で激しい論争があるものと思 われ、朝鮮、中央、東亜日報を中心とする保守言論は「子供たちの未来を親北 朝鮮勢力に任せられない」といった調子の左右思想攻撃を連日浴びせている。

全教組はこれについて29日に記者会見を開き「マスコミが事実を悪意的に誇張・ 歪曲・拡大し、連日全教組への時代錯誤的な色あい攻勢を浴びせている」とし、 「一部の報道機関と保守団体の全教組揺さぶり、色あい攻勢に断固対処する」 と、名誉き損告発など正面から対応する立場を明らかにした。

一方、問題の資料集は、全教組釜山支部が昨年10月に約20人の教師が参加する 学術セミナー‘統一学校’の討論会参考資料。検察では反北朝鮮団体および利 敵性の疑いで捜査中と伝えられている。討論会で使われた「現代朝鮮歴史」は 1983年に北朝鮮で出版された歴史書で、1988年に国内の出版社から発行された。

また、これに対する朝鮮、中央、東亜の保守言論の報道も気にかかる。

「過激労組」、「北朝鮮歴史観洗脳機構」、「北朝鮮人民作り」

朝鮮、中央、東亜日報は27日、各々社説をのせた。題名からしてすごい。

朝鮮日報-‘大韓民国を攻撃する過激労組テロ’
中央日報-‘全教組は北朝鮮歴史観洗脳機構なのか’
東亜日報-‘全教組は私達の子供たちを「北朝鮮人民」にするつもりか’

朝鮮日報は27日「大韓民国を攻撃する猛烈労組テロ」で、今回の全教組事態と 現代車のストライキ、鉄道労組のストライキに対する大法院の判決などをまと めて紹介し、「北朝鮮の宣伝物を書き写して覚え、そこにひざまづく奇怪な姿 は、過去、さまざまな過激な運動が見せた末期症状と全く同じだ」とし「大韓 民国の将来とわれわれ自身、そして子供たちの明日のために、全教組と正面か ら対抗してほしい」と訴えた。

中央日報は「教材で出典を明らかにせず、原文にある金日成の名前は削除し、 北朝鮮の資料ではないのは北朝鮮の歴史書とは無関係であるかのように欺き、 主体思想を巧妙に美化して教師を意識化しようとした」とし、「理念教育はも はや傍観できない深刻な水準に達している。ものごとの判断能力が不足してい る生徒は、理念的にバランスが取れた教育を受けなければならない」と主張し た。

東亜日報も同日の社説で「彼らが作った教材は、客観的な検証や批判的な接近 なく、一方的に北朝鮮政権の歴史観に追従している」とし「理念教育でも足り ず、子供たちに北朝鮮の歴史観を注入して『北朝鮮人民』に育てようというの か。こうした扇動洗脳とともに、一方で自分たちの『食い扶持守り』に熱を上 げるのが全教組」とヒートアップした。

「全教組サイトが親北朝鮮勢力の温床」、「セミナーは組織運動」、「国家保安法違反」

一般記事も同じだ。朝鮮日報は28日の記事、〈全教組が書き写した北‘現代朝 鮮歴史’は利敵表現物〉と主張し、同日の記事〈萎縮した検察・警察公安パー ト、政権の顔色伺い〉で問題になった「警察は今年の初めに資料集を入手した が、積極的に捜査しなかったことが確認された」と、警察の積極的捜査を要請 した。また朝鮮日報は26日の〈全教組サイト北称賛解放区〉記事で全教組サイ トに北朝鮮主張がそのまま掲載されたり、北朝鮮原典の露骨な転載などを例に あげ、全教組サイトが親北朝鮮勢力の温床であるかのように描写した。

東亜日報も28日の記事〈全教組釜山支部自己評価書、‘単純セミナー’釈明と 大きく異なる〉で、全教組釜山支部が開催した学術セミナーがセミナーではな く組織運動の一つだったと追い込む一方、中央日報は27日の記事〈全教組の教 師が細かく読む本に…『6・25は祖国解放戦争』〉で、全教組の統一学校資料 集と現代朝鮮歴史をいちいち比較、「全教組側が北朝鮮の資料のまま討論会を 開いたこと自体が国家保安法違反の余地がある」という検察官口座の話を引用 して国家保安法に違反している可能性を指摘した。

「国家の存立を危うくする目的でなければ国家保安法違反ではない」

朝鮮、中央、東亜日報の核心的なキーワードは「全教組が親北朝鮮勢力の集合 所」ということと、「全教組が抜粋した現代朝鮮歴史は利敵表現物で、確定判 決を受けた本からこれを抜粋したのは国家保安法違反」ということ、当時の 「セミナーは単なるセミナーではなく組織運動」であったという点の3つに圧 縮される。結局これは「彼らにうちの子の教育は任せられない」という結論に 帰結すると同時に、全教組の解体まで押し進める雰囲気だ。

全教組のイミンスク報道官はチャムセサンとのインタビューで「全教組への左 右思想攻撃は、昔からあった。その意味では保守言論の左右思想攻撃は日常的 なもの」としつつ「全教組が教育という部分で子供たちと会う教師だという点 で、国民を欺くには最も適当な団体らしい」と打ち明けた。

イミンスク報道官はまた「現代朝鮮歴史は利敵表現物と確定判決を受けている のはその通り」とし、「だがインターネットでも本が購入でき、一部では研究 者に制限されている本だという話もあるが、大学では研究のために学部生が読 む本であり研究に開放されている本」と指摘した。

民主社会のための弁護士の会のキムドヒョン弁護士は「国家保安法7兆は、北 朝鮮の活動を賛揚・鼓舞・同調する目的、国家の存立安全を危険にする目的と いう項目がある」とし「つまり目的法により行為にあたり、その目的が国家の 存立を危険にする目的が存在すれば国家保安法違反」とし、解釈により国家保 安法が乱用される事例が多かったことを指摘した。

キムドヒョン弁護士は「全教組が利敵表現物を再引用する過程で北朝鮮の活動 を賛揚・鼓舞・同調したり国家の存立と安全を危険にする目的がなければ国家 保安法違反ではない」と主張した。

イミンスク報道官は当時のセミナーが組織運動だったかどうかについて「統一 学校は統一委員会活動の中の日常的な事業」とし、「特定の対象をめぐり教育 を行うものではない」と反論した。

「大統領選挙を狙った一貫して緻密な攻勢」

進歩-改革陣営の市民社会団体はいっせいに保守言論の左右思想攻撃に強い不 満を込めた声明を出す一方、31日には民主労働党、民主労総などと共に共同記 者会見を開いた。また、朝鮮、中央、東亜日報の報道には来年の大統領選挙を 狙った意図的な攻勢という主張も提起されている。

言論改革市民連帯のヤンムンソク事務局長は「7月29日の憲法裁判所の新聞法 合憲判決以後、30日から朝鮮、中央、東亜日報の記事に目を通すと、言論改革 市民連帯と民主言論市民連合、参与連帯、東江ダム関連環境団体、全教組と続 く、韓国のいわゆる進歩改革勢力への集中攻撃が意図的に構成された脚本通り に進められているという印象は拭いがたい」とし「環境団体への執拗な攻撃、 大きな枠組みで見ると大統領選挙を狙った一貫して緻密な改革勢力への攻撃だ と考えるべきだ」と主張した。

またヤンムンソク事務局長は「誤った解釈とは無関係に、今回の全教組事件は 事実上、朝鮮、中央、東亜日報の購読者である保守勢力を団結させるメカニズ ムに活用されている」と主張した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2006-08-02 04:10:44 / Last modified on 2006-08-02 04:10:44 Copyright: Default

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