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ILO国賠訴訟で国労闘争団の岩崎さん絶句
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松原です。

11月15日午後1時半より、国労闘争団有志が、国を相手に起こしたILO国賠訴訟の公判が東京地裁であった。これは、政府がILOに対して「JR不採用になった職員は、組合差別ではなく、かれらがなまけものだったことが理由」「不当労働行為はなかった」等の虚偽情報をILOに送り、その結果、ILO勧告がねじ曲げられ、大きな被害を受けたことを問題にした。

きょうの公判では、姶良伊佐闘争団の岩崎松男さんと名寄闘争団の佐久間誠さんが、証人尋問に立った。このなかで二人は、無断欠勤ゼロで仕事で表彰も受けたことなどを明らかにし、国労という理由以外に不採用の理由がなかったことを立証した。「遅刻の常習者でも、事故を起こしても、国労を抜けさえすれば採用された」・・・生々しい差別実態の再現に、満員の傍聴席に張りつめた空気が流れた。

最後に、佐久間さんは「国は国会決議を守らず、地労委命令も履行せず、ILOに虚偽情報まで流した。法の秩序を崩してしまった。いまの社会の荒廃はこうした国のウソにある。こうした社会を改善するためにも、人権の砦である裁判所は国を断罪してほしい」と結んだ。

また、不当解雇で「離婚・家庭崩壊」にまで至ったという岩崎さんは、「不採用通知の日、管理者に理由を聞いても一切答えてもらえなかった。私は殺意さえ感じた。その夜は酒をいくら飲んでも心が煮えたぎって寝ることができなかった」「また闘争のため単身で長期の東京生活をしてきたが、ある時、息子が上京することがわかったので、こづかいを渡そうと会うのを楽しみにしていた。・・・・でも、息子は会ってくれなかった」。

この息子の話の時、岩崎さんは、感極まって絶句してしまった。十数秒の間、法廷は静まりかえる。傍聴席からは証人の顔は見えないが、眼にはいっぱい涙をためていたに違いない。闘争団が負った傷の深さが伝わってくる証言だった。

なお、この裁判は、来年の2月で結審となる。(写真は、公判後の簡単な報告会。左=萩尾弁護士、右=岩崎さん)


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