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チャイナ・ナウ〜クリスマスに中国労働者の血と汗
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■   China Now!   
■ 第32号2006年12月22日
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contents
【中国】メリークリスマス!には中国労働者の血と汗
【香港】国際人権デー 香港社会フォーラム2006宣言


【中国】―――――――――――――――――
 メリークリスマス!には中国労働者の血と汗
 ドイツのおもちゃと中国労働者の権利
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2006/12/19

クリスマスにはプレゼントが贈られる。サンタクロースは遥か
彼方の中国からドイツの子どもたちのためにプレゼントを運ん
できてくれる。中国労働者の血と汗とともに。

クリスマス関連の商品のなかで、おもちゃの80%は中国、と
くに中国広東省の大小何千もの玩具工場からの輸入品だ。近年
、中国の玩具工場の劣悪な労働状況が西側メディアで報道され
、人権団体や労働NGOなどが問題に取り組んでいる。ドイツの
週刊誌の記者、ウォルフガン・メンデルは、広東の玩具工場を
半月かけて取材した。

「こいつらみんな田舎者だろ、十回も怒鳴ってやっと仕事を理
解する」。王と名乗る職制が、工場の作業ラインでメンデルに
説明する。そこは宇宙船のおもちゃをつくっているライン。室
内は毒ガス室のようだ。何十人もの労働者が小さなプラスチッ
クの部品を手に持って塗装している。部品が小さいので目の近
くに持ってこなければ作業ができない。作業する労働者でマス
クをつけているものはごくわずかだ。室内に充満した塗料のに
おいは人体にとって有害で、マスクなどほとんど役に立たない
のだが。記者が作業室にいたのは短時間であるが、すぐに頭痛
やめまいがした。ここの労働者はふつう一日16時間も働く。長
時間、そして長期間このような有害な空気を吸っている。この
ような有害な空気は、若い労働者たちの体内を蝕む。メンデル
記者は、多くの労働者の顔に発疹があり、腕に赤い水ぶくれが
ある状況を確認している。

テディベア、バービー人形、ジグソーパズル、おもちゃのお城
、電子ゲーム機……、ドイツの子どもたちにとっての夢のよう
な世界は、中国の労働者にとっては往々にして悪夢の世界でも
ある。23歳の曹宇さん(仮名)がメンデルに語ったところによ
ると、彼の玩具工場は「地獄」だという。毎朝、この「地獄」
に行かなければならないかと思うと恐ろしくて仕方がないが、
他にどうしようもない。この8ヶ月ずっと、毎日十数時間続く
仕事は、作業ラインを流れてくるプラスチックの小さなタイヤ
とバンパーをおもちゃの車に取り付ける作業だという。手と指
は腫れてしまい、他のラインに移りたいと希望を出したが、認
められなかった。

曹宇さんの働く工場は他の多くの工場と同じく、一年で最も忙
しい時期は6月から8月だという。欧米のクリスマスセール市場
にあわせて生産するからだ。その時期、労働者は毎日18時間働
くことも珍しくない。ときには納期に間に合わせるために、徹
夜の日が続くこともある。曹宇さんも三日間不眠不休で働いた
記録をもっている。一年でもっとも暇な時期に月1回の休日を
もらうことができるという。それほど働いてどれくらいの賃金
をもらうのだろうか。食費と宿舎費を除けば、手元に残るのは
600元(約9000円)。彼の工場では、就業時間内のトイ
レの回数が決められているという。男性は3回、女性は5回、
それを上回った場合、罰金をとられるという。

中国の玩具工場における労働者の基本的人権の蹂躙が国際的な
問題になっている。さまざまな国際世論の圧力の下、世界玩具
連合会は、中国における労働条件に関する調査を始めた。二年
に一度、調査員を中国の玩具工場に派遣して調査を行っている
。同連合会は、これまでに500の工場に労働条件合格証書を交
付した。

しかし中国では抜け穴が横行している。ある女性労働者がメン
デル記者に語ったところによると、彼女の工場の経営者は、調
査が入るまえに労働者に対して嘘を報告するように奨励し、す
ばらしい嘘をついた者には100元のボーナスを支給するとい
う。そしてこの工場には世界玩具連合会から労働条件合格証書
が交付されているという。

中国の玩具工場の劣悪な労働条件は、多くの労働争議を引き起
こしている。ある小さな玩具工場の経営者はメンデル記者にこ
う語った。「(もしこのままの状態が続けば)社会的な大混乱
がおこるだろう。そうなるまでに多くの時間を要しない」。

原文:「ドイツの声」(http://www.dw-world.de/dw/article/0,2144,2276204,00.html



【香港】―――――――――――――――――
 国際人権デー
   香港社会フォーラム2006宣言
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2006年12月3日から1週間の日程で開催された「香港社
会フォーラム2006」の最終日、12月10日にはデモが行
われ、「国際人権デー 香港社会フォーラム2006宣言」が
発表された。主催団体の香港グローバルネットワーク(HKPA)
は、2005年末に香港で行われたWTO対抗アクションを担
ったネットワーク組織。(編集部)

