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学習会のお知らせ〜国際金融のしくみを知ろう
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国際金融のしくみを知ろう

ATTACは通貨取引税(トービン税)の導入を目指す運動を進めています。本来、 貿易の代金を決済するための手段である通貨取引が、為替レートの変動を利用して不 当な利益を得ようとする投機の対象となり、通貨への投機は多くの国の経済に深刻な 打撃を与えてきました。

経済のグローバル化している反面、国際的な課税のルールがないために、企業は利益 をタックスヘブンや法人税率が低い国へ移転し、投資ファンドと呼ばれる得体の知れ ない国際金融グループが各国の法律の隙間をかいくぐってマネーゲームに興じていま す。

経済のルールをごく一握りの「専門家」に任せるのではなく、世界の市民が協力し て、多国籍企業や国際的金融機関のグループの暴走にストップをかけ、公正なルール を作り出していくための小さな一歩として、国際金融のしくみを知るための学習会を 計画しています。

隔月に開催し、これまで3回終わりましたが、まず取りあえずはテキストを読み通す ことに挑戦しようという段階です。第4回のテキストと日程・会場は次の通りです。

・「トービン税入門」ブリュノ・ジュタン(社会評論社)の「第2章」。長い章です が、トービン税導入をめぐる最先端の議論です。

会員が輪番で概略を報告しますので、読んでない方も、いっしょに勉強しましょう。 ぜひご参加ください。

9月24日(日)午後2−4時半 ドーンセンター・小会議室6 (京阪/地下鉄谷町線・天満橋) 参加費:300円(会員無料)

ATTAC関西グループ 連絡先:06−6474−1167(喜多幡)

+++ 国際通貨税をめぐる動き(2006・1〜6)

1月世界社会フォーラムでWPF会議(1月19日、マリ)

05年の世界社会フォーラムで、フィンランドNIGD、ブラジル「リベルダデ」、 ATTAC−Japan等の呼びかけで、「もう1つの金融・財政システムを」プ ラットフォームが結成された。その後、債務問題やタックスヘブンの問題に関わって いるグループ等が参加し、05年秋に「ワールド・パブリック・ファイナンス」(W PF、新たな「世界規模の公共的金融・財政」システムを目指すという趣旨)と改称 した。WPFは、新たな国際的な財政制度の基礎についての政治的・理論的提案を共 同で準備するために、06年1月にバマコ(マリ)とカラカス、2007年1月にナ イロビで開催される世界社会フォーラムで会合を計画している。

オーストリア首相がEU議会にCTTを提案(1月18日)

06年前半のEU議長国であるオーストリアのシュッセル首相(国民党)は、1月1 8日のEU議会での演説で、EUの財政基盤の強化を求め、その中で短期的な通貨投 機や航空・航海税の必要性に言及した。この提案はCTTの目的とは異なるが、EU 規模の税に関する論争を再び活発化させるだろう。 EU税の導入については全加盟国の同意が必要だが、英国政府がEU税の導入には一 貫して反対している。ドイツのシュタインブリュック財務相(社会民主党)もこの提 案を「忘れた頃に現れるネス湖の怪獣のようなもの」として一蹴した。

ヨーロッパCTTネットワーク会議(12月7日、ベルギー)

06年2月にパリで開催される航空チケット税に関する国際会議への取り組みについ て討論。会議にはNGOも招待されている。NGOによる独自のイベントも計画され ている。英国の「貧困をなくすための印紙税キャンペーン」(「トービン税ネット ワーク」などが参加)は、他の国際課税のための突破口として航空チケット税の実現 を目指す。ATTACフランスは、金融市場への規制を要求する観点から、航空チ ケット税については慎重な態度を取っているが、反対する行動は行わない。ベルギー のNGOのネットワークである「11.11.11」は、航空チケット税がCTTから関心を そらせるために利用されることに警戒する必要を指摘した。CTTネットワークとし ては、ブラジルのグループや他のネットワークとも討論しながら、共同声明を追求す る。フランス政府代表団との非公式会合を持つ。

