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相次ぐ労働者の死…「企業・政界が殺人の主犯」

平沢新港・現代重工・現代製鉄労災…「重大災害法、企業に危機感も与えない」

ウン・ヘジン記者 2021.05.10 15:57

最近、労働者の死亡事故が相次ぐ中で、 重大災害企業処罰法の改善と整備が必要だという声が高まっている。 今年の初めに制定された重大災害企業処罰法にその趣旨がしっかり反映されなかったという理由からだ。 労働界は利益を優先視する企業と、これを守ってくれる政界が 『労働者殺人の主犯』だと批判した。

4月22日、平沢港新のコンテナターミナルでは動植物の検疫をしていた 故イ・ソノ氏が安全管理が不十分なまま、他の業務に投入されて死亡した。 続いて5月8日、現代重工では高さ20mで溶接中だった労働者が転落して命を失った。 同日、現代製鉄唐津工場では設備を点検していた故キムOO労働者が頭が狭まれて死亡した。

民主労総は5月10日に声明を出して生命と安全に行くための法制度の改善と整備を始めろと明らかにした。 それと共に民主労総は 「今年の初めに制定された重大災害企業処罰法(重大災害法)は、 資本の貪欲、彼らの利益を保障するのに血眼の政界に何の圧迫と危機感も与えないと何度も話した」とし、 むしろ「彼らの不機嫌な声に政界と守旧言論が先を争って、 それでも制定された法まで翼をむしり手足を縛るのに余念なかった」と批判した。

平沢新港、現代重工、現代製鉄の労災死

4月22日に死亡事故が発生した平沢港新のコンテナターミナルは、 主に輸出入コンテナの税関検修をする所で、(株)トンバンが運営している。 故人はこの日の午後4時10分頃、開放型コンテナのFRC(Flat Rack Container)の解体作業をしている時、 300kgほどの翼の下敷きになり死亡した。 リフト車運転手のA氏が故人の反対のFRCの翼をリフト車を利用してたたもうとしたが、 発生した振動で故人がいた側の翼が故人に倒れてきた。 当時、故人はFRCの安全ピンを外して合板のかけらを整理していた。

民主一般連盟平沢安城地域労組など13の団体がある 「故イ・ソノ君労災死亡事故対策委員会」は3月に検疫別に分けて投入した人員を統廃合し、 事故の原因になった作業をすることになったと5月4日、報道資料を通して説明した。 また彼らによれば、事故発生後にまず社内報告が行われ、 救急への通報が即刻なされなかった。 安全管理が不十分だった問題もある。 故人が作業していた当時、現場には安全管理者、信号手がいなかったし、 安全装備(安全帽)も支給されていなかった。 さらに事前の安全教育もなかった。

2日前の8日、午前8時40分頃に蔚山現代重工の溶接労働者は 9ドックの3144号線COTタンク内で作業中にタンクの底に転落して死亡した。 故人は下請のカオン企業の所属で、建造3部で働いてきた。 現代重工の労働者の死亡数は今回の死亡事故を加えると創社以来469人だ。

[出処:金属労組]

金属労組など3団体は5月10日午前、雇用労働部蔚山支庁の前で 現代重工と雇用労働部に重大災害に対する根本対策の用意を要求する記者会見を行った。 彼らは2016年にも現代重工で類似の作業で墜落死亡事故が発生したが、 当時と同じ原因で労災死亡事故が繰り返されたと指摘した。

主催側は「(2016年事件以後)安全手すりの中間台と上下部のバルコニーの幅が広く墜落の危険が高いので、 改善要求案で『幅木』の設置と上下部バルコニーの幅を狭め、 古いものは交換することを決定した。 また安全手すりの側面に鉄網を設置した。 同じように日の字型はしごに安全ガード枠(墜落防止組み立て構造体)が設置されておらず墜落の危険が高いので 防護ネット(鉄条網)あるいはプラットフォームバルコニー上部の補強などに合意した」とし、 だが「同じ事故がおきないように再発防止対策をたてたのに、 同じ原因で労災死亡事故が繰り返し発生した」と説明した。

主催側によれば死亡者の仕事はきちんとした標準作業指示書もなく 口頭で作業指示を受けていたことが確認されている。 一日作業計画書でも作業者の署名がないという問題もある。

同日午後9時34分頃には唐津現代製鉄の第1熱延工場で設備を点検していた労働者が死亡した。 事故当日、同じ組の同僚労働者が加熱炉3号機のワーキングビームという設備で騒音が発生していることを確認し、 故人は設備状態を確認するために加熱炉3号機の下に入った。 設備が稼動している状態で点検していた故人は、 ワーキングビームと固定ビームの間に頭が挟まれて死亡した。

金属労組は5月10日午前、雇用労働部天安支庁の前でまた記者会見を行って 今回の死亡事故は現代製鉄使用者側が労働者の危険要因の指摘と改善要求を回避して、 きちんと安全管理をしなかったために発生したと糾弾した。 労組は「事故が発生したところは設備の有無を確認する時ばかりでなく、 潤滑油注入、設備の漏油現象確認など日常的な設備点検と補修をする労働者が随時作業をして移動する空間だ。 労働者たちが何回も加熱炉下部の作業空間の危険性を指摘して改善を要求したが、 現代製鉄事業主は防護ネット一つ設置せず危険を放置した」と指摘した。

[出処:金属労組]

立て続けの重大災害に金属労組は同日声明を出して「殺人企業」を世の中から追い出す闘争に立ち上がろうと言う。 金属労組は「『キム・ヨンギュン法』を作っても、また別のキム・ヨンギュンを防げない韓国社会で、 新しく作った重大災害法は特に効力がないという憂慮と疑いが強い」とし、 それでも「全経連と経済人総連は、適用もされない重大災害法をすでに直そうと大騒ぎだ。 与党と野党が競争するように企業の顔色をうかがい、 結局名前から企業まで取り除いた法をまったくなかったことにするという胸算用」と批判した。

また金属労組は雇用労働部の責任が最も大きいと強調した。 労組は「企業が殺人をした時、安全は企業の善意に訴えることはできない。 監督機関の労働部が立ち上がって調査して、捕えて、防がなければならない。 だから法は労働部に司法警察権を付与した」とし、 「問題は、企業が恐れるべき労働部の権限をまさに労働部が一番恐れていること」と非難した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2021-05-17 05:25:10 / Last modified on 2021-05-17 05:25:12 Copyright: Default

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