デモの画像
http://www.hkctu.org.hk/test/admin/upload1/tmp/c734_1.jpg

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国際人権デー 香港社会フォーラム2006宣言
2006年12月10日

香港グローバルネットワーク(HKPA)は、昨年の「抗議世貿!
」(WTO対抗アクション)で不公正な自由貿易に対抗すると
いう決意を引き継ぎ、また多元的性、公正平等、庶民生活の安
定を追求するために、「香港社会フォーラム2006」を開催
し、民衆の視点と関心から出発し、経済的正義をかちとる運動
を推進したいと考えている。

■「小さな政府、大きな市場」は責任逃れの口実

「小さな政府、大きな市場」は香港特別区政府の口癖である。
最低賃金の立法を要求する市民に対して、政府は「賃金は市場
が決める」と説明する。完備された医療制度を要求する市民に
対して、政府は「官民医療はバランスにかける」として、あら
ゆる方策を用いて病人を民間医療へ誘導しようとする。専門教
育の機会を求める市民の要求に対して、政府は受益者負担と高
額で低資格の副学士を打ち出した。

それにひきかえ大企業の要求に対しては、テーマパークへの補
助金支給、大型事業の独占入札など、あらゆる求めに応じいる
。はっきり言って「大きな市場」とは「大企業のために市場を
創造する」ということだったのだ。

社会の発展は「民を以って本となす」でなければならない。雇
用の安定、民生の改善、基本生活の保障などは政府の責任であ
る。政府は責任を逃れるために「小さな政府、大きな市場」と
いう隠れみのの中に逃げ込んではならない。

■経済的権利を重視し公正な社会をともにつくろう

今日は丁度、国際人権デーである。政府が個々人の経済的権利
を重視し、経済発展の本質は、大企業の一方的な利潤追求では
なく、人々の生活の改善でなければならない。「もっとも不公
正な経済ニューストップ10」の投票結果で、市民がもっとも
不満に感じたニュースは「最低賃金制度の導入を引き伸ばす政
府」「九龍バスの下請け清掃労働者時給8.3元」「カドミウム
労災のGP電池」であった。このように政府の責任逃れ、大企業
の搾取、多国籍企業の悪行が、市民が最も注目した経済的不公
正の問題であった。

経済政策は「民を以って本となす」でなければならない。経済
政策を策定する際に考慮しなければならない要素は、大企業に
対する優遇ではなく、規制の強化のための立法、大企業の独占
と搾取の防止、貧富の格差の改善である。

「香港社会フォーラム2006」開催期間中の社会的討論を振
り返り、わたしたちは経済的公正の実践に関する以下の要求を
提起する。

1.立法を含めたさまざまな方法で、労働者の基本的権利を保
障すること。これらの権利には、最低賃金が保障される権利、
団体交渉権などがふくまれる。また移住労働者に対する差別的
政策を廃止すること。

2.公共サービスのアウトソーシング、民営化を停止し、公的
支出を増加して、市民の医療、教育、住宅を享受する基本的権
利を保障すること。

3.立法を通じて香港資本の撤退を規制し、香港経済および雇
用への影響を減少させること。また香港資本による中国投資に
対する規制を強化し、香港資本が現地労働者を搾取し、労働安
全および環境破壊を無視して暴利をむさぼる不道徳な行為をや
めさせること。

原文 
http://www.hkctu.org.hk/newsr.php?orgtopicid=734 (香港
職工会連盟HKCTU)

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▼今年最後の発行になります(たぶん)▼ドイツだけでなく、
日本にも100円ショップや99円ショップなどに中国製品が
あふれています▼中国の低賃金労働者の悲惨な境遇を報道する
ニュースは、なぜか日本では極めて少数です。▼低賃金で無権
利は中国の出稼ぎ労働者だけでなく、周辺諸国にも拡大してい
ます。▼「豊かな」日本でも、安い輸入商品でやっと生活をつ
ないでいるワーキングプアとよばれる労働者や世帯の存在がい
つのまにか当たり前のようになっています。▼アジア各国に進
出してきた日本企業も、現地工場を閉鎖して中国へ生産を集中
させています。▼韓国、馬山自由貿易区にある山本製作所の現
地工場、韓国山本も同様に廃業して生産を中国工場に統合する
として、労働者を一方的に解雇しました。▼韓国山本労組の組
合員は、廃業撤回を求めて日本の本社に対する要請行動を続け
ています。▼日本の経営者はずっと雲隠れをしているようです
。無責任極まりない。▼彼女ら、彼らのとりくみは「レイバー
ネット」(http://www.labornetjp.org/)でも随時報道されて
います。▼資本の論理だけが大手を振って歩く日本、世界はお
かしい。みんなでいっしょに世界を変えよう。▼その前に編集
体制を変えて定期的発行をめざそう(編)


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