英国、議会でタックスヘブン問題の論議(11月10日)

英国議会の「債務・援助・貿易問題超党派グループ」で資本の国外流出の問題が論議 された。トービン税導入を主張している研究者たちが、タックスヘブンや税回避の問 題の深刻さを訴えた。ソニア・カプール氏は、発展途上国からの違法な資本流出が8 000億ドルにものぼり、これは途上国への経済援助の10倍以上であるという驚く べき実態を報告した。J・P・ランドウ氏は、世界の貿易の50%がタックスヘブン を経由していると報告した。ジョン・クリステンセン氏は、オフショア取引で処理さ れる「ダーティーマネー」(不正資金)は、全世界で5兆ドルに達しているという報 告に言及した。

フランスで「発展のための資金調達の創造的手段」会議(2/28-3/1)

フランス・シラク大統領は、航空チケット税導入に先立って、2月28日-3月1日、パ リで「発展のための資金調達の創造的手段」会議を開催した。ドイツWEED(世界経済 ・エコロジー発展協会)のピーター・ワウル氏はこの会議に関して、「画期的とは言 えないまでも、新しいダイナミズムを生み出した」と評価し、特に次の点を指摘して いる。?会議前日にフランスと英国は、フランスが提案している国際医薬品購入機構 (IDPF)と英国が提唱している国際金融機構(IFF)に相互に一定額を拠出すること に合意した。これはフランスの外交的成功である。?税収の使い方をめぐる問題が表 面化している。たとえば、ブラジルは税収の全額をIDPFに拠出するのでなく、一部を 自国のジェネリック薬産業育成に充てることを希望している。?グローバリゼーショ ンの過程への批判的な論調が強まってきた(これはシラクの開会演説にも反映されて いる)、また、CTT等も課題に上っている。38カ国が参加する「発展のための連帯献 金のためのパイロット・グループ」が設立された。

ヨーロッパCTTネットワーク会議(3/28、ケルン)

パリ会議の評価、当面のイベント、各国の状況と活動の報告、環境運動との連携、 CTTネットワークの位置付けについて討論した。ATTACベルギー、フィンランドは航空 チケット税に反対。

ブラジルで国際課税に関するセミナー(4/20-23)

4月20-23日にブラジル北東部・ペルナンブコ州レシフェで開催された第2回ブラジル 社会フォーラムの一環として、国際課税に関するセミナーが開催された。主催はブラ ジルCUT(中央統一労組)、SUD連合(フランスのNGO)、ABONG、フリードリッヒ・ エーベルト財団。ブラジルとチリの政府代表も参加した。2-3月のパリ会議の継続と して、6月にブラジルで国際会議が開催されること、ブラジル財務省内で航空チケッ ト税の技術的詰めの作業中であること等が報告された。税収見込みは1000-1200万米 ドル。チリでは航空チケット税導入に向け、国会での手続きがほぼ完了している。税 収見込みは600万米ドルで、そのうち50%は国内の観光産業の振興に充てられる。

ヨーロッパCTTネットワーク会議(6/1、ケルン)

「トービンを超えて - 国際環境および経済税の可能性と限界」をテーマとする専門 家会議が合わせて開催された。

税の公正を求める北欧ネットワーク設立される(6/9〜10)

6月9-10日にオスロで「税の公正を求める北欧ネットワーク」が設立された。この ネットワークは、北欧諸国の税制が、グローバル経済に伴う危険や課題に対応するた めの必要かつ創造的なモデルであると考える活動家・研究者の連合であり、累進課 税、良好なガバナンス(統治)、高いレベルの公共サービスを特徴とした北欧の税制 が現在、有害な税率引き下げ競争や国際的な脱税によって掘り崩されようとしている ことに対して危機感を表明している。


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