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私たちにとって本当の平和とは何か

[ヤン・ギュホン コラム]労働者民衆と平和との距離

ヤン・ギュホン(労働者歴史ハンネ代表) 2018.05.22 10:42

4・27板門店会談以後、朝鮮半島をめぐる激しい外交戦争が息がつまるように進んでいる。 朝鮮半島情勢は外交史に見つけられない状況で、北・中・米のヘゲモニー争奪戦につながっている。 韓中日の首脳が日本で会って、北中は中国で会って、北側では北米が会うという忙しさは歴史的にも例を見つけるのは難しいだろう。

周辺国の主導権争いの中でも特に北米首脳会談を控えて、北と米国の動きは想像を超える。 金正恩(キム・ジョンウン)委員長はわずか40日後で中国の習近平主席と会い、 米国のポンペイオ長官も40日後に北に駆けつけたのを見れば、 朝鮮半島をめぐる主導権争奪戦の気流は急速度で流れていることが分かる

[出処:青瓦台]

こうした朝鮮半島情勢の中で、米国はイランとの核協定破棄を宣言して中東とヨーロッパを揺るがし、 東北アジアの主導権を握るために暴力を誘発しており、 これは声東撃西戦略(注:東で声を上げ、西を攻撃する戦略)と見られる。 核協定破棄宣言のすぐ翌日、イランとイスラエルは4次中東戦争以後、 最大の武力で衝突した。 帝国主義強国は絶対平和を望まないという事実が立証されており、 米国は自国の利害のために戦争も辞さないという事実が目撃されたのだ。 それでも北が核を放棄すれば東北アジアが非核化され、全地球上に平和が共存するかのうよな雰囲気が盛り上がっている。 しかしこれは事実ではなく、朝鮮半島の非核化も現在の状況では不可能だ。 北側が非核化の約束を守ったとしても、最も多くの核兵器を保有する米国の核兵器と韓米連合軍事演習、 東北アジアの安定という名目で朝鮮半島を縦横無尽する米国の原子力艦艇や、 航空機に搭載された核はどうするのか、 ロシアと中国が保有する核はまたどうするのか。 最も多くの核兵器に対する何の言及もなく非核化を喚く恥じ知らずたちの主張は、 彼らの貪欲を露骨に示すものであり、 強大国の貪欲が続く限り、本当の平和は遠い。

歴史に進められる朝鮮半島と東北アジアの非核化について、 ごく少数の勢力を除けば同意しない人はおらず、 戦争に賛成する人もおらず、 さらに平和を嫌う人はさらにいない。 では我々にとって平和とは何なのだろうか?

平和は緊張のない状態だけではなく正義が実現されること

スイスの社会学者、ジャン・ジグラーは 「人が人らしく生きる社会が建設された時に平和が実現される」と指摘する。 平和は緊張がない状態だけを言うのではなく、 正義が実現されることをいう。 国際的な平和は国家間の対立・紛争・戦争がない状態を示すが、 国家的な平和は労働者・民衆の政治・社会・経済の安寧と安定を試みることだ。 現在の朝鮮半島状況が国際的にも国家的にも平和に及ぼす影響は大きいというが、 労働者・民衆の人生とは全く違う。 もちろん板門店会談以後の南北間和解の雰囲気は、 今後の朝鮮半島の平和と統一戦略としても有効で、非常に望ましいと思われる。

それにもかかわらず、平和という言葉が胸に迫らない理由は、 労働者民衆の境遇が平和からは遠いということだ。 平和の反対の概念は戦争や暴力であり、ここに構造的に位置する抑圧も含まれる。 さらに、蔓延する排除と差別も平和を害する根源だ。 したがって、本当の平和のためには生存の安定が定着し、対立が消滅する条件が用意されなければならない。

私たちにとって、平和は非正常的な雇用形態が正常化し、 雇用から追い出された労働者が原状回復し、 社会的弱者に基本権が保障され、労働する自由と失業者にも生存が保障される制度的な装置が用意されることだ。 対立が存在する限り、抵抗と戦いは必然的だ。 階級間の対立と制度的装置による暴力は、平和ではなく人生に対する激しい戦争だ。 生存が不安定な状態を平和とは言えない。 強者たちは平和を望まない。 さらに平和は両者間・階級間の力のバランスが取れる時、 帝国主義をはじめとする社会的強者たちは平和を受け入れるふりでもするかもしれない。 したがって、鋭い階級対立が続く資本主義では、平和は自動的に与えられるものではなく争奪するものだ。

だからわれわれは直接政治の場を開き、 生存に関する共同の要求をかかげて団結と闘争を強調しよう。 労働者民衆の本当の平和のためにだ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


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